第8回中小企業地球環境問題交流会&第3回東日本大震災復興シンポジウム

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エネルギーシフトで持続可能な社会を創ろう

 3月26~27日に、宮城県仙台市・江陽グランドホテルで第8回中小企業地球環境問題交流会&第3回東日本大震災復興シンポジウムの合同企画が開催され、37同友会と中同協から328名が参加しました。

1日目の全体会では、長谷川順一氏(㈱長谷川建設・岩手)、吉田信吾氏(㈱カネキ吉田商店・宮城)、高橋美加子氏(㈱北洋舎クリーニング・福島)の3名から被災地の復興をテーマに、将来目指すべき街づくりの形とそのための中小企業振興基本条例制定への取り組みなどが報告されました。次に、㈱NERC(自然エネルギー研究センター)代表取締役センター長の大友詔雄氏(北海道同友会)が「エネルギーシフトで切り拓く地域再生~自然エネルギーの利活用が生み出す地域の雇用」として基調講演。続いて広浜泰久・中同協幹事長から「学習をすすめ、取り組みの輪を広げよう」として昨年の中同協第46回定時総会で発表された中小企業家エネルギー宣言案(討議資料)と企業づくり、地域づくり、暮らしづくり、国づくりの4つの視点を説明し実践に向けた提起を行いました。グループ討論・発表、同友エコの表彰式の後、平沼辰雄・中同協地球環境委員長から「第7回中小企業地球環境問題交流会で『ないものねだりよりあるものさがし』という提起がありました。地域の資源を見直しエネルギーの価値観を変える『エネルギーシフト』を新たな運動の課題として推進していきましょう」とまとめがあり、全体会が閉会しました。

2日目は4つの見学分科会が行われ、仙台・南三陸・栗原の3つの地域で被災地の現状や環境経営に関わる先進的な事例に触れました。参加者それぞれに「エネルギーシフト」という課題をどのように企業・地域に生かし、実践するかを考え行動する交流会となりました。

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強い絆のもと、われら断じて滅びず!~風化させないために全国に発信を~

※タイトル:2012年3月「第42回中小企業問題全国研究集会in福島」メインテーマ

東日本大震災・原発事故から4年が経ちました。鉄道や港湾、道路の復旧は進みましたが、避難者は約24 万人、土地のかさ上げ工事が進まず、復興住宅の完成は計画の14%と遅れが目立ちます。工場建設は目途すら立たない状況が続いています。

売上が震災直後の水準まで回復している企業は40% で建設業と運送業だけです。卸小売・サービス業は厳しい状況で、水産・食品加工業では20%程度しか売上回復に至っていません。被災地はどこも日本全体の人口減少を大幅に上回るスピードです。周知のように原発災害地の7町村では減少率100%、人がいません。岩手・宮城両県では沿岸部の人口減少率35~70%の市町が11もあります。

震災復興は被災地だけの問題ではなく、持続可能な地域や経済をつくるうえでも全国共通の問題です。

シンポジウム第1日目は、陸前高田市で社屋や機材を全て失った㈱長谷川建設、めかぶ・アワビ・カキの加工場4か所を流出した㈱カネキ吉田商店、原発事故で30%の人口が流出した南相馬市の㈱北洋舎クリーニング、3社長の現状報告でした。3人とも自社の復旧・自立に全力を傾けながらも、支部・同業の仲間と共に持続可能な地域づくり、中小企業振興条例づくりに挑戦しています。会社がなぜ地域でがんばれるのか?存続させている力の源とは?その解がわかったような気がしました。考えぬいて作成した「経営理念」の力、「どんな状況になっても解雇はしない。早期に操業再開する」約束とその実現、「企業も因数分解すれば町民の一人」だからみんなのためは、自分のためにもなれる信念。いずれも同友会で誠実に学んできた会員ならでこその報告で感動しました。

私は中同協「REES」と憲章・条例推進本部の使命を果たす立場から交流会・シンポに関わってきましたが、東北へ往くたびに同友会員の底力の源を知り、感動をもらいます。

開催のねらいである①エネルギーシフトや「中小企業家エネルギー宣言」(討議事業)の学習、②原発事故・震災復興を「風化」させず、自らに関わる課題として連携・連帯する、③環境経営・同友エコの運動を拡げ、企業実践を学び合う、などの学習・取り組みの輪が静岡でも広がるよう、皆さんと共に考えたいと思いました。

杉村 征郎氏(県相談役理事 杉村精工㈱・志太支部)

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