「中小企業の事業継承」をテーマに杉山功氏(㈱スギヤマ・浜松支部)と伊藤義康氏(イトウシャディ㈱・榛原支部)が報告を行いました。


昭和47年に設立した㈱スギヤマの杉山功氏は2代目経営者として41歳で代表取締役に就任しました。社員と共に成長する会社づくりをめざすために、経営理念や社訓、また従業員心得を成文化して社員と共有できるようにしています。また地域に根ざした企業になるために「ちゃっと便」など新規事業の展開を行い、他社と差別化を図っています。「人と地球にやさしい運転」。ゆとりある運転や静かな安定走行を常に心がけています。最後に、「同友会を通してより一層の自己革新で良き経営者をめざします」と決意を表明しました。


贈答用ギフトの店舗を経営するイトウシャディ㈱の伊藤義康氏は3代目代表取締役に就任して3年。この期間で様々な危機や困難の壁を報告しました。そんな中、同友会に出会い6期創る会で経営指針を作成しました。創る会の宿題をやるために同じ榛原支部の受講生と日付が変わるまで悩んだこともあったと振り返りました。社員一人ひとりがやりがいを持てる組織づくりやお客様との絆を強くすることを重点に置いています。お客様アンケートのハガキも改善を重ね、自社の弱みや強みを見つけられるようになりました。

第14回女性経営者全国交流会の、女性らしい視点でのおもてなしが認められ「静岡県コンベンションおもてなし大賞の奨励賞」を受賞し、実行委員長だった岩井一代氏が表彰式に臨みました。選考委員長の渡辺厚氏の基調講演の中で好事例としても紹介され、茶染めのミニ草履を半年かけて手づくりしたこと、美味しい新茶を持ち帰っていただいたこと、静岡ならではの食材を使い、試食会を経て内容を吟味、彩りよく味わいにも自信を持って提供できたことが高い評価をいただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 静岡同友会は7月26日(木)、民主党静岡県連が開催した「国・県への陳情要望ヒアリング」に参加。同友会を代表して、遠藤一秀代表理事(遠藤科学㈱)、望月賢一郎政策委員長(㈱カネイ水産)が県同友会としての要望を提出、説明を行いました。

 遠藤代表理事から民主党静岡県連14名の方々にむけて、地域経済の内発的発展の基盤である「中小企業の活性化」を重要な柱とする施策を求め、平成22年6月に閣議決定された「中小企業憲章」の深い理解とその指針に沿った政策実現を要望しました。

 県と県議会への要望としては、憲章の理念を静岡県に適合させた「静岡県中小企業振興条例(仮称)」の制定や地域内大学機関と中小企業の連携ならびに産学連携の援助、また中小企業政策を立案・推進する常設の振興会議を設置し、県同友会も積極的に関わっていきたい旨を伝えました。最後に遠藤代表理事は「協同推進のひとつに、政策担当者との定期的な意見交換の場もつくっていきたい」と同県連に要望しました。

入会間もない新会員6名による、自社事業や会活動への思いや期待を語る富士7月例会。創業者である会員は、起業するまでの経緯のエピソードを交え、継ぐ立場にある会員は、先代や現社長への畏敬の念をこめて。各々、社員とどう向き合って事業をすすめていくのか、発展のための戦略などを報告しました。

 雨森新聞舗の雨森壮一郎氏は美容師をやめ、家業を継ぐ決意を固め富士に戻ってきました。三代目となる雨森氏は、わずか3日で辞めることも珍しくない業界で、雨の日も風の日も休むことなく真心を添えて「心聞」をお届けしています。

 サンフラワー、渡辺靖氏は大船渡出身。セブンイレブンで勤務すること4年、その後結婚を機に、富士宮に移ってきました。地域を知るために地元企業で働き、独立開業を夢見て10年、念願だったセブンイレブン富士宮店をオープンすることができました。笑顔の接客で、ファンをつくっています。

 伊藤金物、伊藤光昭氏。「あったらいいなを形にする」をモットーに、お客様の“困った”を解決しています。豊富な品揃えで、頼りにされる地域の在庫番として、喜ばれています。入って間もないうちに全研福島に参加、多くの経営を学ばせてもらえていると感想を述べました。

 渡辺直俊氏、フジゲン㈱は、商社・印刷工場・介護3つの事業を行っています。包装資材を取り扱う業務向けの会社、包装資材に自社で印刷、他社と差別化が図れています。以前、同友会があると誘われていたことを思い出しました。他の会員に学び自社で実践し、生産ロスを抑えることができました。

 

ハタナカ特急便の畑中和弘氏、売上が増えればいいと働いてきました。しかし、会員の指針発表を聴いて、その思いに変化がありました。ハタナカグループで働いている人たちと、楽しくやっていくこと。これから会で学び“経営者”になりたいと、自らの気持ちの変化に触れて報告しました。

 佐野豊氏、ゆたか建築設計事務所の代表。欧州の古民家風の建物を得意とし、こだわりのある方を顧客としています。生活改善型のリフォームも手掛け、地域の工務店と協同で、お客様の声に耳を傾けて事業をすすめています。

 「安い仕事はしない!」という信念があり、仕事が全く無く悩んでいました。そんな時、友人の洋会で同友会に入会しましたが、何も目標が見い出せませんでした。一年後、経営指針を創る会を勧められ、仕方なしに参加しました。
 以前から名刺交換が嫌で自分から動こうとはせず、挨拶すらしませんでした。創る会に行っても「俺は指針書は創らない!」と言い自分なりの学びになればいいと思っていました。そんな私でも、参加する内に少しずつ自分が変わってきました。先輩、仲間、友人からの真剣な意見、本音の助言がありました。腹は立ちましたが、自社の弱み、自分の甘さを的確に指摘されるので反論出来ませんでした。
 創る会には先生はいないし誰も教えてくれません。代わりに気付くきっかけを皆が与えてくれます。自分が気付かなければ何も変わらない事を学びました。
 人との繋がりの大切さに気付き始め、自分の周りを全て変えようと思い、どんな仕事も選ばず、職人も増やし過去最高の売り上げになりました。指針書なんて簡単なものだなと思い卒業しました。
 経営者の責任を果たしていると自信も出てきましたが、私の指針書は矛盾だらけで職人を増やし過ぎ、仕事の質が段々落ちてきました。職人達の生活の安定を考え過ぎ、質より量になり方向性がずれ始めてきました。「あれ?俺の目標ってなんだったんだろう?」指針書は破ってすてました。指針書の重要性を改めて思い知りました。指針書は創ることが目的ではなく、実践する事が大切です。私は中途半端なものを創り迷走しましたが、もう一度創り直し、皆様の目で胸を張って発表します。
経営指針を創る会7期卒業生 赤石 琢磨氏

天野 敦之氏による講演「人を幸せにする会社を創る」と題した例会を開催しました。

この言葉は、道徳論ではなく、会社を経営していくために必要な事項である。

 ビジネスの本質は価値を創造することであり、その対価として利益を得るのであって、誰かを犠牲にして利益を得るのではない。客の価値観は変化していて、機能・品質は当たり前で幸せ・喜び・感動など、より本質的な価値を提供することが求められている。

 また、経営者が幸せに輝いて働くことで、社員も幸せに輝いて働くことが出来る。 経営者だけではなく、社員もお客様もみんなが幸せと喜びを感じられる会社が今の時代に求められている企業のカタチであり、中小企業が目指す場所もそこにある気がします。

 良いニュースがあまり無い中、経営者の考え方を変えることで、より良い会社にしていきましょう!

 

 御殿場支部 広報委員 立道 浩幸

岐阜同友会の熱い歓迎の元、長良川国際会議場にて第44回定時総会が開催されました。(県内より21名、総勢1163名が参加)

「復興問題、人口減少、少子高齢、大企業の海外移転による空洞化。心配のタネが先行しがちですが、雇用を担う地域の一員として存在感を示し、各地同友会年度方針、条例、そして地域、自社、同友会づくりを進めていただきたい。5年、10年将来を見据えた学びを、限られた時間大いに議論して下さい。」と、中同協会長鋤柄修氏より挨拶。

16分科会に分かれ、それぞれ学びを深めました。

2日目全体会では、岐阜県中小企業団体中央会会長 辻正氏より挨拶。

「60年もの間、中小企業は弱いと言われ続けて来た。けれど今はそうでない。どこの国も中小企業は育っていない。日本の中小企業はアジアの中堅、大企業だという事に気づくべきである。アジアの中小企業と提携していけば新たな道は開ける。困っているから智恵がでるんだ!私の遺言だと思って聞いて下さい。」との激励に、会場は拍手で沸きました。

その後、三重同友会相談役宮崎由至氏、兵庫同友会筆頭代表理事田中信吾氏、北海道同友会代表理事守和彦氏の3名をパネラーに迎え討論が行われました。

1.「情勢をどうとらえ、企業戦略を組むか」、2.「同友会リーダーの役割と地域に根を張る同友会づくり」、3.「憲章の理念を普及し、各自治体に条例制定を」の3つをテーマに講演。

1では、現状を認識する事により戦略・戦術を立てることが出来ると宮崎氏は言います。己の立ち位置を知る手段として、STEP2の活用を勧めます。「こんなん書けるか!となるのは、自社のしくみを理解していないから。まずその事に気づけただけでも大きな意味になる。ぜひ敬遠せず活用してください。」と語りました。

2では、リーダーたるもの、企業家精神(自ら問題読み取ってその問題に変革を起こす)、管理者精神(与えられた仕事を卒なくこなす)、この2つを使い分けなくてはいけないと田中氏が熱意を持ち語ります。

3では、守氏による憲章・条例の重要性が語られました。「大きな目標を持つことで、他機関との連携ができ、地域の結束が強まった。会員のいない町をつくろう。憲章・条例を作ることが自社にとって大きく影響するとまず認識する事が大事だ。」守氏は、いつか憲章リーフレットをパスポートのようにしながら、各同友会の進捗状況を語れるようになればとも話されました。

2日間を通じ、豊かな社会の実現をめざす議案が承認可決され、広浜幹事長の「ここで得た学びを、醍醐味を、多くの人へ伝えてください。全会員で運動に取組みましょう。」と締めくくり、全国総会の幕を閉じました。

 

 

 

◆創業
 2005年、23歳の時に独立して前身となるエンズバーを創業、2009年に現在のダイニングバーエンズとして移転リニューアル、10席から40席に増やして可能性を広げました。
 10代の頃は色々な意味でやんちゃな時期を過ごしたという遠藤さん。将来何をしたいのかもわからなかった時期、たまたま先輩の誘いで手伝った飲食店でお客さんに喜んでもらえた事がきっかけで大きく感動し、この世界に入ったそうです。
 気軽にイタリアン料理を深夜まで楽しめる他、パーティプランやイベントも充実させて、若者から経営者、高齢の方まで、幅広い世代の方が訪れています。

◆同友会
 同友会に入会して1年半、創業以来ひたすら前に突っ走るだけだった経営姿勢から、本当に意識が変わったという遠藤さん。経営の悩みを聞いてもらえたり、改善の道筋を共に考えられる素晴らしい仲間ができたことで、自身を分析し、お客様、従業員、地域の真の幸せの為に勉強する機会を得ました。先月から始まった富士宮支部の経営指針研究会にも参加して、理念や指針を見直しています。

◆展望
 今までは「遠藤崇浩」という個人の顔でお客さんが来てくれている面が多かったが、今後は「ダイニングバーエンズ」としての付加価値・魅力・組織づくりに取り組んでいます。満足度向上の為、接客、設備投資、衛生など、八方に気を配ってスキのないサービスづくりにも余念がありません。人と人の縁をつないで広げる場所として、お客様の心を幸せにするお店として日々成長するダイニングバーエンズのこれからがますます楽しみです。

取材:田邉元裕氏

 

 

 

 

 

 

社員数38名、富士宮市で50年以上にわたって家庭ゴミの収集運搬業務を行う富士宮清掃㈲。穂坂氏は3代目後継者として、会社経営と中小企業憲章を結び付け、地域になくてはならない存在を目指しています。同友会の全国総会で「中小企業憲章」に出会い、“中小企業が光り輝く存在を目指す”という中小企業の高い使命感と自助努力の精神に感銘を受けました。「憲章を学ぶことで、我が社の存在意義が見出せる」そして「地域の生活を支え、必要とされ、その期待に応える事が社員の生きがいに繋がる会社になる」と自社の存在意義を見出しました。
町をきれいにすることが企業使命と捉え、会社周辺の清掃活動にも継続的に取り組んでいます。また、地域の小学校と地元企業の社員が集めた古紙を学校教育活動に継続支援できる「地域エコの輪プロジェクト」も発足させました。社員も経営者も、働きがいや生きがいを感じられる会社を目指し、行政、市民からも信頼され、地域に無くてはならない富士宮清掃をめざしています。そして同友会で憲章を推進することは事業や地域の発展にも繋がると確信をもち活動しています。

7/10(火)の静岡支部例会では中小企業憲章について取り上げました。全国の同友会でも、今年6月を「憲章・条例月間」と定め、全国各地で中小企業憲章や中小企業振興基本条例の学習例会が行われています。穂坂氏は昨年9月に開催された同友会の全国大会「青年経営者全国交流会(富山)」でも中小企業憲章の描く社会に自社の存在価値を重ね報告しました。本年に入り、伊東支部や浜松支部、三島支部でも報告しています。

例会のまとめに、望月賢一郎政策委員長(㈱カネイ水産)は「地域の企業家として、その地域といかに向き合うかが大切。地域を考え、地域と深く関わることで自社も社員も変わる。骨のある中小企業振興基本条例づくりにむけて、同友会静岡支部としてさらに理解を深めていきましょう」と参加者に伝えました。

 平成24年7月6日(金)富士宮市志ほ川にて富士宮支部7月例会が行われました。

 今月の報告者は㈲アイ・ネット静岡 代表取締役 池田 達哉氏でした。「責任を持てる会社づくり」をテーマに行われた報告は参加者37名と多くの会員が集まりました。

 会歴12年の池谷氏。富士宮支部の副支部長として活動をしています。

池田氏

 大学卒業後システムエンジニアをしていた池田氏は、結婚後奥様の実家の家業である不動産業に転職をしました。営業についてわからない事だらけの中、様々な事を必死に勉強しました。そんな中、あるお客様と出会い、素直に「営業になったばかりですが、頑張ります。一緒に勉強させてください。」と伝え、親身に対応しました。その結果はじめてのお客さんになってもらうことができました。その後も努力を重ね、会社は大きくなりました。

 しかし、時代が悪くなった事もあり、会社はうまくいかなくなりました。その後、残った着工中の物件をすべて無事完成させ、独立をしました。

 独立後は利益が少ない仕事でも一生懸命やりました。何年もそんなことをしているうちに、信頼がうまれ様々な仕事に恵まれるようになりました。

「プロとして心配事が無く取引が終わる事をモットーにしている」と熱く語る池田氏でした。

 発表後の感想では、「同友会らしいリアルな話が聞けた」「責任を持てる会社を作るということは、責任を持てる自分になるということ」等の感想が上げられました。