【シリーズ憲章】2010年10月号第30回

カテゴリー:中小企業憲章

2010年10月号【第30回】 中小企業だけが日本を救う 梶山康行氏((株)アイティエス・三島支部)

 

「中小企業は弱い存在だという発想を捨てなければならない。弱者を守ろうという政治家、弱者だから救って欲しいという経営者、そしてそこで働く社員たちも。確かにこれまでは大企業が作りだす巨大なマーケットの中で、下請けという立場の中小企業は弱者であっただろう。コストを下げろと言われれば下げざるを得ないし、納期を早めろと言われれば早めざるを得ない。大企業同士の競争が激化すればするほど、その下請けである中小企業には大きなしわ寄せが来ていた。だがその図式は、新興国の台頭によって大きく変わろうとしている。((株)ワイキューブ代表取締役 安田佳生 WEDGE2010年5月号より)」
当社は日本のものづくりを支える生産設備に係る情報システムの設計・開発を業としています。サブプライム問題に端を発した世界同時不況の影響は大変大きなものがありました。日本国内産業では潜在供給力に対して大きな需要不足を現在も抱えています。マーケットそのものがシュリンクした状態となり、世の中は大きく変化しました。大きいというだけで生きていける時代は終わろうとしているし、グローバリズムに伴う規模の拡大は企業を無国籍化してしまう。国産自動車メーカが海外で生産した逆輸入車を販売し大幅な利益の上方修正を発表しました。大企業の業績が、必ずしも日本の中小企業の業績に直結しなくなるのです。
我々はどうやって生きていけばいいのだろうか?その答えは“自立(自律)”なのだろうと思います。自らが価値を生み出し、その価値をマーケットに直接伝え、自ら顧客を創造する。価値の提供という新しい分野において、小さな会社がその主役になる。新しい中小企業の出現こそが日本経済を救う鍵になるでしょう。
ルールが変われば戦い方が変わる。ルールが変わるときには新しいルールブックが必要となる。中小企業憲章は理念であるから、その理念を基に新しいルールブックが作られることに大いに期待します。