11月13日(土)秋空のもと第24回全県経営フォーラムが富士山メッセで開催されました。鈴木富士市長、外山県経済産業部商工業局長、伊東静岡大学学長様をはじめとし、多数のご来賓の方々を迎え、10時半から午後7時まで、終日かけて学び合いました。
遠藤一秀代表理事は「経営の改革に取組み、かつて多くの困難を乗り越えてきたように、フォーラムで学び大きな成果に結び付けましょう」とあいさつしました。

守和彦北海道代表理事は講演の中で、中小企業憲章提起後、北海道同友会はどう取組みをすすめてきたのか、また条例を制定することで地域や自社がどう変わっていくのかを、事例をあげて報告しました。

人が育ち、会社が育つヒント満載の分科会。社員の力を引き出し、一丸体制で危機を乗り越えてきた報告に、共感が広がりました。社員の成長が会社の成長につながっていると、確信できた分科会となりました。

(同友会フォトご覧ください)

2010年11月号【第31回】 「地域と共に歩む町の酒屋さんに」 久保修平氏((株)和楽・三島支部)

 

私は、「中小企業憲章」と聞いて、「むずかしそう」というのが最初の感想でした。支部例会で2度勉強した中で、「憲章をどう活かすか?」と問われるとまだまだ答えに困ってしまいますが、仕事の中で体験していることの先にこの憲章の重要性を見出せる様になってきました。
当社は酒類小売業、つまり町の酒屋です。売上のほとんどを飲食店への納品が占めています。飲酒運転の罰則強化や景気の低迷などで、ここ数年の飲食業界の落ち込みは非常に厳しい状況です。新しいことを仕掛けていかなければいけないと、お店ごとに工夫を凝らしてはいるものの、なかなか結果に結びつかない。そんな中、若手の経営者が手を組み毎月のようにイベントを企画し好評をいただいているのです。(10月はユニセフへのチャリティーイベントでした。)しかも100m圏内の洋食系のお店で。確かに共同企画のイベントをすることは珍しくありません。しかし、彼らのそれは一過性のものではなく、日常の業務でも、互いの得意分野のノウハウをさらけ出し合い、自店の存在意義を再確認しながら存在価値を高めようとしています。彼らは、「楽しくなければ人は集まらない。街全体を“楽しい空気”につつめれば、人は自然と集まる。まず出来ることからやるだけです。」といいます。
規制緩和から打撃を受け続ける酒類業界の中にあって、彼らの町全体を元気にしていこうとする考え方は非常に教えられるものが多くあり、まさに同友会の目的とも繋がるものだと思います。だからこそ、個の動きを蕾のままで終わらせるのではなく、より発展させていくために行政を巻き込んだ態勢を整えることの重要性に気付かされました。今後、具体的な「活かし方」を議論と行動の中から見つけていきたいと思います。