共同求人委員会は11月27日(火)、インターンシップ意見交換会を開催しました。今夏(8~9月)に会員企業12社に20名派遣いただいた大学に加え大学・短期大学7校9名の教授・担当者と会員企業15社17名(事務局含む)が参加しました。

大学から社会人になる前にキャリア形成するインターンシップ事業成果を報告。研修後の学生意識が向上している成果が聞かれました。その後4グループでバズセッションを行いました。より多くの学生にインターンシップ参加企業の魅力を事前に伝える場や学生との事前面談など、学生と企業のミスマッチを避け、双方の目的意識の共有をさらに図る必要性が感じられました。

まとめに前嶋ゆかり氏(㈱ホンダクリオ富士)は「大学と企業の話す場を今後も活発に持ち、時代の変化に柔軟に対応できるインターンシップを今後も取組んでいきたい」と総括しました。

 

※以下、意見交換会の参加大学・短期大学と会員企業(順不同)

<大学・短期大学>

富士常葉大学、東海大学短期大学部、静岡産業大学、静岡大学、静岡福祉大学

静岡英和学院大学・短期大学部、常葉学園大学

 

<同友会>

岩堀電設㈱、 (農)茶夢茶夢ランド菅山園、遠藤科学㈱、㈱オートベル、白鳥労務行政事務所、㈱アイ・クリエイティブ、バリュー・トーカイ㈱、平尾吉章税理士事務所、㈱ホンダクリオ富士、㈱榛南自動車学校、㈱平成工業、㈱メイコー、山村社会保険労務士事務所、㈱リンク・アンビション、同友会事務局

11月21日(水)、静岡大学人文社会科学部で静岡大学連携講座「企業経済持論Ⅳ」第8回の講義を杉村 喜美雄氏(㈱ハイホームス)が行いました。

杉村氏は藤枝市で工務店を起業して28年目。現在家を建てる主人公はほぼ30代、団塊ジュニア世代との価値観の共有が大事だと考えます。家づくりは住まい手とライフスタイル(価値観)の共有をしないとできないからです。

人口が減り家が余っている日本で、工務店はどうしたらいいのか。社会のさまざまな問題をデータから読み取り、考えています。

経営課題は山積みですが、特に大きいのは消費税増税後の落ち込みです。多くの工務店が3年後に淘汰されることははっきりしています。ここを乗り切れるかは会社の体力と経営のマネジメント力にかかっています。

日本の中小企業の課題のひとつに、社長の高齢化、事業継承があげられますが、静岡県でも中小企業の57%が後継者不在という状態で、これは杉村氏にとっても同じです。創業すると同時に次の継承を考え、会社の理念を共有する社員が育ち、その中から後継者が育つのが理想と考えます。やっぱり企業は人、人をいかに育てるかを痛感しています。

ハイホームスではインターンシップ生を毎年受け入れています。今年来た学生が、家を作るときにお客さんが書いた家への思いを整理してくれました。「家族・自然・笑顔・健康・感謝」の言葉は宝物です。

私は7年前、先代社長である父親が倒れた為に突然事業継承を受けました。社員もおらず、身内で事業を行う弊社。次の日からすべての責任を負う事になったのです。自信がなく不安ばかりの日々。経営者として何をすれば良いのか判らず、父が残した仕事をこなすのに精いっぱいの数年間でした。
幸いだったのは、同友会へ入会していた事。御殿場支部で新入会員の登竜門とされている経営理念部会に入り、1年間の勉強でなんとか理念を作成。その後数年間支部で勉強させていただき、経営者とは何ぞや?を学ばせていただきました。
そして、更なる学びを求めて第8期経営指針を作る会への参加を決意。入会当時支部で作成した理念をベースにもう一度作り直すところから始まり、自社の強み・弱みの分析、外部・内部環境分析、基本方針、個別方針と進む中、何より刺激になったのは他支部の受講生同士、スタッフの皆様、諸先輩方と行う毎回のバズセッション中心の勉強会でした。回を重ねるごとに自身の想いや将来のビジョンなど「ぼんやりとしていた想い」がハッキリと見えてきたのです。特に、2回行われる一泊研修会ではミッチリ朝から行われる発表とバズセッションの後、夜遅くまで皆さんと腹を割って「本音で語りあう」熱い夜。自分のため、そして仲間のために悩みを打ち明け、本音で意見を交し合うことで自分の想いや会社の将来像が浮き彫りになってくるのには、感動さえ覚えました。支部の例会などではあながち「優等生」的な意見を出しがちですが、創る会ではそれがありません。
第8期経営指針を作る会を卒業して半年。会社がすぐに変わるということはありませんが、明らかに自分の想いは強く、そして明確になりました。不安ばかりの日々が一転、自信を持って経営に取り組めるようになったのです。創る会でブラッシュアップした経営理念と、そして何とか作り出した(笑)指針書を携え取引先にも発表。弊社の代表として今まで伝えきれなかった想いを強く訴えかけ、「先代の残した信用」を「自分自身が得た信用」に変えることができました。指針はまだまだ変わります。それは社会情勢の変化だけではなく、自分の成長であると思います。共に学んだ第8期受講生(はっぴーず)との日々を胸に、さらに学び、幾度も指針を作り直していきます。
最後に、自分を変えていただいた経営指針を作る会のスタッフの皆様、先輩、そしてはっぴーずの仲間たちに感謝いたします。
経営指針を創る会8期卒業生
大川 隆久氏(御殿場支部)

<家業から企業へ>

結婚を機に保険業界へ飛び込み、地元である静岡から富士宮へ。友人知人も少なく、飛び込み営業から4年で父の個人代理店と合併し法人化しました。保険の相談のみならず、幅広く経営者の方のお役に立ちたいとの思いから、税務・労務・法律・公的保険制度など、各士業の方との連携と情報発信を行っています。

同友会入会前の宇佐美氏は、地域ナンバーワンを目指しながら、目先の売り上げ拡大へひたすら突き進む毎日。時代の変化とともに生き残りをかけた代理店業界で、家業から企業に変わらなければならない!と悪戦苦闘の日々でした。自分がプレーヤとして会社が大きくなっても、自分なしで回らない会社ではいけない。社員の採用と教育が今こそ必要だと・・・。上手くいかない空回りの日々。父との経営方針での衝突。自分は間違っていないと勘違いしていた時に、同友会と出会いました。

 

<同友会との出会い>

現支部長・簔氏の紹介で同友会に入会して最初の5年間は、先輩会員に苦言を言われる“本当の意味”に気付かずにいました。しかし、それが“同友会式の思いやり”であることが解りました。

そして、素晴らしい先輩方から教えてもらった言葉、「微差は大差」「共存する競争」「積極的謙虚」「自分に合ったスピード」「人は身の丈ほど高くならず」「明日、死すとも後悔せず」

平成21年から始まった富士宮支部の経営理念委員会で、経営理念を学びました。そして、労使見解について勉強していくうちに、これらが一つに繋がって「理念」が完成しました。そして自分の通るべき道と、自社の進む道が見えてきました。

<これからの課題>

経営理念から、経営指針、戦略、計画までを作成実行し、見直していくこと。地域と共に発展していく為には、地域振興条例を考えていくこと。PTA時代に学んだ、学校教育と家庭教育、地域協力で、子供が帰ってくる地域にしたいです。地域に必要とされる一人の人間に、地域に求められる企業を目指して、これから更なる成長を目指します。

◆創業の経緯

きれいなお茶畑に囲まれた牧之原の工場から、全国に干し芋を届けている戸塚氏は、1998年に㈲まるととづかを設立しました。干し芋屋を始めたきっかけは、実家がお茶農家で、お茶の販売量が低下。何か地元の食材で、良いお茶うけはないかと考えた時、昔から身近にあった干し芋の製造・販売をしようと思いました。現在はお茶屋さんでお茶と一緒に販売してもらい、自然食ブームが重なり順調に売り上げを伸ばしています。

◆商品へのこだわり

戸塚氏は商品に対して妥協はしません。干し芋にする芋は、柔らかくて色は黄金色のものを作ってくれる農家のみと契約。通常30日間の熟成期間を45日以上にする。干し芋を干す際は棚を高くするなど、他社が「利益にならないから」と省いてしまう行程を行っています。

また、お客様からいただいたクレームには必ず対応策を考え、実行します。干し芋は湿気に弱く、少しでも袋に穴があいているとカビが生えます。出荷前に丁寧に扱っても輸送時に穴が開いては意味がないので、袋の角を丸くし、通常3層の包装材を5層にしました。小さな事を小さなうちに対処しておくことにより、クレームを無くすことにつながりました。

◆同友会での学び

同友会に入会して、初めに榛原支部の指針委員会に参加しました。今まで自分の気持ちの中にあった会社や社員さんへの思いを、改めて文章にできました。また、委員会活動を行う中で、人と人との関わりの大切さを実感しました。経営者としての学び、そして仲間づくり。同友会で知り合った仲間は大切な宝です。

取材:河内 崇文氏(榛原支部)

池田 順一氏(榛原支部)

 

 

 

 

 

 

 

 

11月14日(水)ヴレクローシュ ブケ東海にて第26回全県経営フォーラムIN三島が開催されました。
今年のテーマは「時代の転換期に、躍進する企業の経営戦略」県内各支部から235名が参加しました。
記念講演には富山同友会会員㈱能作 能作克治氏をお招きし、「道が無ければ自ら拓く!伝統工芸の可能性への挑戦」~がんばれば結果が出る、だから中小企業はおもしろいをテーマに報告していただきました。
400年の歴史がある高岡銅器。㈱能作は高岡で鋳造技術を用いた仏具製造から歩みを始めました。現在では伝統技術を生かし、先進的なデザインの風鈴など、日本国内だけではなく世界に向け高岡銅器の魅力を伝えたいと奮闘しています。
小さな町の工場から世界を飛び回るまでになった㈱能作のこれまでとこれからを笑いを交え語っていただきました。会場からは「勇気をもらった。」「自社の経営にいいヒントを得た」等の声が聞かれました。
その後行われた各分科会でも、内容の濃い熱い議論がなされました。
各分科会の報告者、テーマは下記の通り
第1分科会 「笑いあり涙ありの人づくり戦争で会社が育った」~現場から学ぼう、生きた労使見解~
報告者 藤原博美氏(㈱日本ベルト工業) 佐野譲二氏(㈱和泉運送) コーディネーター 知久正博氏(㈲知久会計センター)
第2分科会 「理想の実践で夢をつくる企業へ」
報告者 朝日康典氏(㈱朝日鉄建)
第3分科会 「『指針を創る会』で社員が変わり、お客様が変わり、私が変わった」
報告者 坂上洋一氏(さかがみ財産クリニック㈱)
第4分科会 「基本条例制定で人や企業が輝く地域づくり」
報告者 藤原義春氏(藤原電子工業㈱・大阪同友会会員)
第5分科会 「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)日本一をめざす企業へ」
報告者 深澤好正氏(深澤電工㈱)

 

11月7日(水)、静岡大学人文社会科学部で静岡大学連携講座「企業経済持論Ⅳ」第6回の講義を山崎 かおり氏(㈱山崎製作所)が行いました。

板金加工業を営む会社の二代目社長になって3年。しかし入社当初は会社を継ぐ気はまったくありませんでした。父である先代経営者が体を悪くしてから経営者不在の状態が続き、後を継ぐのは自分しかいないことに気付きます。そのころリーマンショックの影響で売上は激減していました。

経営者になって会社を見たときに、経営者不在のこの会社を社員が支えてくれていることに気付き、人生を会社にかけてくれている社員を守る、と覚悟を決めました。

職人集団から小さくても一流の企業を目指し、まずはコミュニケーションの研修から始めました。人が育てば会社が育つ。同友会の「人を生かす経営~中小企業における労使関係の見解~」がバイブルです。

これから就職活動をする学生に向けて、中小企業は小さいからこそ一人一人の個性を発揮できる。生きがいをもって楽しく仕事をするために中小企業を選んでは、と語りました。