10年を迎えた県同友会の経営指針を創る会。2月22~23日に帝人(株)富士教育研修所で一泊卒業式を行いました。本年度は受講生11名が卒業式を迎え、9ヶ月の期間、互いに切磋琢磨した真の同期生とスタッフに、経営指針を発表しました。経営理念、経営方針、経営計画を策定し、これから受講生は成文化した経営指針を実践していきます。卒業は新たなスタート。2日目の最後に、参加者全員が感想を発表しました。受講生からは「気持ち晴々」「心から相談できる仲間ができた」「自分の成長を感じた。覚悟をもって実践していく」など、喜びと誓いの声が多く聞かれました。
受講生とともに参加した卒業生スタッフも学びを深め、参加し、支えられてきた経営指針を創る会は10年の節目を迎えました。「十年、偉大なり」を新たなスタートとし、今後も経営指針の成文化と実践を追い求め、「二十年、畏るべし」、「三十年、歴史なる」に向け、実践していきます。

経営指針を発表

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2月20日、牧之原市総合福祉センターにて榛原支部2月例会が開催されました。支部会員3名が、成長企業の原動力と題し、社会的ニーズに対応した新たな価値の創造と実践を、パネルディスカッション形式で語りました。報告者は、門田俊夫氏 (()クリーニングのマイン)、畑設司氏(()ハイナン)、山本坂衛氏(山本電機())でした。

門田氏は、クリーニング業として、県下初となるドライブスルーやシーズン預かり保管、宅配サービスなど、利便性の高いサービスを展開しています。人口減少、高齢化社会などの外部環境の変化の中において、お客様の傾向を分析することで新たな営業戦略が生まれてきました。

畑氏は、総合解体工事業、産業廃棄物処理業、リサイクル事業などを行い、新たな価値の追求で循環型社会の確立を目指しています。解体工事現場から出るコンクリートの再資源化について研究・開発を行いました。2年の期間を経て、現在は、再生砂として資源活用させることを実現しました。

山本氏は、制御システムの開発・製造技術を活かし、地域産業を担う企業の省力化、省エネ化、経費削減に貢献しています。これまで培ってきた制御盤のノウハウと技術力を生かして、医療分野へ進出しました。システムのプログラム開発から製作、そしてアフターメンテナンスまで一貫した体制で行い、スピーディーに対応をしています。

まとめに、コーディネーターの鈴木茂氏(()静波オート)は、「3者に共通すること。それは社会に必要とされる会社を目指しているということ。よりよい製品やサービスをめざし、社会的ニーズ、価値を追求していること」と参加者に伝えました。

218()三島商工会議所で三島支部例会が行われました。「我が経営を語る」をテーマに古川一郎氏(㈲一電工)が登壇しました。同社は電気や空調、また太陽光発電や自動火災報知機などの設備工事を行っています。24歳で初めて電気工事の世界に入り、大きな工場の工事の電気の設備工事、高圧電気設備工事、また火災報知設備工事など、幅広い分野の経験を積みました。30歳で独立し、幅広く受注が受けられるように電気主任技術者、電気工事施工管理技士、消防設備士などの資格も取得しました。

会社員時代の経験や、資格を生かし、幅広く受注できることを強みとしています。

わかりやすく、電気線を使用した説明もありました。

社員教育をして社員に技術や知識を伝え、安定した仕事量を確保できるように、今後は市場の開拓と新規顧客の開拓が必要と話しました。

簑氏(左3人目)と分科会に参加した富士宮支部会員

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人を生かす経営の実践を広げ、仕事をつくり、暮らしを守り、夢の持てる地域をつくろう」をテーマに、2月13~14日、第44回中小企業問題全国研究集会(以下、全研)が開催されました。静岡からは39名、全国1288名が平和都市広島の地に集結しました。初日の分科会では、第7分科会報告者の簑威頼氏(富士宮支部)をはじめ全18分科会の学び、2日目は全体会と松井一實広島市長より被爆地広島からのメッセージ、そして特別企画「人が育つ会社づくりこそ企業発展の道」をテーマにパネルディスカッションが行われました。

川口広島同友会代表理事(左)と鋤柄中同協会長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開催地を代表して広島同友会の川口代表理事は「全国各地から1288名が集まり開催することができました。来年、広島は原爆投下から70年の節目を迎えます。被ばくされた人たちの思い、そして東日本大震災で被災された人たちの思いを風化させることなく、現状の共有と支援をしていきたい。広島同友会に入会して25年。地域からの同友会の期待は高く、中小企業振興基本条例制定は会の責務と感じています。2日間の学びを起点に同友会の意義と役割を確認しあい、今後も確信を持って同友会運動を進めていきましょう」と伝えました。
続いて主催者を代表し、鋤柄中同協会長から、平和都市広島での開催を意義深く捉え、「昨年の福岡全研から1年。時代変化の中でじっとしている経営ではなく日々革新していくことが大切です。平和の有難さを感じ、2日間の学びを各地同友会に持ち帰り、多くの会員に勇気を与えてください」と挨拶しました。

特別企画パネルディスカッション

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特別企画では千葉同友会の広浜氏、岩手同友会の河野氏、広島同友会の能登氏、3名の会員が、人が育つ会社づくりの経営実践を報告しあい、同友会運動の根底にある労使関係の見解(労使見解)を深めました。3名の実践報告を受け、自社の経営指針を明確にし、経営者人生を全うすること。また、人が育つ環境づくりを進めること。そして自社の役割、誇りを社員と共有することが大切と、コーディネーターを務めた国吉中同協副会長がまとめました。

2日間のまとめに、中同協幹事長の広浜泰久氏が3点に絞り報告しました。平和な世界実現のための牽引者になろう。そして、会員皆で人を生かす経営の真髄を学ぼう。最後に、自社経営、同友会発展のために科学的なアプローチもしていこう、と参加者に伝えました。最後に、次年度設営の神奈川同友会、第45回全研実行委員長の岡野氏が閉会挨拶を行い、閉会しました。

「新入会員さん出番ですよ!」と題して2月7日(金)志ほ川で富士宮支部例会が行われ、41名が出席しました。石川哲也氏(㈱旭建設)、菊地良太氏(菊地商店)、鈴木寿裕氏(㈱ファイン電子機器)が報告しました。

3名共、現在とは違う会社で働いた経験を持ち、後に父親の経営する会社へ入りました。

 建設業を営む石川氏は、社内の技術継承や人材育成に取り組む目標を挙げました。また仕事をする上で心がけていることは、お客様やエンドユーザーの心を汲み取り、感動を与えることと語りました。

金属古物商を営む菊池氏は、さまざまな大変な時期を乗り越え、仕事への考え方が変わったと言います。できることを全力でやることで、自分自身が成長でき、経営や経理のことについて考えたり、人と話をして良い部分を吸収したりすることを心がけています。

産業機械の電子制御を設計から製造まで行う鈴木氏は、一貫した生産体制が強みで、それを生かし新規開拓や既存の顧客のコストダウンなどを考えています。国内産業の空洞化が進む中、自社を多方面から客観的に見て、オリジナリティーを出していきたいと語りました。

 

グループ討論では報告者が各グループに入り、先輩経営者から仕事に対する考え方などのアドバイスもありました。

花と緑とエクステリアで感動を与える

㈱立花ガーデン

工事部販売課長 山田 幹也氏

事業内容 エクステリア工事、造園工事、生花販売、園芸資材販売

設立  1983年(昭和58年)12月

社員数 正規12名、パート28名

入会  2013年6月

所在地 藤枝市立花1丁目12-6

URL http://www.t-garden.co.jp


生花・園芸資材の豊富な品揃えが自慢の本社店舗

 

はじまりは造園工事業
元々藤枝市内で、祖父・父(現社長)・地元農家が中心となり、公共の造園工事を手掛けていました。昭和58年12月、祖父と父が、民間の造園工事を手掛ける為に独立しました。当初は個人宅の造園工事を主とし、その後エクステリア工事、花木・園芸資材の販売へと事業を拡大しています。現在、本社店舗だけでなく、島田市内の大型小売店にも店舗を構えています。工事はエクステリア工事部、生花販売は園芸部が行い、売上比はほぼ等しく推移しています。

経営理念を成文化
浜名湖花博にモデル庭園を出展、数々のコンクールでも受賞、お客様からの評価も少しずつ高まる中で、山田氏は社長である父の下で営業活動と組織強化に努めています。お客様の声を反映する施工、良い物・価値のある物を提案していける様に意識して行動しています。社長の思い「かかわる全ての人のしあわせを」を胸に刻み、昨年同友会に入会したことを契機に、経営理念を成文化しました。「花と緑・エクステリア工事を通じ、生活に豊かさと安らぎを与え、しあわせ創造企業としての役割を果たす」と掲げました。一つのエクステリア工事・造園工事に付加価値を求め、お客様の心にある思いに応え、期待以上に感動を与えられる仕事をしていきます。


社内はとてもアットホーム

後継者としての目標
会社設立30年の中で、山田氏は入社して3年。経営理念を成文化し、会社目標を明確にしてきました。「お客様にとって価値のある物を提案できる会社」「社員全員が接客・デザイン力を向上させ、キャリアアップを図りたい」と抱負を語ります。同友会では諸先輩の経験を聞き、学び、将来への目標が見えてきました。今後も、同友会で学び、積極的に参加し、「経営の基本を学びたい」と25歳の若き後継者は語ります。

経営に対する情熱を語る山田氏

取材:塚本 和成氏(志太支部)

新生3代目建設業社長の指針づくり

㈱齋藤組

代表取締役 齋藤 寧氏

事業内容 総合建設業(土木工事、重量とび、舗装工事、建設・建築関連)

創業  1919年(大正6年)3月

社 員 数 正規15名、パート1名

入会  2013年4月

所 在 地 静岡市清水区北脇新田303


中央:齋藤氏  左:取材 藤本氏

創業96年の3代目社長
大正6年に祖々父が石屋として創業、昨年7月に先代の父から3代目社長を継承しました。今期96年目の歴史ある総合建設業として、静岡市清水区で地元大手工場の修繕・メンテナンスを中心に営業しています。受注案件の90%を民間工事が占め、公共工事は10%です。長く働いてくれている職人社員の技術、姿勢、腕前が豊富な工事実績を生み出し、また急な工事やトラブルにも対応でき、固定客が多いことは強みです。齋藤氏は大学卒業後、中堅ゼネコンに9年勤め、9年前の30歳の時に入社。前職の工程管理や予算組みの経験は現在も生き、社長就任までの約8年間は主に現場での作業に奮闘しました。

経営指針を創る
昨年3月、イントロセミナー参加がきっかけで入会しました。望月省吾氏(静岡支部)の発表、グループ討論を体験し、経営者同士が正直に悩みを話し合う姿勢に共感。入会と同時に、第10期経営指針を創る会を受講しています。「社歴は古いものの、経営指針のようなものがなかった」と言い、創る会で会社の進むべき指針を確立し、社員としっかり共有していく意欲が聞かれました。

力強く語る齋藤氏

ひとつのチームへ
地元に貢献しつづける企業をめざすため、「仕事を断らない。人手不足でも対応し、期待に応えていく」と言い、齋藤氏のこの思いは、同社の信用を厚くすることに繋がっています。現在、特に力を入れていることは組織づくり。すなわち、社内コミュニケーションの強化です。部門によって二つに分かれていた社内体制から、互いに共有し成長しあう一つの体制をめざし、これまでほとんど開催しなかった全体朝礼を週2回開催、また勉強会や交流会を行っています。今年1月からの年間テーマは、あいさつのきちんとできる会社。「改めて基本に振り返り、社員相互に声掛けし、仲間意識や気付きを強くしたい」と語りました。
取材・記事:藤本 浩氏(静岡支部)

平成22年6月、同友会に入会。勧められるまま榛原支部組織委員会に所属しました。何も知らないままでしたが、皆さん温かくとても居心地がよいところでした。そしてその年の11月ふじさんメッセで行われた、全県経営フォーラムに参加し、第9期経営指針の分科会に参加、グループ討論の中で衝撃を受けました。平成23年4月社長に就任。9月合宿教習を指示、11月開始。10月全社員の前で「5年計画で県下一を目指す」と発表。平成24年に榛原支部経営指針委員会に移籍希望を出したところ、委員長から県の経営指針を創る会を勧められ参加しました。そんな時、元気だった母が突然亡くなりました。一時は会社の事も、自分の人生もどうでもよいと思うほどショックでした。6月に創る会参加、宿題をこなしながら経営指針を考えていきました。10 月の一泊研修では、受講生、スタッフの前で発表して褒められたり、意見をいただいたりして仲間として強く意識できました。
卒業式では未完成と思っていた経営理念。今では名刺の裏、そして朝礼で唱和。実は朝礼での唱和は社員からの提案でした。これには感謝とうれしさを感じました。いつも創る会で学んだ「お客様のため」「社員のため」「地域のため」すべての人の幸せを実現するために前進していきます。
まだまだこれからですが、平成26年3000人、27年4000人、28年5000人という明確なそして大きな目標を掲げ、県下№1の自動車学校を社員と共に目指していきます。
平成24年は前年比137%増、平成25年は154%増となったのも、創る会に参加し、学んだことが大きな下支えとなっていると思っています。第9期創る会でお世話になった松永委員長や奥谷会長をはじめ、スタッフ、同期生の皆さんに感謝の気持ちで一杯です。現在の榛南自動車学校、そして私があるのは、創る会で出会った方々、我社の社員、お客様、取引会社など、御縁で出会った方々のお陰です。ますます伸びゆく「榛南自動車学校」にどうぞ注目してください。