制御を基軸に、幅広い分野で活躍

山本電機㈱

代表取締役 山本 坂衛氏(榛原支部)

事業内容 食品用包装機・医療用機械・工作機械・茶刈機等制御盤製造、制御設置、制御ラインのメンテナンス等

設立   1976年1月

社員数  正規14名、パート9名

入会   1997年11月

所在地  牧之原市勝間684-3

URL:http://www.yamamoto-denki.jp/

独学から始まった制御盤製作

昭和49年頃から、お茶を詰めた袋に窒素を充填する機械の制御盤の製作依頼を受け、独学で研究・勉強して、窒素充填機の制御盤作製を手掛けるようになります。その後、事業対象の幅を拡げ、現在では製茶機械の輸送システムやお茶刈機、医療機器、浄水器など、様々な制御システムの開発、販売を行っています。

「機械の制御は、分野を問わずあらゆる場面で行われているので、応用が利く。だから、制御盤の技術を基軸に、いろいろな業界や市場に参入できている」と、自社のコア・コンピタンスについて山本氏は語ります。

同友会入会を機に自己変革

山本氏は、同友会入会後、支部内各委員会の委員長や、平成24年度の榛原支部長を務めてきました。会を通じて出会った多くの経営者の熱い想いに刺激を受け、自身と照らし合わせて「このままではいけない」と思い、自己変革に努めてきた、と語ります。また、同友会の3つの目的である「よい会社をつくろう・よい経営者になろう・よい経営環境をつくろう」を常に意識しながら経営している、とのことです。

これからの展望として

山本氏は、3年ほど前から茶業以外にも農業関係に強い関心を抱いており、トマトの点滴栽培やイチゴの温湿度制御、太陽光パネルを利用した凍霜害防止灌水盤、炭酸ガス制御装置・ヒートポンプ用インターフェースの開発などを手掛けています。

既存顧客の業界の領域に捉われず、新たな分野へと幅広く進出していく山本氏。これからもユーザーの期待に応え、活躍の場を拡げていくことでしょう。

取材・記事 鈴木 克哉氏(㈱ガーデンプラン季風庭・榛原支部)


地域と共に歩み、夢をかたちに

㈱朝日鉄建

代表取締役 朝日 康典氏(富士宮支部)

事業内容 総合建設業、鉄鋼工事業、建築設計事務所(木造住宅、鉄鋼住宅、工場、倉庫、テントハウス、鉄骨金物製作)

設立   1972年1月

社員数  正規7名

入会   2008年5月

所在地  富士宮市北山5285-9

㈱朝日鉄建URL:http://asahi-yume.jp/tekken/

朝日夢工房URL:http://asahi-yume.jp/

波乱万丈のスタート

創業1972年、2代目社長、朝日康典氏の経営者人生の始まりは波乱万丈でした。社会に出て設計事務所で働いた後、初代社長である父親の体調不良を機に28歳で入社。しかし、その後も家族の病気や様々なトラブルが起きて、想像を絶する苦労が続いたそうです。無事なんとか危機を乗り越えて、2010年12月1日に代表取締役社長に就任しました。そんな朝日氏の精神的な支えの1つに同友会がありました。

朝日氏と同友会

社長就任の2年前の2008年、取引先の紹介で入会。本音で熱く深く語り合える同友会に魅力を感じ「毎回行きたい」「参加しないと置いて行かれる」と感じるくらいに、同友会の学びに刺激を受ける日々。経営指針委員会にも参加して経営理念も制定。進むべき道に迷いが無くなって自信が生まれ、社員やお客様との関係性がどんどん良い方向に向かっている、と朝日氏は言います。

持続可能な社会へ 朝日夢工房

㈱朝日鉄建の経営理念の中にあるのは「持続型社会」の文字。住宅は一生に一度の高い買い物であるのに、早く傷んでしまい易く、寿命の短い住宅が多くあります。この事に危機感を持った朝日氏は「朝日夢工房」ブランドを立ち上げました。地球環境にやさしく、かつ日本の風土にあった木質繊維を利用した素材で断熱を施す工法等により、調湿、結露防止、防火、防音、防虫などを実現しています。末永く、ほっと安心できる、それでいて「カッコかわいい」家の完成に、お客様の笑顔があふれています。

今後は経営理念により磨きをかけて、地域と共に歩み、夢をかたちにする朝日鉄建・朝日夢工房をさらに成長させていきたいと、ビジョンを語っていました。

取材・文 田邉 元裕氏 (㈲カボスメディアワークス・富士宮支部)

 

私が25歳の時に親方が亡くなり、1年後に独立をして職人仲間10名程で5年間がむしゃらに仕事をしていました。5年目を過ぎる頃から、利益率や職人との考えのズレなどから悩みが増え、やる気がなくなり、何をしたらいいのか分からない状態になっていました。

そんな時、遠藤良二氏(㈱メテックス建築事務所・静岡支部)に創る会のことを聞きました。ペンキを塗っている私が、経営の勉強などした事がなかったのですが、今の状況を変えなければ潰れてしまうと思っていたので1年間恥をかいてでも勉強をしようと創る会を受講することにしました。

創る会の内容は私には難しく、初めはなかなか理解できませんでした。夏の一泊研修の発表では、あるスタッフの方に「誰に向いての理念なのですか?そんな雇用体系では
社員ではない!」と指摘を受け、当時は何も言えませんでした。それだけ私の経営がいい加減で、会社と呼べるような状態ではなかったのだと、今でははっきりと理解出来ています。それでも何とか卒業をすることが出来ました。結局、創る会で、私は1年間時間を作りスタッフの方々に助言をして頂き、自ら深く考え、これから向かうべき方向を成文化し、指針書を作成したのだと思います。

卒業後はやる事が明確になり、創業時のやる気も出てきました。会社を整えて良い会社にしたいとの思いから、社員との衝突や判断に迷うことも多々ありましたが、1年かけて悩み考えた指針書、理念があるのでブレずに実践、実行出来ているのだと思います。まだまだやる事は尽きませんが会社も社員も私もバランス良く成長することで、お客様に良い仕事を提供出来るのだと思います。

経営指針を創る会第6期卒業生 久高 洋司氏(㈱高栄塗装・静岡支部)