中小企業振興条例で地域活性化実現の街を訪問して

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10月4日、静岡同友会有志10名で墨田区を訪問してきました。訪問の主旨は、墨田区は1979年、全国に先駆けて中小企業振興条例を制定し、条例の精神を実現するために、産業振興マスタープランなど策定し、具体的な施策を展開。行政と産業人が一体となって地域活性化を実現している成功事例を学ぼう、というものです。6月の「憲章・条例学習会」で講師を務めて頂き、墨田区の事例についてご報告頂いた、墨田区企画経営室長の高野祐次氏に訪問をお願いして実現したもので、当日はご案内もして頂きました。

最初に、墨田区が推進する3M運動(マイスター・ミュージアム・マニュファクチュアリング)を行っている「片岡屏風店」を訪問しました。社長の片岡恭一氏は「すみだマイスター」に認定された職人で自社を工房(製造現場)と店舗が一体化したショップを経営し、そこでオリジナル商品が創られ自らの手で販売されています。また、店舗2階では屏風作り体験もできるようになっていて、「もの売り」だけでなく「こと売り」も行い、ものづくりの楽しさ・素晴らしさも伝えていました。

次に、スカイツリータウン内にある「産業観光プラザすみだまち処」を視察しました。こちらはスカイツリー内の東京ソラマチにあり、墨田の産業・文化・歴史・観光などの魅力を発信する施設となっています。

続いて区内循環バスを利用してキラキラ橘銀座商店街へ向かい、シャッター街と化した厳しい環境下でも頑張っている商店街を視察しました。

昼食後は、新ものづくり創作拠点「ミュー」を訪問しました。元自動車板金塗装工場をリノベーションしたレザー・ラボで革にまつわるサービスを提供、こちらも職人体験が出来、墨田区産業振興マスタープランに基づく支援を受けている工房で新規事業として行政から支援をうけているという事でした。その後、すみだガラス市・すみだまつりを見学し視察終了となりました。

今回の視察で、6月に「振興条例は墨田区民にとって空気みたいなもの」と高野室長が言われた意味が理解できました。静岡県も、県民にとって空気みたいなものと感じられる振興条例が制定できれば素晴らしいな、と感じた視察研修でした。

記事:桑﨑 雅人氏(㈲島村歯車製作所・沼津支部)

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