【シリーズ羅針盤】2012年5月号12回 河田憲一郎氏(㈲うしぶせ自動車)

カテゴリー:経営指針

私が社長になった時、ただ漠然とした不安を感じました。約8年前の法人成り後、従業員さんを2人雇用し、毎月の資金変動にとらわれ、何をどうしたら良いのか分からない時期がありました。そんな時期沼津支部の委員会でミニ例会が開かれ、発表した社長が「社長就任当初の2年間よく眠れず、体調不良になり痩せた」と教えてくれました。「ああ、私だけではないのか」という安堵感を思い出します。

またある時、他の社長から「経営指針作成の手引き」という小冊子を読むことを勧められました。この小冊子を参考に経営指針書をつくろうと取り組んでいると、自分の壁(課題)が見えてきました。具体的には、法人成り前の決算書の数値が正確でなかったことが分かり、会計事務所に依頼し、月次決算が可能になりました。さらにもう一つの壁は集客力のアップです。マーケティングの本を読み、WEBコンサルタントのセミナーに参加し、ホームページの改善に今も取り組んでいます。

ところで、経営指針というととかく理念だけが強調されますが、私が指針をつくる会に入って実際に役立っているのは、外部環境分析、内部環境分析を踏まえた、戦略の考察です。『経営戦略とは「戦わずして勝つ」あるいは「戦わずして優位に立つ」ための事業構造の変革であり、それによって自然に高収益を生むことができるような体勢を実現することである。』と一倉定氏は遺しています。

こういった理念、戦略、個別課題を文字に表し、社員さんと共有すること(経営指針書つくり)が、会社経営にとって最も有効であると最近実感しています。

私がここまで来られたのは同友会の皆さんの教えのおかげです。まだまだ発展途上の私でありますが、私の経験が新しい会員さんたちの参考になれば幸いです。漠然とした不安から個別具体的な課題に変わったとき、大きな手ごたえを感じるはずです。
ぜひ県の指針をつくる会でお会いしましょう。

沼津支部 河田憲一郎 有限会社うしぶせ自動車