三島支部6月例会が6月23日(月)三島商工会議所にて開催されました。
「三島で一番の洋服屋になるために」をテーマに石川英章氏(㈲石川商店)が登壇、オブザーバー1名、計20名が参加しました。

中学時代、いずれ家業を継いで三島で一番の洋服屋になる事を決めていました。現在は装いを通じて得られる自信を全ての経営者に届けたいという思いのもと、“経営者のためのオーダースーツ”事業に着手しました。
リピーター率50%、地元のお客様を増やしていきたいと言います。その為に①社員の装い身だしなみセミナー、②異業種とのコラボ、③お客様の着用するシーンに合わせたスーツを提案します。

家業を継ぐ前の就職活動では、業種をアパレル、百貨店、セレクトショップに絞り就職氷河期の中、ファッション小売業の会社から内定をもらい、その後14年間務めることになります。
バイヤーになる事を目指し、入社半年で静岡店へ移動しました。休日出勤は当たり前の中、実績を上げる事だけに集中しました。その努力が実り、入社4年でバイヤーに。365日仕事漬けの生活を5年間経験し、その中で分析力・計画力を養いました。その後、川崎店で初めて部下をもち、そこでは部下の話を聞く事を重視しました。半年後、本部へ呼び戻され、生産管理とフロア全体の総責任者になりました。しかし、1年持たず体調を崩してしまい入院生活。この時に退社を考え始めました。その後、最後の店舗という思いで希望通り神戸店へ配属され、全店舗売上1位という結果に輝きました。

退職後、周囲の反対を押し切り有限会社石川商店に入社。両親とは経営に対する考え方が対立しました。強引に自身の考えを押し通し仕入買取率を40%から90%、買取メーカーを半年間で10社増やすことに成功しました。
しかし家庭がうまくいかなくなりました。これをきっかけに家族はかけがえのないものだと気付きます。その為に①社長になること、②家を買い生活を安定させること、③両親の力を借りずに売上を上げる事、を家族に誓いました。

報告後「メンズオーダースーツの売上を伸ばす為に」をテーマに話し合い、ネクタイ、カバン等も合わせたトータルコーディネートを行うのはどうか、セット販売、石川さんという人間を全面に出すべきだという意見が発表されました。
最後に石川氏から、地元に戻ってこんなに真剣に自身のことを考えてくれる仲間がいることが嬉しく、この関係性に助けられている、今後は私という人間をブラッシュアップしていきたいと述べました。

2014年(平成26年)6月19日、藤枝市文化センターにて、志太支部6月例会が開催されました。「志太支部創立30周年行事計画、重要例会 ~あなたの知恵、知識、意見を聞かせてください~」をテーマに、会員18名が出席した本例会では、志太支部20周年行事の際の実行委員長・福田克己氏((株)ホームプラザ大東 代表取締役)、当時の支部長・戸塚康之氏((有)アスカエンジニア 代表取締役)による当時の体験談報告の後、3グループに分かれて討議し、30周年行事のテーマ・方向性、対象、規模などについて意見を出し合いました。


福田氏からは「地域無くして企業の幸せや発展は無く、日本の中小企業の日夜の努力無くして大企業は成り立たない」という思いの下、「中小企業の社会的存在意義・価値を行政に伝える」という目的で20周年行事を行った、と報告がありました。

また、戸塚氏からは、静岡空港に関するパネルディスカッションを行ったことや、各自治体への参加要請に幾度も足を運んだことなど具体的な事例の紹介と、周年行事はかなりエネルギーを要すること、行事を通じて一体感を得られることなど当時の苦労や感想について報告がありました。お二人の報告に共通しているのは「同友会の活動の主旨や想いを行政や市民に伝える格好の場」という事でした。

● ● ● ● ●

その後、3グループに分かれてテーマ、規模などを中心に討議しました。

各グループからは、「エコノミック・ガーデニングを柱として、志太地域の発展や未来をテーマに」「社長の大学・同友会をアピールする」「対象はオープンなものとして、志太地域各市町の長や企業に広く呼び掛ける他、地域の学生にも呼びかけたい」「『テーマが固い』と敬遠されないよう、講師例会またはパネルディスカッションなどコンテンツを十分検討し、『参加したくなる』ための仕掛けを考えたい」「エコノミックガーデニングを行政や一般企業に広く認知してもらうきっかけとなるようにしたい」などの意見が挙がりました。

今回の例会で挙がった各意見を元に、今後の役員会で議論していきます。

2014年(平成26年)6月18日、サンウェルぬまづ4F多目的ホールにて、沼津支部6月例会が開催されました。会員78名、ゲスト・オブザーバ16名が出席したこの例会では、新会員・増井靖丈氏(フードデザイン(株) 代表取締役)、松田一哉氏((株)清栄メンテナンス 代表取締役)の入会セレモニー、大神田浩司氏((株)ヒッピーズ 代表取締役)、坂本大輔氏((有)三陽住宅 代表取締役)による2分間スピーチに続いて、小松 寛氏((有)ヤマカ水産 専務取締役)より「5代目ひもの屋 競合ひしめく業界で干されてたまるか! ~さあどうやって生き残る? 経営指針の実践が突破口となるか?」と題し、以下の内容にてご報告頂きました。


ひものの加工会社である㈲ヤマカ水産は、小松寛氏で5代目になります。大学卒業後、築地の水産仲卸会社で5年修行した後、㈲ヤマカ水産へ入社。その時、外からは見えなかった自社の状況に衝撃を受け、「何とかしなければ」と奮い立ちます。前職での経験を活かして販路の拡大や顧客の掘り起こしを行い、一時は業績が改善しますが、水揚げの減少による原料価格の高騰、水道光熱費の増加、頭打ちの販売価格等の要因により、再び業績は悪化。行き詰まりを感じている時に、藤原博美氏((株)日本ベルト工業 代表取締役)と出会います。

● ● ● ● ●

入会以前は、水産業の仲間内だけで情報交換を行うため、ポジティブな話や良い知らせをなかなか耳にすることが無く、「皆が悪い状況だから…」と諦観と妥協に囚われていました。しかし、同友会イントロセミナーに参加して、その考え方が誤ったものと気づかされ、自分の不甲斐なさを痛感します。そして、経営理念を創ることを決意し、同友会に入会、沼津支部の経営指針を創る会に参加しました。

支部の創る会では、なかなか出席できないながらも、自社の弱み・強みについて分析、認識することが出来ました。その後、ひもの一本からの脱却・多角化を企図し、その実現の過程として県の創る会に参加しましたが、そこで㈲静岡木工・杉本かづ行氏に出会います。神棚にこだわり、神棚一本で勝負する杉本氏に心を打たれると同時に、「多角化」を目指そうとする自分が「本当に好きなもの・やりたいこと」は何かを見つめ直しました。

「自分がやりたいことは、ひものを売ること」「自分は、ひものが好きだ」「ひものの美味しさや魅力を、もっと伝えたい」という熱い想いに気付き、「とことんひものにこだわる」という考えへと変わってから、自分の言葉、自分の想いによる理念を確立。掲げられた経営理念には、ひものへの愛情、関係者への想いが籠められています。

● ● ● ● ●

現在は、理念の浸透や従業員の一体感を生み出す場として社員食堂を新設。また、組織図をつくり、責任者や責任の所在を明確化しました。外部に向けては、イベントへ積極的に参加する他、自社でイベントを開催し、そこで商品力を伝えるようにしています。

年内には、新たなイベントの開催や、インターネットの更なる活用を行う予定です。また、内部環境の改善や戦略など、今後の予定についても紹介がありました。その実現の為に、理念や指針を共有し、日々邁進していく、とのことです。

5年後には東京で自分の店舗を持つ、という宣言を以て、小松氏からの報告は終了しました。

● ● ● ● ●

その後は、9つのグループに分かれてのバズセッション。バズテーマは「あなたの会社の生き残り戦略は何ですか?」、「若き経営者の小松さんへ暖かくも厳しいアドバイスを!」の2つ。各グループから、経営計画に関する意見や販路に関する意見など、「異業種の集まり」ならではの、温かくも厳しい様々なアドバイスが発表されました。

● ● ● ● ●

沼津支部HPの記事はコチラ

伊東支部6月例会が6月18日(水)ひぐらし会館にて開催されました。
「自社経営の悩みと今後の展開」をテーマに小山修一氏(共立化学工業㈱)が登壇、7名が参加しました。

同氏は、自社のパンフレットを配布し、まず事業説明をしました。温泉管洗浄、大浴場特殊洗浄等で、同社が独自開発した洗剤を使用する事で、利用者が安全・快適に施設を利用できると言います。
現在同社が抱えている課題は、売上と利益を伸ばすことです。そのために、経費、外注費、時間外手当、無償アフターサービス等を分析・改善していく必要があると言います。

また、事業継承問題も語りました。同社は来年創業50年を迎えるにあたり、専務である息子へ継承していくため、全社員に会社経営の思いや理念を浸透させていく事が目標と語ります。

6月1日よりネット販売も始めました。温泉施設の洗浄・清掃に使用する洗浄剤を販売、その対象先はホテルなどの宿泊施設、ビルメンテナンス業者です。

報告後、「売上減少、事業継承、ネット販売」の3テーマで、バズセッションを行いました。参加者からは、売上の増減事由の把握、経営計画の具体的な裏づけをすることが必要という意見がありました。また、販売前に商品の効果がわかるようなデータを示すことができれば、業者だけでなく、一般消費者への販路も広がるのではというアドバイスもありました。


2014年(平成26年)6月13日、富士宮駅前交流センターきららにて、富士宮・富士支部6月合同例会が開催されました。富士宮支部53名、富士支部33名、他支部5名、オブザーバ4名が出席したこの合同例会では、兵庫同友会代表理事・藤岡 義己氏((株)イーエスプランニング 代表取締役)より「良い会社への道標 同友会型ビジョナリーカンパニーへの道」と題し、以下の内容にてご報告頂きました。


同友会が目指す「良い会社」「なくてはならない企業」は、一足飛びに目指そうとすると確実に失敗・破綻します。次の5つのステップ

①赤字会社から黒字会社へ

②「弱い会社」から「普通の会社」へ

③「普通の会社」から「強い会社」へ

④「強い会社」から「よい会社」へ

⑤同友会型ビジョナリーカンパニー=なくてはならない企業

を踏まなければなりません。また、強い会社から「よい会社」「なくてはならない企業」になる為には、目標となる「よい会社」「なくてはならない企業」と触れる環境に常に身を置くことが不可欠です。

● ● ● ● ●

さて、市場の縮小、消費税の増税、競合の戦略の変更など、中小企業を取り巻く環境は常に変化しています。その中で、「顧客満足の実現」と「利益の獲得」を同時に実現する為に、経営者はビジネスモデルを構築し、磨き続けなければなりません。特に日本が抱える人口減少という社会問題は、市場の減少と同義です。業界の中での生き残り競争が必然となる中、「選ばれる会社」となるよう挑戦し続けねばなりません。

理念を掲げ、ビジネスモデルが有効ならば、成果は「戦略×遂行力」で決まります。この内、経営者の役割は「理念の提唱、ビジネスモデルの構築、戦略・戦術の策定」であり、社員の仕事は「遂行」であります。「経営者はビジネスモデルを磨き続けなければならない」と先に述べましたが、そこで重要なのは、実際のデータに基づいた科学的・客観的な分析とそれに基づいた戦略策定・意思決定です。思い込みや決めつけから脱却し、顧客・市場を徹底的に研究することが大切です。

また、経営者は経営層を育て、経営層は幹部を育てることで、自社の戦略策定能力と社員育成能力を高めることが出来ます。そして、幹部が社員を育てることで、遂行力を高めることが出来ます。このような環境を構築することで、遂行力を継続して向上することが出来ます。ビジネスモデルの弛まぬ研磨と、戦略策定を支える幹部と推敲を支える社員を育てる環境の構築によって、「戦略×遂行力」、すなわち成果をより大きなものと出来るようになります。

ところで、指針の浸透について度々議論の俎上に上りますが、そもそも社員は「自分の人生を豊かにする為に働いている」のであり、企業の理念の実現を最上位の目標として働いているのではありません。社員が働いていて幸せになれるかどうかを不安に思うような会社では、理念や指針の浸透にはなかなか辿り着けないのです。ものには順序というものがあり、経営者は「自分の想い」を示すと同時に「社員が望む幸せ」と真摯に向き合い、その実現に邁進しなければなりません。社員を幸せにして初めて、企業が目指す理念や指針を受け止めてもらう土壌が出来上がるのです。

● ● ● ● ●

同友会では、指針の成文化、求人、人材育成といった「コンテンツ」を学ぶ事が出来ます。また、同業、異業種、その他様々なイベントの運営を通じ、多様な人からリアルタイムで学ぶ事が出来ます。

同友会での学びは、全て「自社をよくするため」のものなのです。

「同友会 3つの目的」の順序の通り、いい会社を創る挑戦が、いい経営者を生みます。また、自主・民主・連帯の精神は全社一丸の絆や共育の基であり、実行力や自発的な行動の基となります。同友会理念は一つ一つが独立して平面的に並んでいるのではなく、互いに関連し合う立体的・重層的なな構造を成しているのです。

経営者は、自分の経験だけではなかなか伸びず、その成長の為には様々な学びの場に身を置くことが求められます。このような学びの場は、同友会の他にないのです。

● ● ● ● ●

6月11日(水)、御殿場支部6月例会が広報委員会&青年サークルのもと開催されました。インターネットは情報の共有、スケジュール管理、顧客管理などを簡単に行える便利さと、資産が失われる恐れや、情報漏れ等の危険な部分もあるということをそれぞれ4人の方にわかりやすくお話していただきました。

最初に、フヱタ工業の大川隆久氏からインターネットとは全世界のネットワークを相互に接続した、巨大なコンピュータネットワークであるという基礎的な部分から始まり、現在普及しているSNSの説明、今回のお話のメインであるクラウドコンピューティングの説明を大規模な初期投資がいらないこと、パソコンやスマートフォンがあればインターネット経由でどこでも使えるというメリット、無料なものではセキュリティ対策や保障がない等デメリットを含めながら説明していただきました。

次に斉藤園の斉藤大介氏から、危険からどうやって会社のデータを守れば良いのかというお話をしていただきました。①外付けハードディスク②BUN BACKUP③ドロップボックスを用いた無料クラウド④グーグルカレンダー⑤e-doyuの活用の仕方を改めて説明し、これらを使って情報を失いにくくし、さらには盗まれる危険を回避するということでした。
ダイヤ水処理㈱の前原毅氏からは、自社で活用しているグループウェアを、画面上で表示しながら、情報の共有化、データベースを作る難しさ、ソフト管理、中小企業でも安心して安価で使えるものなど、どの企業でも必ずと言っていい程悩む点の解決方法を説明してくださいました。

最後に長島文宝堂の長島和彦氏から、専門的知識を有していることもあり、過去にあったネット犯罪を例に出しながら、最低限の対策として、アンチウィルスソフト、UTMによるネットワーク防御、IT資産管理による守るべき資産の視覚化など、商品の紹介を含めわかりやすくお話しいただきました。

今回の内容は理解することが難しい部分もありましたが、経営者として必ず必要になる知識だと思います。その為の第一歩になったのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6/7()県同友会事務局にて中小企業憲章・中小企業振興基本条例学習会を開催しました。県内会員をはじめ、静岡大学や藤枝商工会議所等、約40名が参加しました。「中小企業振興条例で地域をつくる~墨田区の産業観光施策~」をテーマに、東京都墨田区企画経営室長の高野祐次氏に登壇いただきました。

東京都の東側に位置する墨田区は、人口約25万人の区です。街の歴史は江戸時代に遡ります。江戸城近くで庶民の街として栄えた墨田は、明治に入り近代工業として発展していきました。隅田川花火や両国の大相撲、また江戸前寿司等、食文化や伝統工芸など江戸文化が今でも色濃く残っています。墨田区の特徴は、中小零細規模の製造業が集積し、日用消費財を中心とした試作、開発、高度技術、ニッチな商品分野などに特化していることです。

昭和に入り、浅草・日本橋など問屋・流通機能を支える生産拠点として墨田区の日曜雑貨工業が発展するも、高度経済成長期の昭和40年代、徐々に生産拠点が地方へ移転していきました。昭和45年の9700工場をピークに減少、街は活力を失い始めていきます。1979年、街の危機的状況を鑑み、区の最重要項目の姿勢を打ち出したのが「墨田区中小企業振興基本条例」の制定でした。街の活力低下を実感した当時の区長が発案し、係長級職員190名を動員して行った製造業系約9000の全事業所調査を経て、条例が制定されました。

条例が出来ただけでは街は変わりません。条例に魂を吹き込むため、昭和60年代から条例に基づく、区の産業ビジョンを策定、以降様々な施策が展開されました。小さいながらも頭脳を備えたものづくりの現場が織りなす密度の高い生産ネットワークと、それを支える地域の文化の実現=「工房ネットワーク都市」を目指すという目標を掲げました。

しかし産業構造が変化し、地域を支えていた事業所の後継者難と転廃業が増え、昭和45年に9700あった事業所は平成20年には3400所、現在では3000所を割っています。約40年で3分の1に減少、ものづくりの衰退が深刻を増していきました。

墨田に活力を取り戻すべく、産業と観光の相乗効果を視野に東京スカイツリーの誘致に名乗りを上げました。江戸伝統文化を継承する地として誘致に実現し、観光を起爆剤に初年度5000万人を超える集客を生み、大きな地域経済効果が期待されています。

墨田の歴史文化と東京スカイツリーを活かした観光施策だけでなく、ものづくり産業の再生を目標に、その継承とブランディングにも注力しました。区内外のデザイナーやクリエイター等のものづくりニーズを持つ人材と、実際に製造する人材が集まって製品の企画開発創出拠点「すみだ版ファブラボ」を展開しています。また、地域ブランド価値を高めるための認証商品「すみだモダン」に挑戦する企業も増えています。

街の活力を維持、発展させていくために大切なこと、その一つに人材育成を高野氏は掲げます。墨田区は次代を担う人材育成と施策が幾重にも重なった重層展開を実現し続けるため、「フロンティアすみだ塾」を10年前に開設。以降、10年間で100名を超す後継者・若手経営者が育ち、墨田産業界のコアになる人材が増えています。新たなコトを興していくことで人が繋がり地域が変わる。今後も墨田区では「新しいコトを興す」ことを戦略として、産業と観光を相乗的に進め、地域おこしに繋げていきます。

最後に高野氏は、地域を変えてきた3つのDoを紹介しました。①制度→②ムード→③風土と語り、その風土を確立していった原点は中小企業振興基本条例であると説明しました。

今月は、芹沢邦芳氏(昭和洋樽近喜㈱)に『倒産・転職、そして同友会に出会う』というテーマで、自身の失敗や様々な職業を転職した経験、その都度出会った人たちの事、そして今も抱き続けているその人たちへの感謝の念、さらには経営の悩みを抱えている時に同友会への入会を勧めてくれた友人がいた事などを、赤裸々に語っていただきました。

特に、同友会で学び、実践し、それを生かす事や、それが今の会社にどれだけ役立っているか、そして全国大会で自分の意見を主張し、バズセッションに積極的に加わることで色々な意見を吸収してきた事など、自らの体験を元に熱く語っていただきました。

その後のバズセッションでは、8グループに分かれて中身の濃い議論を繰り広げ、参加者は皆がそれぞれに大いに刺激を受けました。

今回の例会は、芹沢氏の報告とバズセッションを通じて「学ぶ」という事の意義を再認識する、とても良い契機となりました。

報告:勝間田 元氏(勝間田機械商事㈱・御殿場支部)

 

経営指針を創る会を受講して2年余りが経ちました。実は、私にとって創る会を受講したことが結果的に「良かった」と思われることが今年になって明らかに見えてきました。

それは、弊社のホームページの反応がこれまでと比較して、かなり成約率が高まって来たということです。実は、創る会受講中、受講仲間達からは、耳の痛い事も言われてきました。具体的には、「人材育成の会社と言うけれど、本当にどういいのかよくわからないし、果たして本当に良くなるのか・・」等々を言われたのです。この言葉を聞いた時の私は、その質問に応えることに必死になり、時にはムッとしたこともありました。しかし、冷静に考え顧客の立場に立って見ると、誰もがそう思うのかもしれません。実は、この仲間達の言葉は、このメンバーでなくとも疑問に感じる生の声であることに気がついたのです。

そこで、この言葉をきっかけに、どうしたら弊社の人材育成サービス(研修)の効果を分かってもらえるか、じっくり客観的に考えてみました。まずは、携わった顧客の生の声や成果状況を数値化し、その成功事例をなるべく具体的にホームページに掲載してみました。また、アクセス数を増やす為の工夫を重ね、日々の小さな積み重ねを繰り返すうちに、今年になって、あきらかに違いを感じるくらいになったのです。

実は、この大きなキッカケを頂いたのが、「創る会の受講」でありました。創る会は、私たち同友会の仲間達だけの構成であり、専門の講師がいらっしゃるわけではありません。しかしこの仲間達の声そのものが、ない知恵を絞りだす大きなきっかけとなり、少しずつ成果が見えて来たのでした。「周りの声に耳を傾ける」ことの大切さを実感させて頂く瞬間でありました。未々弊社にとっては、課題はありますが、創る会の教えを再度見直し、また新たに精進して参りたいと思います。

経営指針を創る会8期卒業生 須山 由佳子氏(㈲キャリア・アップ・浜松支部)

コンプレッサー修理のことなら、いつでも、どこでも

㈱モリメカニック

専務取締役 森 英人氏(静岡支部)

事業内容 産業用コンプレッサー修理・販売・工事・据付サービス

創業   2000年10月

社員数  正規 5名 非正規 2名

入会   2013年5月

所在地  静岡市葵区羽鳥大門町17-9

HP    http://morimeca.com/


森英人氏(左)・藤本浩氏

サービス力とフットワークが自慢

会員である森英人氏のお父様が2000年に創業した㈱モリメカニックは、産業用コンプレッサーの修理、保守をメインに請け負っています。現在は、正社員が5名と、繁忙期に手伝ってもらう非正規社員2名の7名体制。県内の仕事が大半を占めますが、そのサービス力の高さと、頼まれればどこにでも、夜間でも伺うというフットワークの良さから、全国から依頼があり、今では300社以上のお客様に対応している、と言います。

サービスと対応力で他社と差別化

他社との差別化をするために取り組んでいるのが、詳細な作業報告書と、情報を共有化することによる休日・時間外の対応です。

通常、産業機器のメンテナンス業界では、作業終了後にA4程度一枚の作業報告書を、お客様に提出するのが慣例となっています。ところが、この報告書が文字ばかりな上、専門用語が多く、お客様にとっては修理箇所や内容が分かりにくいものでした。ここに目をつけた森氏は、分かり易い作業報告書の作成に取り組みました。5~6ページにも及ぶ報告書は写真入りで、どこをどのようにメンテナンスされたかが一目瞭然。お客様に大変喜ばれている、という事です。

また、休日・時間外の対応ですが、森氏が掲げる自社のモットーは「お客さんの生産ラインを止めない」。社員ひとりひとりがお客様と密接に関係を持ち、トラブルが起きた時には即対応します。どの社員が現在どこで何の仕事をしているのかという情報を全社員で共有しているため、休日や時間外においても迅速な対応が可能となるのです。

冷静に今を見つめ、未来を語る

コンプレッサーメンテナンス業界の市場は飽和状態と言われているようですが、「中小企業にとってはまだまだチャンスがたくさんある」と森氏は言います。大企業にとっては飽和状態でも、良いサービスをし、柔軟に対応する姿勢があれば、シェアは拡大できるというのです。今後、仕事を増やしていくにあたって、新しい社員の採用と教育には少々頭を悩ませているそうですが、この課題を共有する社員とよく相談をしている、とのことです。これからも、人を育て、大切にする会社にしていきたい、と森氏は語っていました。

取材・原稿:藤本 浩氏(プリントバリュー㈱・静岡支部)