【逸品】新たな販路を求めて

会員企業名 プリントバリュー㈱ 創立 2004年
会員名 藤本 浩 業種 印刷・オリジナルプリント
所属支部 静岡支部 従業員数 2名
会暦 2005年1月入会 事業内容 名刺・封筒・チラシ・Tシャツプリントなど

 
静岡市葵区千代田に店舗を構える藤本浩氏(プリントバリュー㈱・静岡支部)にお話を伺いました。プリントバリュー㈱は、14年前に藤本氏が起業、千代田に移転して8年になります。藤本氏の他、スタッフ2名。売上げの7割は、名刺・チラシ・封筒・Tシャツの印刷、他3割は、伝票・シール・カッティングシートなどの印刷です。店舗の中は、様々な機材でいっぱいでした。

起業から順調に売上げを伸ばしていた同社でしたが、5年前から少しずつ売上げが減少。昨年は大きく減少してしまいました。そこで藤本氏は、これまでの経営を分析し、新たな方向の模索を始めます。特に減少した印刷物はチラシ。これはネット印刷の影響が大きいと思われました。ネット印刷は、価格の安さだけでなく、誰でも簡単に印刷物を発注できるとテレビのCMなど幅広く宣伝され始め、地方の印刷業共通の脅威でもあります。名刺、封筒の印刷も少しずつ減少するなか、Tシャツの印刷は、毎年学校からの依頼もあり安定した状態でした。

また、これまで売上げを伸ばしてきた要因のひとつに「少しずつ機材を増やすことによって、出来る事を増やし売上げに繋げていった」と藤本氏は言います。しかしこれからは、新たな設備投資に頼るのではなく、既存の機材を活かす方向に持っていこうと決めました。もう一度既存の機材を見直し、できることはないかと盲点を探ります。

そしてまず着手したのは、オリジナルのTシャツを創り販売することでした。今回の「私の逸品」は、その第1作目、藤本氏がデザインした「川根(KAWANE)Tシャツ」です。友人にお願いし、道の駅に置いてもらうことから始めました。Tシャツの他にもエコバック、タオル等を作成し、少しずつですが手応えを感じているとのことでした。

これまでは依頼のあったものを作る、これからはプラスαとして、自分でデザインしたものを商品化していこうと考えています。順次増やしていった機材を活かして、様々な商品を完結させることができることが強みです。また「性格上1つ1つの商品に手が抜けない」という藤本氏の仕事に対する丁寧さ、誠実さも大切な強みです。

更に、本人はこれまで仕事とは切り離して考えていたという、藤本氏の多彩な趣味も大きな強みではないかと私は感じています。大学時代から始めたというジャズピアノは、今でもいろいろなステージで演奏。人気のバンドです。そして5年前から始めた山登り。安倍奥からと言っていたのが、あっという間に冬の富士山、八ヶ岳、北アルプスまで登るほどの達人に!その体力には感服です。また、2年前に購入したカメラの腕前もあげ、四季を通じて美しく偉大な山の風景を私達に届けてくれます。私は藤本氏を「雪山に登るピアニスト」と呼んでいますが、趣味を通して、藤本氏の徹底した探究心、情熱、感性といった人となりがよく現れているのではないかと思うのです。

昨今では、「モノを買うのではなく、コトを買う時代」「モノが欲しいのではなく、それを作っているヒト、売っているトコロ(店舗)から買いたいという時代」だと言われます。趣味は、仕事と相反することではなく、そのヒトを表現するとてもとても大事なコトだと思うのです。「遊びをせむとや生まれけむ」かな!?

もうひとつ私が気になったのは、「プリントバリュー」という店舗の名前でした。「バリューって何?」という問いに「お値打ち感」とのことでしたが、Value って本当にそういう意味?
たしかに日本では、お値打ちという意味合いでバリューが用いられることが多いし、そういう意味もあるのですが、本来のValue の意味は「本質的・相対的な価値、(持ち主にとっての)有用性・大事にしたいこと」印刷を通して、お客様ひとりひとりが持つ「価値」を表現する、創っているヒトの「価値」を表現する、「プリントバリュー」ってそういうトコロ(店舗)かなと思いました。

最後に藤本氏の一言。
「これからは自分をだしていきます!!」

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取材・記事 三協紙業㈱ 松下 恵美子(静岡支部)


社員と共に育つ企業づくり

ヤマサン

代表 柴田 和哉氏(志太支部)

事業内容:ユニットバス、トイレ、キッチン、ボイラ、エコキュート等のリフォーム

創立:2015年1月

社員数:2名

入会:2015年8月

所在地:藤枝市藤岡2-8-4

柴田 和哉氏(左)


学びの場を求めて同友会へ

柴田和哉氏が独立前に勤めていた会社の社長は、同友会の会員でした。その頃から会について「良い会だ」と思っていた柴田氏は、2014年11月に実家のある藤枝市へ引っ越し、2015年1月5日にヤマサンを創業。それから約半年の後、学びの場を求めて入会しました。


経営理念の成文化で採用を決意

柴田氏は入会の翌年に、第13期経営指針を創る会に参加。ここで指針を成文化したことや、その過程で課題や目標が明確になったことがとても大きかった、と柴田氏は言います。ここでの経験をきっかけに、社員の採用を決意し、2017年10月に初めて雇用をしました。
志太支部内では、入会当初から積極的に会活動に参加し、入会2年目には支部内グループのサブリーダーに抜擢されました。会内で積極的に役を受けることを、経営者としての自身の成長につなげています。


社員の幸せが第一

指針成文化から2期目になりますが、順調に仕事を獲得しています。昨年入社した新入社員は、面接時に理念を見せ、共感してもらっての入社で、柴田氏と想いやベクトルが共有できています。ただ、未経験ということで一から覚えることが多いのですが、一人前になろうと、一生懸命頑張っています。柴田氏は、社員と共に成長し、仕事のエリアを広げ、静岡県全域を対応できる組織にするという目標を掲げ、日々の仕事に励んでいます。同時に、社員が不便なく安心して暮らせるような会社を目指し「社員さんの幸せを一番に考え、社長としての研鑽も重ねていきたい」と柴田氏は話してくれました。

取材・記事:山田 幹也氏(㈱立花ガーデン・志太支部)