福祉車両の困りごとはおまかせください!

㈲山下オート商会

山下 佳敦氏(榛原支部)

事業内容 自動車整備、販売 中部運輸局指定工場、福祉車両販売、修理・リース 日本福祉車両認定工場、福祉車両取扱士スペシャリスト

設立     1966年5月

社員数    5名

入会     2016年12月

所在地    牧之原市坂部564-6

URL     http://www.yamashitacars.com/

山下 佳敦氏(中央)


大手参入の中「福祉車両」に活路

静岡空港の南側、赤い進入灯橋梁が間近に見える㈲山下オート商会。現在交差点拡張工事中で、新社屋完成移転を控えた中での訪問でした。祖父が創業し、山下氏は3代目。つくば市でのメーカー研究職、保険会社の営業職を経て昨年7月に入社しました。その当時は、車検の大手が進出してきた時期でもありました。「特色のないままでは売り上げが下がっていく」と危機感を覚え、福祉車両の車検・架装部修理に着手します。それが功を奏し、現在では代車「福祉車両」も3台所有、年40台ほど福祉車両の車検・点検を受注するなど、特に福祉車両の取り扱いに注力するようになっています。また、福祉車両に特化したレンタカー事業を開始しました。


例会参加即日のスピード入会決断

山下氏の信条は“良い人と知り合ったらその人について行こう”です。紹介者の河内崇文氏とは2016年10月に出会ったのですが、ほぼ初対面だったにも関わらず、誘われた2日後の例会にオブザーバーとして出席、懇親会で出席者全員に個々に挨拶して、即入会を表明したのでした。朗らかで、愛嬌ある山下氏は、すぐに周りと馴染んでしまいます。


見据える先は会社と自分の成長

足の不自由な方が左手1本でブレーキやアクセルを操作できる“ハンドコントロール”という製品を説明していただきましたが、工具不要で簡単に取付けられ、携帯できるすばらしいものでした。
「福祉車両の疑問や困りごとを解決できる、総合的なサービスを提供していきたい。そして、会社を伸ばしていきたい。そのためにも、同友会で自分の足りない部分を補完していきたい」。研究員から自社の未来へ、視線は常に新しい分野を向いています。仕事にも、子育てにも一所懸命な山下氏でした。

 

取材・記事:増田 正典氏(静央開発㈱・榛原支部)
取材:今野 英明氏(光誠工業㈱・榛原支部)
取材:河内 崇文氏(㈱スマートブレイン・榛原支部)


自社ソフト開発の目標に向けて、日々学びを実践

㈱スギナシステム

土屋 恵理子氏(三島支部)

事業内容 要員派遣、ソフトウェア開発、WEBアプリ開発、電子計算室運営管理支援、PC関連サポート

設立     2013年7月

社員数    正規12名、パート2名

入会     2016年3月

所在地    三島市中336-3

URL     http://www.sugina.co.jp/

土屋 恵理子氏(右)


主婦から一転、突然の社長就任

業務改善用アプリケーションの開発や情報技術者の派遣を主として行う㈱スギナシステム。その代表取締役である土屋恵理子氏は、前身の会社の解散を受け、ITの知識が全くない中、急遽その業務を引き継ぐ形で同社の社長となり、悩みながらも社員を導き経営しています。設立当初は社長として元の取引先を回り、会社が変わる事と、以後も変わらず技術者を派遣できる旨を説明するため、一社ごと訪問することから始まりました。当時は経営理念や事業計画も考える余裕もなく、目の前の仕事をこなす事で精一杯でした。季節が変わったことすらわからないくらいだった、と言います。


同友会は「参加するほど得をする」を実感

土屋氏は社長就任から3年、経営者の孤独を強く感じることがありました。そんな頃に、同友会会員のお店にお客として行くうちに仲良くなり、共通の知人の強い推薦で入会。それまで「経営者は孤独なのでは」とずっと自問していた土屋氏は、多くの会員から刺激、感銘を受け、また同じように悩んでいる経営者に触れ、考えを聞くことで、参加後は必ずモチベーションが上がったそうです。「気づき」は自社に持ち帰り、実践。現在は三島支部の例会企画副委員長として運営にも関わり、同友会は参加すればするだけ得をすることを実感している、とのことです。


仲間を得た経営者の新たな決意

「今後は情報技術者の派遣を行いながら、顧客ニーズにあった提案で中小企業のIT化の手伝いを行い、地域貢献をしていきたい」と土屋氏。「関連会社である会計事務所とも共同事業ができ、いずれは自社のパッケージソフトも開発し、販売していきたい」と新たな決意を聞くこともできました。その姿からは、仲間と出会い孤独から解放された土屋氏の、経営者としての新たな覚悟を感じました。

 

取材・記事:望月 健太朗氏(㈲望月新聞堂・三島支部)

【写真】㈱しまだ 店舗

会員企業名 ㈱しまだ 創業・設立 1909年1月
会員名 嶋田 康一 業種 酒類小売業
所属支部 御殿場支部 従業員数 社員3名 アルバイト4名
会暦 2014年1月入会 事業内容 日本酒、本格焼酎、日本ワイン、海外ワイン、泡盛、梅酒、和のリキュールなど販売

 

― お客様が望むことなら、最善の努力を惜しみません ―
 明治42年設立で創業107年の長い歴史を誇る〝しまだ酒店″。4代目の店主嶋田氏にお話を伺いました。
御殿場駅の富士山口より徒歩5分の旧246号(県道78号)線沿、新橋浅間神社近くの、POPなサインでモダンな店舗、昨年店舗改装を行ったそうです。店内に入ると多種多彩な日本酒、本格焼酎などが陳列され、種類と数の多さは壮観です。好きな方はビンを手に取り様々な質問をしながら数時間もいらっしゃるそうです。

■経営理念に対する思いはどのようなものですか
 「-商売は堅実に、お客様には誠実に-です。元々経営理念みたいなものはありました。自分は先に経営理念立てちゃうと背くようなことばっかりやってしまうので・・・。大手企業が掲げる経営理念は、奥深いと思います。」と謙遜する嶋田さんですが、しっかりとした思いお持ちです。
「理念も作ればそれに準じて商売したり生活環境良くしたりという事になると思います。例えば、1000万円儲かる話があって、そこに自分の経営理念があります。この1000万円の利益は自分の経営理念に背いて得るものと言われた時に、どうしますか?その1000万円は要りませんって言えるかどうか?そういう気持ちで、本当にそんな経営理念なんか立てて良いのかなって思うところはあります。自分が思うより経営理念って深いものなのでしょうね。頭の中では、ぼんやりですけど、『何かお客さんの喜ぶことをやっていくこと、お客さんの為に』と思っています。それを可視化するのが経営理念なのかなと」

■ご自身が目指す酒屋像とは
「昔は何でも得意先にしていた時期があって、居酒屋、キャバクラなどお酒が売れるところ全てに販売していたのです。とにかく、何でも喰い付くすように、お酒が売れれば、儲かれば、それで良かった。しかし30代後半位から段々酒屋としての道筋が見えてきて、お客様との付き合い方などが明確化してきました。」

新規オープンのお店に営業に行かなくなっているのも、自分の酒屋像みたいなものが確立し始めたからのようです。また、お客さんが望むのであれば1本からでも仕入れもされ、最善の努力をされているそうです。
ご自身が本格的にお店を引き継ぐようになってからは、色々な困難もありながら将来像を築き上げたそうです。

■蔵元とのつながりについて
 将来像が見えてくるとさらなる追求がはじまったそうです。

 「前文でも述べたように、先代の時、安売りしていた時期がありました。そうすると大きい波にのまれて、売上も落ちちゃって・・・自分はその時、お酒の問屋で働いており、色々な酒屋を見てきました。トラックが何十台もある酒屋、日本酒しか置いてない酒屋、店舗でディスカウントしている酒屋、デパートとか・・・。そんな中でも、一番イキイキしているのが地酒屋さんだったのです。専門店が一番お酒に対して、より深く探求しているし、知識もあったということです。そこから酒屋ってなんだろう?と思い、お酒の勉強を始め、頻繁に雑誌に載ってくる酒屋を調べ、全国行脚が始まりました。
最初は、今でも親しい愛知の酒屋さんで『この酒良いから蔵元行って来い!』って教えてもらいました。それで、美味しいお酒の一つ“まんさくの花”を求めて秋田県まで。電車のチケットを握り、新幹線と鈍行を乗り継いで、お酒の知識もないのに『取引したいのですけど』と。そしたらそこの社長さんが凄く良い方で『じゃあ、泊っていきなよ』と言って頂けたので一泊させてもらい、居酒屋で色んな話を聞かせてもらえました。そこが初めての蔵元との取引で“まんさくの花”というお酒でした。皆、こんな感じでお酒を仕入れ、取引きしてもらい、それを地元で育ていくんだなってことに気が付きましたね。それから色んな酒屋さんと仲良くなって、ここにはこういうお酒があるよ!今あそこの蔵元で跡取りがこんな取組みをしているよ!という情報が全国から入ってくるようになりました。その後も電話でアポ取って、考え方や人柄等も確認し、こちらから『取引してください!』と歩き続けましたね。それでこんな感じのお店になってきた。ユーザーにも営業、蔵元にも営業、とにかく色んなアプローチのかけ方をしました。ただ、お店に置けば売れるということも無かった。だって誰も知らないものを皆怖くて手を付けないですよね。だけどそうやっているうちにあそこ何か面白い物を置いてあるんだよ、という評判が、飲食店さんや、一般のお客さんの耳に入り、どんどん広がっていきました。」

■今後の同友会について
 「吸収出来るものは吸収していきたいと思います。自分に無いものを持ってる方とも付き合っていきたいなと思っています。あくまでも会社の経営に関した部分を勉強する場なので、行かなければ学べないし行けば得するし、それで良いと思っています。一生懸命やっている人は日の目を見る世の中にしていかないと駄目ですよね。何でもそうですが、頑張っても報われない時代かもしれませんが、頑張って方向性さえ合っていれば絶対報われると感じるようにしていきたいですね。」

 取材中も何度か電話での問い合わせや、お客様の接客に追われながら奮闘しておりました。また、高校、大学、社会人でラガーマン、高校時代は全国大会にも出場経験をお持ちで、2016年4月1日に設立した「裾野御殿場ラグビーフットボール協会理事長」として2019年ラグビーワールドカップ開催に向けても、多方面で活躍中です。
今後の益々のご活躍を期待します。

店内様子

左から加藤氏、片野氏、嶋田氏、勝間田氏

● ● ● ● ●

取材・記事:片野貴一郎氏(㈱モスク・クリエイション・御殿場支部)
             取材:勝間田誠氏(㈱文化堂・御殿場支部)
             取材:加藤弘一朗氏(㈱時之栖・御殿場支部)


感謝の心を忘れずに

㈲東亜電気工業

鈴木 将大氏(伊東支部)

事業内容 電気工事一式、太陽光システム施工

設立     1990年7月

社員数    4名

入会     2016年4月

所在地   伊東市宇佐美2129-6

鈴木 将大氏(左)


資格の取得が自信へ

㈲東亜電気工業は父親が設立した会社で、鈴木将大氏は21歳の時に会社に入社しました。入社当初は何もわからず、失敗し、怒られての繰り返しだったとのこと。悔しさをバネに、せめて資格を取らなければと、26歳の時に国家資格である第一種電気工事士を取得しました。資格を取ることで「私でもできるのだ」と自信がついたとのことです。


取締役に就任

会社を継承するために、28歳の時に取締役に就任。それまでは現場で作業していたので、人を動かすことの難しさを肌で感じました。なかなか思い通りにいかず、社員さんとは幾度となくぶつかったそうです。鈴木氏はこのままではいけないと思い、社員旅行を企画するなど一緒にいる時間を増やし、信頼を得て環境を改善していきました。


同友会と歩み

鈴木氏は同友会に出会い、人生の先輩方が勉強している姿を見て、今のままでいいのか?このままでいいのか?と、今の自分に疑問を抱くことができました。「私が設計図を作成しているときも、平日に研修を受けているときも社員の皆さんは仕事をしてくれています。同友会と出会い、人と出会うことで、陰で支えてくださる人が見えてきた」と語りました。 人として成長していく鈴木氏を見て「将来きっと社員を大切にする立派な社長になる」と感じました。

 

取材・記事:渡邉 啓太氏(ハッピーライフ・伊東支部)


朗らかな街の司法書士さん

山田司法書士事務所

山田 真実氏(富士宮支部)

事業内容 不動産登記、商業法人登記、供託手続き、簡易裁判所代理・裁判所提出書類作成、成年後見

設立     2013年7月

社員数    1名

入会     2014年4月

所在地   富士宮市宮北町51-2

山田 真実氏


専業主婦から司法書士へ

 結婚して専業主婦をしていた山田氏は、夫の勧めもあり、司法書士資格の取得を目指し専門学校に通って試験勉強を始めました。2004年に司法書士試験に合格し司法書士事務所に勤務することになり、2013年7月に独立して現事務所を開設しました。 司法書士の仕事は、法律で「何をどこまでできるか」という範囲が決められており、その範囲内で業務を行っています。


司法書士という仕事

 仕事の内容には不動産登記や商業法人登記、簡易裁判所代理や裁判所提出書類の作成、成年後見等があります。近年、不動産登記が少なくなり、利益を追求する仕事ではありませんが、司法書士としてできる新しい分野を開拓したいと考え、社会が求めているものに対してアンテナを張って自分の出来ることを模索しています。 また、山田氏は現在、名義人の氏名を毛筆で書きたいという思いから習字を学んでいるとのことです。最近はほとんど印刷の文字ですが、毛筆は印刷にはない人の手の暖かさがあります。この司法書士という仕事に山田氏の込めた想いが感じられました。


同友会に入会して

 知り合いの不動産業の方からの紹介で、2014年に入会。皆が真剣に経営を考えている姿勢を見て、前述したように司法書士の仕事は利益を追求する仕事ではありませんが、経営を真剣に考えるようになりました。山田氏は同友会の活動の中で、富士宮支部の経営指針委員会に参加し、経営に迷わない真の強い軸を持った経営者を志しています。少人数の話し合いが深い内容となり、会員と接する時間を大切にしています。

 

取材・記事:金子 佳正氏(金子石材滝戸・富士宮支部)