【逸品】デモ設備でロボット制御技術を可視化!

会員企業名 ㈱アイティエス 設立 1976年
会員名 梶山 康行 業種 情報サービス業
所属支部 三島支部 従業員数 正規120名 パート27名
会暦 2002年11月入会 事業内容 システム開発・ソフトウェア製作・OA/FA及び各種アプリケーション販売・保守サービス・技術的な業務サービス

 
田園風景が特徴的な、三島市梅名。この地に本社を構える㈱アイティエスは、FA(Factory Automation:工場における生産工程の自動化を図るシステム)技術サービス、OA・FA機器の販売・サポート、システムエンジニアリングなど幅広く手掛けています。今回は代表取締役社長の梶山康行氏に、ロボット制御技術の可視化に関するチャレンジについてお話を伺いました。


自社技術の可視化を目指した「サイコロプロジェクト」発進!

数年前から盛んにAI、IoTという言葉が聞かれています。また、FA業界においても、これらの技術を使いロボット制御技術の需要の拡大と高度化が進んでいます。

梶山氏がロボット制御技術に対して積極的投資をし、時流に乗った事業拡大に取り組もうとしていたちょうどその頃。とある企業が「さまざまな要素技術を駆使し、可能な限り小さい金属製の六面体を削って作ろう。どこにでもある、普通の町工場の環境で出来ることを実証してみよう」と、世界最小のサイコロ作りに乗り出しました。この企業はその後、完全重心のサイコロや0.3mm角のサイコロ、そしてついには0.1mm角のサイコロを作り出しました。サイコロは、世界中の人が知っている身近なものでありながら、六面体として基本的な形状要素を持っている歴史のあるものでもあります。誰にも馴染みのあるもので技術を可視化したことにより、企業価値を大いに上げるものとなりました。

この話を聞いた時、梶山氏は「技術には絶対の自信を持っているが、はたして周りはそれをわかってくれているのか?」と自問しました。自社の技術を可視化できれば、ユーザーの領域ももっと広がる可能性があるはず、ならば可視化を図ろうではないかと、着想を得た話にちなんだ「サイコロプロジェクト」が始まりました。


プロモーションでデモ設備導入

技術の可視化で必要不可欠なのは、デモ設備の導入です。実際に動いている状態をお客様に見て頂くことが一番理解して頂きやすく、また訴求力を高めることにも繋がると考え、すぐに環境を整えました。

パソコンやタブレット端末で遠隔操作する様子は、ロボットの画像がリアルタイムで表示されます。見学に来たそれぞれの会社で導入した時の効果が想像しやすくなり、お客様もワクワクしながら見せてもらったという感想を言って帰られる方も多いとか。


技術者の育成をはかり、技術者不足にも貢献

社内でのロボット制御技術向上に向けたトレーニングにも力を入れています。社内の技術を高めるとともに協力会社を含めた社外向け研修教材を充実させることで、国内の技術者不足の課題に対し少しでも役に立ちたい、と目下環境整備に奮闘中です。

新分野に挑戦し、会社としての企業価値を表すシンボル的なでも設備を創るとともに、地域、社会にも貢献する。そんなポジティブでアクティブな社内の雰囲気は、とても活気に満ちた明るいものでした。梶山氏を先頭に、まだまだ何かやってくれるのでは?と大いに期待したいと思います。

● ● ● ● ●

取材・記事 ㈱スギナシステム 土屋恵理子(三島支部)
取材・写真 ㈲エムケイテクノ 三田宏一 (三島支部)


本業を軸に新たな市場にチャレンジ

㈱ベーシック

代表取締役 名倉 篤史氏(中遠支部)

事業内容: 電子機器製造業のリサイクル提案、新電力を中心とした省エネルギー提案によるコスト削減

創業:1974年10月

社員数:6名 パート:3名

入会:2016年7月

所在地:磐田市豊田8-1

TEL:0538-35-7203

URL:http://basic-co.jp/

名倉 篤史氏(右)


ニッチな事業

㈱ベーシックは、金属のリサイクルを主な事業としています。メインは、はんだやクリームはんだなどの特殊金属という、業界でもニッチな存在であり、買取品目の多さでは東海エリアNo.1です。電気機器産業が急拡大する1974年に父親が磐田市内で起業。はんだだけでなく、設備更新時の廃材も引き取るなどのサービスで支持を得ました。顧客と共に成長を続けてきましたが、そこに襲ったのが2008年のリーマンショック。名倉氏が社長に就任したのは、この頃でした。


新分野に飛び込む

 電気機器産業の成熟に伴い、各社とも価格・サービスが横並びになり特徴を出せず、顧客はほぼ固定化し成長も鈍化していきました。その打開策を模索していた名倉氏が着目したのが、当時部分的に自由化され始めた「新電力」の代理店事業でした。
 工場中心の既存顧客に提案できると目論みましたが、当初は全くのあて外れ。しかし、完全自由化の流れに乗ると契約は次第に増え始め、今は全売上の一定の割合を占めるまでになりました。「成長してこそ企業」と語る名倉氏。父親同様、新分野にいち早く参入し、粘り強く継続してきた成果です。


金属リサイクル業の幅を広げるv

 新電力の勢いにも次第に陰りが見え始め、シナジー効果の見込める新展開を思案していた最中、そのヒントを求めて同友会へ入会。「会員が切磋琢磨する姿が刺激になっている」と、意義を見出しています。 父から引き継いだ本業を新たなステージに導く名倉氏。「金属リサイクル業の幅を広げていきたい」と業界の未来をも見据えていました。

取材・記事 鈴木 弘之氏(税理士法人 あい会計・中遠支部)


「半径1メートルを笑顔にする会社」を目指して

㈲ティーパワー

代表取締役 若杉 幸秀氏(静岡支部)

事業内容: 印鑑・印刷製造販売

創業:1997年1月

社員数:6名

入会:2008年4月

所在地:静岡市葵区田町3丁目5-1

TEL:054-289-0777

URL:http://hanko1.com/

若杉 幸秀氏(左)


印刷屋からはんこ屋へ

静岡市駿河区で「駿河はんこ市」という印鑑・印刷の製造販売を行う店舗を経営する、若杉幸秀氏。印刷関係の会社勤務を経て、1997年の1月に独立。印刷機を導入し、名刺、ハガキ、封筒等の小物の印刷物を印刷するところからスタートしました。順調に業績を伸ばしていましたが、その5~6年後に取引先が倒産し、300万円もの売掛金が回収不能に。この件で掛売りの怖さを実感した若杉氏は、現金売上を増やす方針をとります。そして2003年に店舗をオープンし、印鑑の取り扱いを開始しました。


同友会の仲間との出会い

同友会への入会は2008年。全国大会にも何度も参加し、その度に刺激を受けたと言います。50歳になったのをきっかけに人生を振り返り、一からやり直すことを決意。支部内の若手経営者を集めて、早朝の勉強会を始めました。その活動が原点となって、県や支部の青年部の立ち上げにも尽力することになりました。同友会に入会し、仲間が増えたのが一番良かったと振り返ります。


売上アップの戦略は商品開発

昨年、主要得意先の受注が大幅に減ったこともあって、現在は立て直しに力を注いでいます。特に力を入れているのは商品開発。箔押しのオンデマンドプリンターを導入したことで、小ロットからのクリアファイルの作成が可能になりました。また、会員企業の協力を得、オリジナルポストイットを作成しました。これらはノベルティとして売れている、と言います。
 従業員が「この会社にいて良かった」と思ってくれるような会社を目指したいと語る若杉氏。「半径1メートルを笑顔にする会社」という経営理念を掲げ、日々新しいことに取り組んでいます。

取材・記事:藤本 浩氏(プリントバリュー㈱・静岡支部)