2013年9月19日(木)comodo(藤枝パークインホテル)で志太支部例会を行いました。「経営者に必要なもの、それは創造とバイタリティ!」と題し、静岡支部所属の㈲プラッツ代表取締役の望月保延氏が登壇しました。

 

望月氏は大企業で企画部長・営業部長を兼任し精力的に仕事をこなしていましたが、体調を崩し、やむなく休職。会社復帰するも心身症に苦しみ、独立を決意しました。その後、社員や周囲の人に支えられ、その壁を越え、現在では海外にマーケットを広げるまでになりました。

マーケットを広げるには人間関係を作ることが不可欠です。意思をわかってもらうためにまずは話を聞いてもらえる努力が必要です。

「苦に思わなければ苦にならない。楽しくなりっこ競争」といったポリシーのもと、版権を得るために担当者へ電話を100回かけたり、数年にわたってアプローチし続けたりしました。また大成功を収めた有名アニメーションのプラモデルを事例に挙げ、何事にも人間関係に恵まれ、感謝していると話しました。広い市場を探りつつも、専門性が高いことに関しては負けないと自信が感じられました。

 

長谷川 結(静岡大学 ( インターンシップ生)

 

 

 

平成25年9月18日(水)サンウェル沼津にて沼津支部9月例会が行われました。

今月はヘアースタジオ・マジックの菅野清二氏が「我が経営を語る『値下げせずとも顧客数・売上落ちず!まさにマジック?』~付加価値を高め不況でも値下げしない闘い方~」というテーマで報告しました。

菅野氏は24歳の時にヘアースタジオ・マジックを立ち上げ独立しました。その後、トレーニングを重ね技術を磨いてきた結果、平成6年のパリの世界大会で6位に入賞しました。当時は地元でも評判の理容室となりましたが、バブル崩壊後、現在に至るまで試行錯誤を繰り返してきました。お客様の中には「菅野さんにカットしてもらいたい」というお客様も多く、菅野氏の人柄の良さが伝わってきました。

現在は、菅野氏がカットを全て担当し、聴覚障がい者の女性も一緒に働いています。今後は高齢者や障がい者にやさしいお店づくりをしていきたいと語りました。

 

バズセッションではそれぞれの経営者が自社の会社を良くするために、どんな付加価値を付けているのかを話合いました。お客様の悩みを親身に聞き応えていくことや、細かなアフターフォローをする等、様々な意見が出されました。どのような付加価値が良いのか今後の参考になった例会でした。

白鳥未来(静岡大学インターンシップ生)

朝霧牧場は昭和40年に酪農から有機肥料を製造する会社へと業態転換、家族経営で事業を行っていました。簑威頼氏が勤め人をやめて会社に戻ったのは平成10年、その後、当時の顧問税理士に同友会を紹介されて入会しました。
「同友会活動と自社経営は車の両輪」と言いますが、まさにそれを実践してきた人。同友会にはハイとYesしかない、支部長だった3年間は絶対に赤字にしない、役を受けたことで人に振ることや時間をつくることができるようになった。すべてが前向きで、会社の理念にしたパリの紋章に書かれているという“たゆたえども沈まず”という言葉につながっています。

会歴10年ですが、同友会理念をまっすぐに捉え自社で実践し、自分も会社も変えてきました。社長になったと思う間もなく先代が他界、相談することができたのは会の中の先輩や仲間たちだったと言います。多くの学びを得たことで、変革にチャレンジすることもできました。
御殿場支部のフォーラム実行委員、富士宮支部から簑氏の応援が参加した伊東支部の9月例会は、オブザーバー1名と伊東の新会員2名を迎え、学び方を学べるいい例会となりました。

~南相馬市を訪ねて~

 

全県経営フォーラムの記念講演をお願いした、福島同友会の北洋舎クリーニングの高橋美加子さんを訪問しました。
あの日から2年半が経過し、一時は1万人を切った南相馬市の7万人口はやっと4万6千人まで回復してきました。「なぜ?」「どうして?」から始まった多くの問いへの答えは、いまだ見つからないものもあります。人知の及ばない理不尽な放射能という物質。震災当時の出来ごとが、とぎれることなく明かされます。絶望する大人たちの言動によって子供たちの言葉も変わり、未来を創る責任があると感じた高橋さんは、地域で生きる企業家として、突き動かされるように行動を起こしました。そうした活動のこと、自社事業のこと、これからの地域づくりのこと、講演でできるだけ伝えたいと考えています。

茫々と草が生い茂る海岸沿いの土地、かつて人々の暮らしや営みがあった場所に、今は住む家がありません。集落が残っていても、立入制限区域となり、誰一人住んでいない所もあります。いつ故郷に帰れるのか、答えはまだどこからも帰ってはこないのです。

9月11日(水)、御殿場支部9月例会が共育部会担当のもと開催されました。

今回は講師例会。株式会社 イデア の山口憲彦氏を迎え、『この指とまれ経営』と題して開催されました。

今回の講演におけるキーワードは、「信条」と「共感」。 同友会の三つの目的にも登場する、「強靭な経営体質の会社」とはお客様や世の中から「必要とされる」体質→貢献できる体質→成長し続けいている会社→変化し続けている会社→貢献できる会社であるべきだとおっしゃっておりました。このような会社を作り上げるためには、経営者が一番大切にしている想い=「信条」を明確に示し、伝えるのがこの指とまれ経営の第一歩です。

しかし、経営者が伝えたつもりになっても、言葉は人それぞれ解釈が違い、意外なところで意見の相違が生じてくるとの事。

実際に講演中、山口氏が「皆さん各自、メロンの絵を描いて近隣と見せ合ってみてください」とおっしゃられ、実際にやってみると誰もが当たり前に知っている「メロンの絵」のはずなのに、ヘタの形や、網目のあるなし、切り身や丸ごとなど、全く違う解釈がされておりました。この「絵=社長の心情の理解」を全社員で統一することが、成長のカギのようです。

そしてお話は終盤、「ESとCS」の話へ。普通はES (Employee Satisfaction) = 従業員満足度CS (Customer Satisfaction) = 顧客満足度と理解されていますが、氏の提唱する ES / CS とは、ES (Employee sympacy) = 社員の共感CS (Customer sympacy) = 顧客の共感であるそうです。社員が経営者に共感し、愛社精神を持つことで一つのベクトルへ向かって成長していく。お客様も会社に共感し、ファンになり、長いおつきあいが始まる。このような共感を得ることができる経営者や幹部はどのようなことを話しているかというと、

1.自分自身とは何者か⇒経営者は何を大切にしているか?

2.なぜ、私はここにいるのか⇒なぜこの事業をやっているのか?

3.あなたの言いたいことは判っている⇒従業員の気持ちを汲んで、理解する

このような取り組みをしているそうです。

 

最後に、われわれ経営者は『喜業家』であるべきだ、とおっしゃられてました。

「社員に対して、また顧客に対して、喜びをもって接し、貢献企業を目指して生き残り続ける会社を目指しましょう」と締められました。

大川 隆久氏(御殿場支部)

富士総業込山氏

 今回は、11月2日(土)に御殿場支部設営で行われる第27回全県経営フォーラムの第5分科会(見学分科会)会場になっている、富士総業(株)の込山正一郎氏を訪ねました。総合解体・産業廃棄物処分・浄化槽清掃などを行っていた富士総業(株)が、2012年から新規事業として始めた木質ペレット工場。間伐材を利用したペレットの製造・販売を始めるに至った経緯や思いを語っていただきました。

 

【表紙写真】地産地消と地域貢献の橋渡しをする木質ペレット

会員企業名 富士総業株式会社 設立 1983年9月
会員名 込山正一郎 業種 廃棄物処理業
所属支部 御殿場支部 社員数 総数17名(パート含む)
会暦 1990年 入会(先代) 趣味 子育て 

 

今回お邪魔した富士総業(株)は、もともと駿東郡小山町および御殿場市のいわゆる「北駿地区」を中心に産業廃棄物処理や総合解体事業を行っており、リサイクル事業や環境保全事業に力を入れている会社です。

常に環境を意識した事業展開を行ってきた込山さんの耳に入ったのは、北駿地区の山の整理が進んでいない現状でした。山を守るために行われる「木の間引き」である間伐。ところが間伐された木は、木材価格の低迷や出材コストの増加により、伐ったまま山に残置する「捨て切り間伐」をされていたのが実情でした。そこで2012年より、この間伐材を利用して化石燃料に代わる「木質ペレット燃料」を製造・販売することになったのです。

山を守り、地域を守る間伐材利用

現在日本の国土面積の約70%を占めている山林のうち、およそ40%もの木々が何十年も前に人の手で植林された森だそうです。木が成長して葉が生い茂ると、密接した木々がお互いの成長を妨げ二酸化炭素の吸収力が低下したり、地面に日の光が届かないため降雨の吸収率が下がって土砂崩壊などの山地災害を引き起こす可能性が高まります。

その様な事態を防ぐために必要不可欠な“間伐”なのですが、この間伐材は適度な長さ、太さがあり用途があるにもかかわらず、先述の通り、出材コストに見合った木材価格が得られず、採算性から捨て切り間伐が多く見受けられたそうです。

この間伐材を何とか利用できないかと目を付けたのが「木質ペレット」。2009年頃から事業準備に入り、四国・高知県へ見学に行かれたそうです。高知県ではすでにこのビジネスモデルが出来上がっており、地域で出た間伐材を地域で燃料として消費する、まさに地産地消が行われておりました。また、間伐材利用が増えれば森の整備も進み、山も甦るので一石二鳥です。

また、込山氏が新たな事業に向けて準備をしている最中の2010年9月8日、日本列島を襲った台風9号によって小山町では1時間に120mmを超えるほどの大雨が降り、激甚災害指定を受けるほどの大規模な災害が発生しました。捨て切り間伐された木によって自然ダムが作られるなど、山の整理が進んでいないことも災害の一因として考えられたそうです。この出来事も、込山氏の背中をあと押ししたそうです。

そして2年の準備期間を経た2011年、木質ペレット工場が稼働し始めました。「売り物にならず放置されていた間伐材に価値を与え、山を健全にし、地域を守る事ができる事業なんです」と込山氏は語っていました。

ペレット工場

取材風景

地産地消が事業の要

富士総業でペレットに加工される原料は、すべて会社が位置する北駿地区で伐られた間伐材が利用されています。会社構内にはたくさんの原木がストックされ、ペレットに加工される日を待っていました。

間伐材の山

ここで生産されるペレットは「原木ペレット」と呼ばれる、皮つきのまま加工されるペレット。丸太のまま大きな粉砕機に投入され、おが粉状に粉砕されます。このおが粉をペレット状に固めるのですが、大切なのは水分量。原木は50%もの水分を含んでいるため、このままだと燃料として燃やすことができないそうです。

木材をおが粉にする機械の刃

そこでおが粉を乾燥機にかけて水分量12%まで乾燥させるのですが、感心したのはこの乾燥機の燃料。なんと、乾燥機で乾燥させたおが粉の一部を、自動的にボイラーに戻して使用しているそうです。乾燥機燃料がしっかりと自給自足されているんですね。工場内での「地産地消」と言ったところでしょうか?

乾燥させるボイラー

水分量は電子制御で

乾燥させたおが粉は、また加熱して機械にかけ、ペレット状に自動的に加工されます。固めるために何か接着剤のようなものを混入させるのかと思ったら、ここでも「地産地消?」・・・熱をかけることで木の成分をリグニンとセルロースに分解させ、このうちリグニンが接着剤のような役目をするために固めることができるそうです。このようにして、100%混じりなしの、北駿地区産木質ペレット燃料が完成します。

木質ペレット製造設備

完成したペレット

 

込山氏が強く語っていたのは、「地元の木を、地元の業者が伐採し、地元のウチがペレットに加工して、地元で消費してもらうことが大切なんです。ペレットに関わる各企業が、Win-Winの関係を保っていく事ですね」どんどん地方が疲弊してお金が外へ出て行ってしまう現状を、お金を外に出さず、地元で消費して回す形ができればいいと思うと語っていました。

 

今後のペレット工場の目標は?

夢がいっぱい詰まった地元の燃料「木質ペレット」ですが、やはり競合するのは化石燃料との価格だそうです。

1kgの燃料を燃やした時の熱量は、木質ペレットでおよそ4,500kcal。灯油が8,200kcalで、重油が8,700kcalだそうです。つまり、ペレットは重油と比較しておよそ半分の熱量。しかし燃料価格の比較では、キロ単価比較で重油価格の半分以下となるそうです。

ペレットストーブの販売もしています!

また、価格も安定して供給できるため、一見化石燃料に比べれば有利な気もしたのですが・・・。「ボイラー設備のイニシャルコストが問題です」と込山氏。ペレット用ボイラー設備は、通常(石油)ボイラーの3~4倍ほど掛かってしまうとのこと。だいたい、年間の燃料代で1,000万円程度使用しているお客様であれば、数年で回収できるそうです。

工場の当面の目標は黒字化。年間2,000トンの生産力をもつ工場ですが、現在は半分の1,000トンほどしか生産していないそうです。「大口のお客様や、ペレットストーブなど個人利用のお客様を少しずつ開拓して、積み上げていくしかないですね」と込山氏。

ただ、最後におっしゃっていたのは「ペレットを広めることで、山を身近に感じてもらい、理解を深めてもらえれば山の木がどんどんイキイキしていくと思います」との事。やっぱり、山の環境を愛してやまない込山氏なのでした。

込山氏

■取材・文:大川 隆久さん フヱタ工業㈲
■写真:片野 貴一郎さん ㈱モスク・クリエイション
■取材:勝亦 英樹さん 勝亦製材駿河鉄骨㈱
■取材:立道 浩幸さん ㈱蒼設計
■取材:勝間田 賢一さん ㈱駿河調査設計
■取材:遠藤 直樹さん ㈱マルエ

 

私の会社は生命保険と損害保険の販売代理店として沼津市を中心に活動しています。私が同友会に入会したのは平成19年の9月でした。当時、営業3名事務1名の組織体制で会社を運営していましたが、仕事の取り組み方や外部環境の変化などで、うまくいかなくなり平成22年3月をもって解散となってしまいました。すぐに新しく会社を立ち上げ一人でリスタートとなった訳です。もし、会社に理念や指針があれば上手くやって行けたのではと思いつつ、必要だと感じてはいましたがどうすれば良いかわかりませんでした。そこに、1枚のFAXが事務所に届いたのです。それが「経営指針をつくる会」の7期受講生募集でした。

これは渡りに船と思い受講生として勉強を始めたのです。毎月出された宿題をこなしながら、先輩受講生のアドバイスを頂き経営理念から経営方針そして経営計画と会社経営にあらゆる角度から熟慮を重ね指針をまとめて行きました。受講の間はいつも雲の中をさまよっているような感じで自分の想いを素直に出せず、同期の受講生や先輩から厳しく言われた事も何度もありました。そうした中、回を重ねるごとに会社経営とは何か深く考えられるようになり、何とか卒業したのです。しかし、作成した指針を具体的な行動や数字に落とし込んで行く事を曖昧にしたままここまでやってきたと思います。

今では経営理念はもとより、計画と実践が何より重要だと感じています。以前は計画してもどうせうまくいかないと半ば諦めて流されていたと思います。しかし、うまくいかない事が当たり前なのですから、まずやってみる、一歩踏み出す事が大切だと思い会社経営をしています。その羅針盤になるのが経営指針だと思うのです。

まだまだ、立派な経営者とは程遠い私ですが自分なりに作り上げた指針と共に、同友会を通して色々な経営者の方々から学びながら成長して行きたいです。

 

経営指針をつくる会7期卒業生 露木正樹(沼津支部)

ダイヤ水処理㈱  専務取締役 前原 毅氏(御殿場支部)

事業内容:空調・風呂設備等の設計・施工・メンテナンス

設  立:1976年(昭和51年)2月

社 員 数:6名

入  会:2006年6月

所 在 地:御殿場市萩原1360

U R L :http://www.dwt.jp/

 

迷子になった2代目経営者

御殿場市を中心に大規模(業務用)空調設備設置・メンテナンス、受水槽メンテナンス、管工事、風呂設備などを手掛ける同社は、市内アウトレットモールの店舗設備においても空調・電気・衛生・警戒・防災設備を一手に引き受ける、業務用設備全般に特化した会社です。前原氏は現在同社にて専務取締役として、父でもある社長を支えながら会社の成長のため大活躍をされています。

非常に業務内容も多肢にわたり強みが多い会社のように思いますが、前原氏にお話を伺うとそれが故に2代目としての悩みがあったそうです。同友会に入会し会社の発展のため学べば学ぶほど、自分は、そして会社は、どちらの方向に向いていったらよいのかわからない、まさに「迷子状態」となっていました。

 

苦労して作り上げた経営戦略

そんな折、御殿場支部の部会活動で経営戦略部会に入会。1年かけて学び合い、苦労の結果経営戦略を作成。支部例会では社員も全員オブザーバー参加して、経営戦略発表会を行いました。戦略づくりで一番苦労したのは“自社分析”。5か月かけて作り上げた戦略のうち、実に4ヶ月をSWOT分析に費やしたそうです。いったい自社は何が得意なのか?何を求められているのか?どんな要望があるのか?業務内容が多い同社ゆえに、絞込みと数値化に苦労されたそうです。

 

20年後を見据えた経営戦略で社員も変わる

前原氏が驚いたのは、経営戦略を立てたことで、前原氏自身だけではなく社員の仕事に対する姿勢も大きく変わったことだそうです。戦略の中に、「お客様の“困った”に早く対応し、安心を提供する」というのがあります。社員全員がその目標に向けて日々活躍されています。また、前原氏の戦略は先ず20年後のビジョンを立て、そこにたどり着くまでの道筋から作り上げられています。全社一丸となり、20年後の未来を思い描きながら仕事をされていました。「11月に御殿場で行われる全県フォーラムでは、第1分科会で報告させていただきます。ぜひ報告を聞いた皆さんから、また学ばせて頂いたいです」と語る前原氏でした。

取材・原稿:大川 隆久氏(フヱタ工業㈲・御殿場支部)

左前原和敏社長 右前原毅氏

㈱ツチヤ・フソウホーム

代表取締役社長 土屋 健氏 (浜松支部)

事業内容:建築工事設計施工、各種リフォーム工事 不動産売買

設立:1971年(昭和46年)12月

社員数:13名(パート含む)

入会:2009年4月 (名義変更2012年3月)

所在地:浜松市西区入野町14191-1

URL:http://www.fusohome.com/

【社長就任後の苦悩と工夫】

住宅の新築とリフォーム事業を主軸に営業する同社。プランから完成まで一貫して手造りで提供する地域密着の企業です。

土屋氏は2011年4月に5代目代表取締役社長に就任しました。就任当初は先輩や同年代の社員に、自身の方針や考えが社員に思うように伝わりませんでした。それでもミーティングの回数を増やし、社長の想いを繰り返し伝えることで、少しずつ受け入れてもらえるようになりました。社員からは報告だけでなく、お客様との折衝経緯も情報共有してもらい、営業と現場の連携も取れるようになりました。

 

【ありがとうのある暮らしを】

『ありがとうのある暮らしを』を基本方針に据え、お客様に感謝し、また感謝される仕事を心がけています。家を建てる前の着工式では、お客様や社員、協力会社や工事関係者全員が顔を合わせ、それぞれ家を建てることへの想いを伝えます。コミュニケーションを大切に住まう人の気持ちを真剣に考え住みやすい家を提案できる体制もできています。

 

【地域のために】

家が完成してからも、お客様と長く付き合っていけるよう感謝祭等を開催し、つながりを大事にし、アフターサービスにも力を入れています。社屋の向かい側に『夢応援プラザ』(写真後方)を開設しています。OB客や近隣住民の方にも自由に使える空間として、健康に関するイベントや女性起業家向けセミナー、朝市などを行っています。最後に「地元に密着し、世代を越えた長い付き合いを大切に、お客様に信用してもらえる対応をこれからも心がけていきたい」と語りました。

【原稿】杉本敏雄氏(㈲浜名シスコム・浜松支部)

【同行】岩井一代氏(㈲たちばなファーム・浜松支部)

左から岩井氏、土屋氏、杉本氏

まず、条例案の発表が行われました。条例制定委員が5ヶ月かけて作り上げた条例案には、未来の子供たちに手渡すべき持続可能なまちづくりを進める為、地域に根ざした中小企業が重要な役割を担い、市民・行政もそれを支援し協働して中小企業振興を行おうと宣言されています。参加者は皆、読み上げられる前文・本文の、一字一句を真剣に聞いていました。そして、中小企業振興の前提には、中小企業の自主的な努力が基本となるわけで、改めて同友会で学び、会社にて実践し、よりよい経営者(会社)となることが、自分たちの責任である事を実感しました。

続いて、経営指針研究会にて学んだ3名の経営理念の発表です。ガソリン・プロパンガスを販売する草ヶ谷燃料㈱草ヶ谷健太郎氏は、ライフラインの安定供給を自社の守るべきものとし、自身の経験から全社員に伝わる単純明瞭な理念を発表しました。

次に金属プレス・パイプ加工の丸山工業㈱九川治喜氏は、数年前に作った経営理念を再度練り直したものを発表しました。自分もお客様も感動できる仕事を目指し、会社を楽団(オーケストラ)に例えた経営理念は、九川氏の人柄が溢れるものでした。

最後に、家電販売店を営み、一級建築士としても活躍する松屋電気商会の稲原研氏の発表です。1919年から続くお店の歴史に感謝し、これからの100年を心ゆたかに暮らしたい、お客様に建築設計も含めたくらしの提案をしたい、との想いを込めた経営理念を発表しました。

全ての発表を聞き終わり、改めて条例制定に希望を感じました。同友会らしい充実した2時間でした。

前島大介氏(神田不動産総合企画 富士宮支部)