静岡県中小企業家同友会が行うインターンシップ事業のご案内です!(学生向け)

9名の経営者(社長さん)からのメッセージです!!

同友会インターンシップの最大の特徴は、経営者の「人となり」が理解できること。
今年は静岡県内東部から西部にかけて、27社の会社が皆さんの参加をお待ちしています。
気になる会社があれば、「かばん持ち体験」もリクエストできます。

 

受入企業一覧、参加申請書、募集要項は以下からダウンロードしてください!

受入企業一覧(PDF)

参加申請書(PDF)

募集要項(PDF)

同友会インターンシップについて、事務局の森本さんに語ってもらいました!

 


全国の人脈を生かし学び続ける女性経営者

㈲たちばなファーム

取締役 岩井 一代氏(浜松支部)

事業内容 農産物卸売業(農業生産者)(柑橘80%、野菜15%、他加工品5%)

設立:1996年11月

社員数:正規1名 パート5名

入会:2003年6月

所在地:浜松市北区根洗町657

渥美 末夫氏、岩井 一代氏(右)


会員同士の強みを繋げて販売量アップ

浜松市北区根洗町で、みかんなどの柑橘を中心に農産物卸売業を行う㈲たちばなファーム。岩井一代氏は約20年前に、より高みを目指すべく、同じく浜松支部の渥美末夫氏(㈲渥美農園)とタッグを組みました。㈲渥美農園は、減農薬、除草等、他社にはまねできない生産方法を強みとしています。そして㈲たちばなファームは、対人関係の中で自分の中に軸を持ち、その軸に合致する所と取引を行う方針を取り、強固で効率の良い販売網を築いてきました。両社の強みを生かす形にしたところ、販売増につながったそうです。


学ぶ姿勢を持ち、支部も全国も自社経営に生かす

岩井氏に同友会で学んだことを伺ったところ、三つのことを挙げてくれました。一つ目は、全国大会への参加を通じてたくさんの仲間ができたこと。今でも交流が続いており、貴重な人脈形成となっています。二つ目は、個別に会員の会社を訪問して話を聞かせてもらうことで、伸びている会社の経営者は本当に「よく考えている」と気付かせてもらえたこと。三つ目は、例会参加の際は常に「何か良い所を盗んでやろう」という心構えで臨み、そこから様々な気付きを得ることができたこと。これらのことから、同友会に入って本当に良かった、と話してくれました。


仲間と意識を合わせる努力と工夫で難局を克服 

これまでに直面した難局はどうやって乗り越えたのか?との問いに岩井氏は「渥美氏ととことん話し合うことで、今の売れる仕組みを構築できた。また、生産者である渥美氏を現場に連れていき、価格交渉等の大変さ、実際の仕組み・販売までの流れを知ってもらったところ、生産意欲を掻き立てることに繋がり、難局を乗り越えることができた」と話してくれました。
「同友会は、ただ参加するのではなく自分なりに目的をもって参加することで、得るものも持ち帰れるものも多くなる」と岩井氏。同友会参加への心構え、経験を聞くことの大切さ、人脈形成の必要性等、改めて学ぶことができました。

取材・記事:真砂 隆氏(フロムネイチャー・浜松支部)

【逸品】無電源スピーカー「バイオン-Mg60」、マグネシウム合金製ケーナ「marco QUENA」

会員企業名 丸山工業㈱ 設立 1971年4月
会員名 九川 治喜 業種 自動車部品等製造
所属支部 富士宮支部 従業員数 社員 17名 パート 6名
会暦 2009年2月入会 事業内容 薄板鉄板等のプレス加工、パイプ加工

 

丸山工業㈱は、主に自動車部品用の金属加工、プレス加工を得意としています。テレビドラマの「下町ロケット」で同社の製作した部品が使われるなど、その品質と技術の高さは広く評価されています。
代表取締役の九川治喜氏は、ファゴット奏者という一面を持っていることから、会社をオーケストラに喩え、社員ひとりひとりを演奏者、社長を指揮者と考えています。
「様々な楽器の音を指揮者が一つの音楽にするように、会社経営も、社長が指揮者となり多くの社員を一つにまとめなければならない。会社は楽団」とのこと。そのため、経営理念もユニークな表現です。

【社  是】
音符から音楽が生まれるように 図面からモノをつくる

【経営理念】
私たちは品質・技術を磨き続け、お客様の心に響く製品をつくります
私たちは一日一瞬を大切にリズム正しく協働し、充実した人生を奏でます
私たちは地域とのハーモニーを大切にし、持続可能な会社を目指します

このような九川氏は、自社の得意分野を生かして、何か音楽に関わった仕事をしたいと考えていました。そのような折に、元取引先の方の主動でスマートフォン用無電源スピーカーの開発に携わります。そして、現取引先でもあり同友会の古くからの仲間である鈴木高史氏(㈲鈴木製作所)も加わり、マグネシウム製スマートフォン用無電源スピーカー「バイオン-Mg60」が完成しました。

「バイオン-Mg60」は、マグネシウムの高い音響特性と軽さと強度を併せ持つ特性を活かした、世界初のマグネシウムチューブ製スマートフォン用無電源スピーカー。マグネシウムの高い振動吸収性によって、いつものスマートフォンの音がワンランク上の音質になる上、マグネシウムチューブの驚くほどの軽さと強度で、インドア・アウトドアを問わず、いつでもどこでも音楽を楽しむことができます。

さらに九川氏は、ここでの経験を生かし、マグネシウム合金製ケーナ「marco QUENA(マルコ・ケーナ)」を誕生させました。ケーナとは、南米ペルー、ボリビアなどが発祥の縦笛です。ケーナ独特の素朴な味わいの音色を残しながら、軽やかかつ豊かな響きを実現しています。また、重さの面では竹製や木製のケーナと同等かそれよりも軽量であり、演奏者の負担を軽減。さらに、マグネシウムは金属アレルギーが起きにくい金属なので、安心して使用できます。

マグネシウムの特性を南米の伝統的な楽器に活かし、スタイリッシュに生まれ変わったケーナ。それが「marco QUENA」なのです。

九川氏は、同友会では副支部長として活躍し、同友会で教わった「常に考える」ことを会の仲間と共に実践してきました。そしてついに、経営理念のとおり、品質・技術を磨き、お客様の心に響く新たな製品を開発しました。

社員が一日一瞬を大切にリズム正しく協働し、他社と共創した「バイオン-Mg60」。そして、その開発の経験から生み出した自社製品「marco QUENA」。九川氏が指揮する丸山工業㈱楽団はこれからも、演奏者である社員が充実した人生を奏でる仕事を生み出し、持続可能な会社を目指していきます。

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取材・記事・撮影:金子 佳正氏(金子石材滝戸)
取材:稲原 研氏(松屋電気商会)
取材:鈴木 高史氏(㈲鈴木製作所)