【シリーズ羅針盤】2013年2月 第21回 桑﨑 雅人氏 (㈲島村歯車製作所)

カテゴリー:沼津支部 / 経営指針

14年前、後継者として経営の勉強をして来い、と先代社長に勧められ同友会に入会しました。自発的入会ではなかったので、義理で例会に参加する程度でした。しかし、入会2年後に先代社長が急逝、ほとんど準備が出来ないまま代表取締役に就任しました。就任後、専務と社長の立場の違いを痛感、同友会の先輩方に、この先自分の会社をどうすすれば経営していけるのか相談すると、まず会社の羅針盤である経営指針を作りなさい、という助言をもらいました。

早速、沼津支部経営理念委員会に参加。諸先輩方の指導の下、まず経営理念を作りました。しかし、その先の戦略・計画の作成に進まないまま仕事も徐々に軌道に乗ってきたせいもあり、せっかく作った経営理念も机の引き出しの奥にしまったままになってしまいました。平成21年から沼津支部の次期支部長就任の要請があり、経営指針書がないまま同友会の支部長を引き受けるわけにはいかないと一念発起し、県の第5期指針を創る会へ入会しました。

入会当初は、一応自分は指針創りを多少なりともやってきているからそれを成文化すればいい位の甘い考えでした。しかし、毎月の勉強会や2回の一泊研修会に参加していくうちに、スタッフの皆さんの助言や、同じ受講生の皆さんとの学びの中でその甘さに気付き、なんとなく会社を経営していた自分の不甲斐無さを痛感しました。特に経営計画書の作成時に、自分がどんぶり勘定的な計画で今まで会社を経営していたことに唖然としてしまいました。外部環境、内部環境、自社の強み、弱みをしっかり把握しなければ戦略が出てこない、戦略がなければ計画は作れない、そのことに気付き、じっくりと計画書を作りあげました。理念・戦略・計画がそろい、そして経営指針書がしっかりできて、その通りに事業が展開すれば最高です。

卒業後、会社で実践しようとしましたが現実はそううまくはいきませんでした。社長ひとりで作った経営指針は、まったく社員に浸透しませんでした。それは、絵に描いた餅に過ぎなかったのです。

会社をよくする為に経営指針を作成するのであって、経営指針を作ったから会社が良くなるわけではない。ビジョンを持って社員と共に経営指針を作りあげていく必要性を感じながら、会社をプロデュースすることが社長の使命だと指針を創る会で学ぶことが出来ました。有難うございました。

経営指針を創る会5期卒業生

桑﨑 雅人氏 (沼津支部)