【入選の喜び】
私の「駄作」が入選することで、他の応募者諸氏の優秀作品が外れてしまうことに、まずはこの場をお借りして、深くお詫び申し上げます。
この富士山写真ですが、そもそも趣味の「天体写真」を撮りにチャレンジしたあとの、朝帰りに出会った富士山なのです。富士山2合目に何度も通い、その都度冷たい態度で(なにせ氷点下だもんネ)ふられた後に見せた「富士山の顔」は、とっても“輝かしい”ものでした。事業経営でも、初回で好結果が出ることはまず無く、何度も泣かされて失敗するものです。趣味でも仕事でもその辺共通するのですね。世の中厳しいなあ~(ため息)。
それでは、今年も皆さんとご一緒に、“輝かしき業績向上”を目指して、がんばろうではありませんか!

追伸: え? 「天体写真」のほうの“出来”ですか?・・・・・もちろん“ボツ”でした! (~_~;)

佐藤義幸氏 松本工業(株)・富士支部

 

「私と富士山」をテーマに、会員の皆さんから写真を公募しました。表紙を飾った入選作の写真以外にも多くの応募があり、ステキな写真をいただいているので紹介いたします。以下、ぜひご覧ください。

【佳作】
まさに冬富士の夕焼けに染まる姿です。
一見の価値ありです。
撮影:池田達哉氏(㈲アイネット静岡・富士宮支部)

 

 


【佳作】
日本平の頂上からやや下った場所から見た富士山を含む風景が最高に綺麗でした。
清水の町並みから富士山・愛鷹連峰・伊豆半島まで一連に見られることに静岡県の豊かさを改めて感じ、将来まだまだある可能性を感じました。。
撮影:池田達哉氏(㈲アイネット静岡・富士宮支部)

 

 


ここは富士山マニアには結構有名なところです。新東名トンネルに入る直上ポイントにあります。うちの舗装部の人に場所を教えてもらいました。過去舗装工事をした場所です。いつ見ても、壮大な眺めが得られます。私は気に入ってます。
写真の押しは、やはりこの壮大なながめですね。富士山と、愛鷹連峰が見えて、とても気持ちが良い場所です。
ちなみにこの写真はパノラマで、3枚合成してます。同友しずおかの表紙には、まず載せられないと思います・・・。
撮影と文:佐藤義幸氏(松本工業㈱・富士支部)

 

 


世界遺産登録になった時、三保の松原はその一群に入りました。
ここ、沼津の千本松原も三保の松原に負けない景観だと思います。
どこまでも続く玉砂利の海岸・緑豊かな千本松原、その向こうにそびえ立つ富士山!最高の景色だと思います。
撮影と文:小林秀樹氏(エンジェルマリン・沼津支部)

 

 


夕日に映える赤富士そして風が無く静寂のなか流れる川に映る逆さ富士。
一年で何度も無い風景です。
撮影:池田達哉氏(㈲アイネット静岡・富士宮支部)

 

 


函南町平井です。
父が函南の伊豆平和病院に入院中で、近くの道路脇から写しました。
撮影:玉木久夫氏(㈱玉木・伊東支部)

「つながりを大切にする経営」

(資)池谷文具店

代表社員 池谷 達也氏(富士宮支部)

事業内容   文具、事務機、印鑑、ゴム印等加工サービス品販売

設立     1947年2月

社員数    正規3名、パート1名

入会     1999年9月

所在地    富士宮市東町8-21

URL    http://www.waraku-izu.com/


池谷 達也氏

■ご縁からはじまった経営者の道

元々文具とは無縁の産業系の企業につとめていた池谷氏ですが、結婚を機に、大きく人生が変わりました。昭和22年創業の老舗文具店に婿入りし、義父が高齢であったこともあり、家業を継ぐべく平成10年に同社に入社しました。経営者としての学びを深めるため、翌年の平成11年に同友会に入会し、厳しい経営環境をいかに打破するのか?など、多くの先輩会員と激論を交わしたり、相談しあったり、文字通り学びの日々を深めていきました。その後平成14年に、池谷文具店の三代目社長に就任しました。

■同友会で未来に恩返し

同友会で経営理念をつくり「小さな商売の日々の積み重ねこそ地域を発展させる」と想いを込めた池谷氏。同友会で学んだことを未来へ、若手へ繋げて恩返ししたいと、経営指針研究会の講師メンバーとしても活躍、そして中小企業振興基本条例の制定に向けた活動を継続してきました。富士宮支部長もつとめ、苦労もそれなりにありましたが、非常に良い経験となり今に生きています。名実ともに地域のリーダーの一人として運動してきた経験を活かし、富士宮支部の発展に寄与していきたいと語ります。

■文具業界のこれから

文具業界も他の多くの流通業・商業と同様、大手や通販の影響で非常に厳しい経営環境にあり、実際に、最盛期から大きく業績は変動してきたそうです。しかし決して無くならない産業でもあることもまた事実。なればこそ、池谷氏は「地元のお客さんとのつながりを大事に」と、店舗販売から民間企業への配達など、フェイストゥーフェイスで地道にコツコツと信頼を積み重ねています。オーダーメイドの用紙・包装紙等の提案なども行い「お客様に便利、快適、満足、喜びを実感して頂けるように」と、要望に耳を傾けて自社にしかできないお役立ちを提供しています。

富士宮支部の語録に「微差が大差」という言葉がありますが、まさしくその正直で誠実な道を地で行く池谷氏。「あるものを大事にする」その姿勢は、私たち経営者に大切な事を教えてくれているような気がします。

取材・記事:田邉 元裕氏(㈲カボスメディアワークス・富士宮支部)

改修の経験値を武器に、顧客との信頼関係を築く

大栄工業㈱

代表取締役 宮本 浩氏(志太支部)

事業内容:防水・防熱工事業

設立     1973年10月

社員数    正規7名、パート1名

入会     2007年6月

所在地    焼津市石脇上133-2


宮本浩氏(右側)

二代目経営者、創る会で自己変革

大栄工業㈱は、改修を主とした防水工事・冷蔵倉庫防熱工事を行う会社で、宮本浩氏はその二代目経営者です。事業を受け継いだ時は問題の無かった経営状況が、リーマンショックの際に急激に悪化。「社長自らが変わらなければ」という思いから、経営指針を創る会に参加しました。その後困難を乗り越えながら、次第に経営は改善。現在は理念の浸透の深化に力を入れています。

自社の強みを受け継ぐため、自ら学ぶ

自社の強みについて宮本氏は「ベテラン社員を中心に蓄積されている経験」を挙げます。新築の工事は図面の通りに仕上げる技術が求められますが、改修工事は経年劣化やトラブルの原因について見抜き、必要な対処と再発の防止を実現しなければなりません。そのため、技術に加えて経験が不可欠なのです。一方で、この強みを持つ社員の高齢化が課題と宮本氏は捉え、経験やノウハウを受け継ごうと、自ら謙虚に学んでいます。

地域に根差した実直な経営をさらに磨きたい

宮本氏は今後の方針について、売上や目先の利益に目を奪われて本質を見失う事の無いよう、施主の希望に沿った仕事を誠実にスピーディに行っていく、と語ります。また、情報の出し惜しみをせず、使用時の注意点などを伝えて顧客を育て、信頼関係の構築を図っているとの事。地域に根差した実直な経営をより強固なものにすべく、これからも同友会で経営者の精神やノウハウを学んでいきたい、と語ってくれました。

取材・記事:塚本  和成氏(㈲塚本商店・志太支部)

平成25年春の同友会入会と同時に、迷う事なく「経営指針を創る会」に参加しました。それは、会社としてのビジョンを生み出したかったからです。

弊社は、大正・昭和・平成と3代にわたりお客様からの信頼とご愛顧に支えられてきた建設会社です。その歴史の中で培われてきた伝統、信頼、顧客、豊富な工事実績や協力会社のネットワークがあります。ただ、経営の核となる経営理念はありませんでした。

経営理念がないから、齋藤組という船は前へ進んでいても、その乗組員である社員さん達はいがみ合ったり、各々が思い思いの方向を向いていたりと、志す方向を一つにできていませんでした。

経営者になりたての私の使命は、この船員達をひとつの方向に向かせ、一丸となって前進する会社をつくる事でした。そのために欠かせない経営理念を、社員のため・協力会社のために創る!!と、強く決意しました。

さて、私が創る会で学んで本当に良かったと思う事のひとつに、自分の会社を良く知る事ができた、という事があります。正直私は、自社の事を解っているつもりで解っていませんでした。そのような事では、社員さんの事も解るはずがありません。それが、自社の強み・他にない自社の魅力をとことん掘り下げていった時に「この船(会社)はこの船員達(社員)の技術・信用の積み重ねでここまで進んできたんだ」と気付き、社員ひとりひとりの顔が浮かんできて、心の奥底からの感謝で体が震えました。そして、レジェンド・松永節也氏(㈱フォー・ユー)からの「自分の会社、ド好きか!?」という問いに「まだドまでは付きませんが…、すごく好きです」と言えるまでに変化しました。

私はまだ理念や指針が断固たるぶれないもの、自分の腑に落ちるというレベルではありません。これからも齋藤組の舵をとりながら少しずつ変化していくと思います。自社を、ド好きと言えるまで。

経営指針を創る会10期生 齋藤 寧氏(㈱齋藤組・静岡支部)

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飲食業を手がける遠藤崇浩氏(EN’SGroup・富士宮支部)が登壇し、不良小僧だった少年時代から独立起業に至るまでのエピソードをユーモアたっぷりに語ってくれました。ショットバーでのアルバイト時代に嫌いなお客さんに言われた「カクテル、美味しかった。ありがとう」の言葉が遠藤氏の心に響き、これが独立心に火をつけ23歳の若さで起業。まさに人生を変えたひと言といえるでしょう。

2011年同友会に入会して経営理念を見直し、「日本中の人を笑顔にしよう」と、理念経営に取り組みます。勢いに乗った遠藤さんは現在ではもう1店舗、牡蠣とスペイン創作料理を提供するフジヤマタパスを開店し、ラウンジバーエンズと2店舗を展開しています。新商品の牡蠣については「安心安全で美味しいものしか出さない」と遠藤氏はオイスターマイスターの資格を取り、自ら産地まで出向いて直接仕入れするこだわりぶり。いずれはさらに店舗展開をはかりたいと夢を語りました。

バズセッションでは「社員にとって良い会社とは」をテーマに討論し、良いリーダーがいる会社、笑顔の絶えない会社などなど、様々な意見が飛び交い非常に良い学びを得た例会となりました。

小林 芳廣氏(㈲西ふじ・富士宮支部)

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志太支部副支部長の松浦富雄氏(行政書士松浦富雄事務所)の報告でした。今回のテーマは一見すると軽いように思えますが、改めて参加者一人ひとりがしっかりと考えなければならないものでした。松浦氏は、これまでの人生や経営、今後の事について語る中で、自らをテーマと照らし合わせて「融通の利かない選手」としました。また、参加者に対して自分の立ち位置を考えさせる投げかけをし、その方法として「自分が今突然いなくなったら会社はどうなるか?」という考え方の例を示しました。


その後は、「現在の会社での自分の立ち位置について」をテーマにバズセッションを行いました。グループ発表では、自身を選手や選手兼コーチ・キャプテンと捉えている参加者が多い様子で、リーダーとしての意識や後任・右腕となる人材の育成、全体を俯瞰できる人材の育成が今後の課題、という声が多く聞かれました。どの参加者も、経営者として一選手に埋没しないようにしたい、と思っているようでした。

本例会を通じて、お互いの会社の内容やそれぞれが思う立場、そしてこれからの会社の課題についての理解がより一層深まりました。また、事業を継続させていくためには経営者の立ち位置を自ら定め、人材育成等様々な角度から会社を作っていく必要がある、と気づく事のできた例会でした。

宮本 浩氏(大栄工業㈱・志太支部)

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当日はあいにく雨の予報。バスの集合時間である8時30分の時点では、バケツをひっくり返したような雨が降っていました。本当に開催できるのかと不安でしたが、会場に到着する頃には雨も上がり、晴れ間も覗く程になりました。

予定通り地引網からスタート。会員の家族を含め30人程の人数で網を引き、サワラやカワハギ等の魚を獲ることができました。その後、バーベキューをスタート。釣れた魚も刺身にして戴きました。食後は広場で子供達と野球をしたり、フリスビーをしたりして過ごしました。

会員同士の親睦を深められたのは勿論の事、会員のご家族が大勢来場し、楽しんで頂けたのが良かったと思います。

藤本 浩氏(プリントバリュー㈱・静岡支部)

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報告者の小林修氏(㈱ジープロシューマーズ)は1985年にペンション向けのソフトウェアメーカーとして起業。現在は富士と東京に営業所を構え、受託開発やパッケージソフトのカスタマイズ、業務システムの補修・管理を行っています。

同友会には15年程前に入会。異業種交流委員長から支部長まで、様々な役員を歴任されてきました。小林氏は「同友会理念の追求=学ぶこと」と言います。報告の中では、自身が同友会活動や他の会員との出会いを通じて学び、そしてそれを自社に持ち帰って実践してきた事例を多数紹介しました。経営指針の成文化にも積極的に取り組み、理念の共有によって社員が自主的に行動できる会社を目指しています。

バズセッションは、危機的状況になった時に社員とどう向き合うかというテーマで行われました。様々な意見が交わされましたが、どの意見にも根底には社員の幸せを願う気持ちが感じられました。

まずは真似から入り、実際にやってみて、成功したり失敗したりしながら自分なりに工夫する。そして今回の報告のように、その体験談を他の会員にフィードバックしていく。小林氏の報告に、同友会活動の神髄を見たような気がしました。

佐野 純也氏(㈱山十佐野製作所・富士支部)

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平成26年11月20日(木)から21日(金)にかけて、メルパルクNAGANOにて、第4回 人を生かす経営全国交流会 in 長野が開催されました。経営労働・社員教育・共同求人・障害者問題の4委員会の合同企画によるこの全国交流会には、全国から466名、静岡県からは8名の会員が参加し、労使見解を軸とした採用・教育および経営指針の確立・実践や、各委員会の諸活動を企業の総合的実践へ結び付けるための運動の体系化について学びました。今回は参加者の中から、伏見修氏(㈱富士山ドリームビレッジ・静岡支部)、金指忠男氏(㈱オートベル・沼津支部)に報告して頂きました。



第3分科会 報告

報告者は植木鉄也氏(㈱ウエキ伝導機 代表取締役・長野同友会)。たった9名の会社が1名の障がい者の雇用に挑んだ経緯と、実際に雇用する過程や仕事の中で社長である自分と社員、そして会社が変わっていく様子を報告して頂きました。

植木氏は2代目経営者で、同友会は一度退会し再入会という経歴です。厳しい父親と息子である自分。その父親が同友会での活動を理解できず、退会してしまいました。その後、父親から会社を譲り受け自分が経営者となってみると、社員と自分との間に隔たりを感じます。厳しい自分とおどおどしている社員、そこに嘗ての自分の親子関係が思い起こされました。そこで再入会し経営指針、労使見解を学び直し、その中で先輩経営者から障がい者雇用を薦められ挑戦するに至ります。

最初は社内でも理解が得られない中、雇用した障がい者の仕事づくりから始まりました。数を数えることが得意ではないので、簡単に数が数えられる冶具作りを考え戦力化していきます。その内に検品作業に特異的な才能があることが分かり、その才能を生かす仕事をさせてみたところ、製品の不良率が少なくなり、自社製品の品質が高まっていきました。

障がい者はその個性を活かすことで十分企業の戦力になりうる、また健常者にも言えることですが、違いを認め個性を生かすということが人を生かす経営にも繋がっていく、という実例の報告でした。

今回の報告からは3つのことを学ぶ事ができます。1つ目は、個性を認めその特異な能力を引き出し生かす事が組織全体の能力の向上に繋がるという事。2つ目は、社員に一方的に仕事を与えず、目線を下げ一緒に考える事で、コミュニケーションが生まれるという事。3つ目は、組織内で役割を明確にすることで、次にやる事業が見つかるという事。実際、㈱ウエキ伝導機は次の事業として、検品作業を別事業として設立を考えたとの事でした。障がい者雇用をすることで、社長が変わり、会社が成長していくという事が実感された報告でした。

伏見 修氏(㈱富士山ドリームビレッジ・静岡支部)

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第6分科会 報告

第6分科会のテーマは「人を生かす経営の実践:経営ビジョンに基づく新卒採用・『共有』で、『誇りと豊かさ』を育む」。広島同友会求人社員教育委員長を務める川中英章氏( ㈱EVENTOS 代表取締役)が発表を行いました。

川中氏はケータリング、飲食店、ワインショップ、農村活性化事業に取り組んでいます。1986年に創業し、当初は順風満帆。それが一転して11年後に経営破綻が訪れ、大量退社、そして残った多額の負債。そこからの再起を決意し、2004年に同友会に入会して「学び」を始めます。また、共同求人活動に参加し、組織変革を進めるために新卒採用に踏み出し、2008年には6名を採用します。しかし、新卒社員を迎え入れる教育評価制度も社風も整備されておらず結局新入社員全員が退職してしまいました。それでも挫けず採用を続けます。その後、採用活動、新入社員研修に携わる中で、経営者がビジョンを示し、全社員でそれを共有し、経営者が社員と共に歩む経営の意味と大切さに気づきます。経営姿勢が変化していく中、旧体質から脱せない総料理長・人事責任者・幹部社員が退職。さまざまな困難や課題の克服を経て、さらに経営理念、経営指針が社内へ浸透していき、25期決算では自己資本比率40%を達成しました。

川中氏は、「ありがとう」と「チャレンジ」があふれる会社を目指す、獅子奮迅の様子を迫力ある言葉で発表されました。経営理念、経営指針の大切さもさることながら、それを作って終わりではなく、それを作ることこそが始まりであるという事、理念・指針を組織に浸透させることが大事であり、そのためには経営者の一徹な姿勢、凄み、迫力、徹底力が欠かせない、という事が心身に響き渡る発表でした。

金指 忠男氏(㈱オートベル・沼津支部)

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私の会社は、沼津市で干物の製造をしています。売上の99%が卸売りにあたり、商品のほとんどが全国の量販店、スーパーに販売されていきます。しかし、ここ3年ほど原料となる魚の水揚げの減少と、世界的に魚食量が増大していることによる原料価格の高騰に悩まされています。販売先がスーパーになるので値上げをするのにも限界があります。

自社の未来、干物の未来にとてつもなく大きな不安を抱いていた私は、第10
期の経営指針を創る会に参加しました。参加した当初、干物に将来性はないと感じていた私は、経営指針を創る事はもちろんですが、干物ではない何か新しいものを見つけたいという思いが強くありました。一方で、心の奥底には何か腑に落ちない、もやもやした思いもありました。

最初の一泊研修時に、それまでに創り上げてきた経営理念を発表したのですが、「それ、本当に自分でつくったの?」「それはあなたの本当の気持ちじゃない!」と一喝されました。その後、自分の気持ちと真正面から向き合い、そして気付いたのは、「私の本当にやりたい事は美味しい干物を作って、食べて頂き喜んでもらうこと」そして「干物が好きなんだ!」という想いでした。その気持ちに気づかせてくれたのは、同期の仲間達と、親身になってアドバイスをしてくれた先輩方でした。こうして出来上がった経営理念は、それまでの干物に対して後ろ向きだった経営理念とは180度変わった、干物への熱い想いを籠めたものでした。

経営指針を作って約8か月、状況は全く好転していませんが、理念に沿って充実した毎日を過ごしています。こんな私に変えてくれた同期の仲間達、諸先輩方、指針を創る会には感謝の思いしかありません。

経営指針を創る会10期生 小松 寛氏(㈲ヤマカ水産・沼津支部)

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