浜松支部9月例会は、経営指針を創る会第8期を卒業した須山由佳子氏(㈲キャリア・アップ)が、経営指針を創る会の活動を通して感じたことや実践したことを報告しました。
仕事をする中で、お客様の企業へ人材育成に関するアドバイスをすることに躊躇し、悩んでいたときに創る会に参加し、同じ受講生やスタッフに叱咤激励され考え方が変わりました。創る会で毎回出され宿題のシートに記入し、グループで発表をした時に仲間から鋭い指摘を受けたこともありました。しかし、仲間の一言は自分の本当の気持ちや自社を見直すきっかけになりました。
はじめは自分の弱みなどを見せることをためらっていましたが、一泊研修にも参加し仲間と長く過ごすことで、鎧を脱いで弱みをさらけ出すことができました。現在は指針を社内で共有し、社員からも「よくわかった」と言われ、よりクリアな職場となりました。
報告後は、会員それぞれが実際に記入したSWOT分析のシートを持ち寄り、意見交換を行い弱みを強みに変えることの必要性を認識し何の為の経営か改めて考える場となりました。

御殿場市の竈にあることで“ゆめかまど”の名がつきました。市の委託を受け、8社による協同組合で運用している事業です。市内各所に置いた専用のポリバケツを回収し、生ごみを粉砕し、数種類の菌を混ぜて撹拌、有機物を分解し堆肥化します。給食センターや家庭、事業所の生ごみは一日に5トンまで処理が可能。発酵させ寝かせてできる肥料は生ゴミの10%量、市民に無償で配布し草花や野菜の栽培に使ってもらいます。地域循環型のリサイクル事業の本格稼働後およそ1年半が経過、地域住民の理解も増えて回収する量も3割増となっています。ゆめかまどの隣接地には、試験的に栽培しているたんぼがあり、黄金色の稲穂が収穫の時を待っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 静岡大学情報基盤センターの井上春樹教授が講師として登壇した同友会大学榛原分校。「ものを持たない経営~最新ITで投資コスト80%削減、ビジネススピード5倍!~」と題して講演いただき、IT導入と経営戦略を結びつけた企業変革の事例を学びました。

  “最近のITの進化は速すぎてついていけない”“今使っているパソコンやサーバーを大事に使って投資を少なくしたい”しかしその姿勢が実は“壮大な無駄を含むIT投資”を招く要因になることを井上教授は説明。「IT投資額が小さいほど優れた経営で信頼性がある。そしてクラウド化で守り、攻めることが重要」と強調されました。

 親会社からの独立や赤字体質からの脱却、そしてBCPに代表される危機管理対策など強靭な企業をつくっていくことが経営者には求められます。井上教授は大学の先端IT技術導入によるコストや電力の数値、またYoutubeを活用して技術の蓄積と発信事例を挙げて説明。しかし小規模企業でも十分実践できることを語りました。「クラウド化の実現は、経営課題をクリアしていくことができるのではないか」と参加者に伝えました。「ものを持たないIT戦略」に取り組むことは、企業改革を推進する重要な経営戦略といえるでしょう。

 

 

 

9月19日、藤枝市の小杉苑で地域経済の担い手といて地元の中小企業を育てる事業「エコノミックガーデニング(以下、EG)」についてのパネルディスカッションを行いました。同友会会員、藤枝、焼津、島田、牧之原の各市から行政の担当者や商工会議所の関係者など約80名が出席しました。

同友会は良い会社をつくろう、良い経営者になろう、良い経営環境をつくろうという3つの目的に沿って活動していますが、事業者を取り巻く環境は厳しさを増しています。

それぞれ生き残りをかけて様々な手を打っていますが、継続的な効果が出ないのが現状です。そのような中、藤枝市がEGへの取組みを始めたことを受け、志太支部としても中小企業の役割を自覚し、それぞれの事業者がチャレンジャーとして課題に向かっていこうという趣旨で本年度EG研究会を立ち上げました。

パネルディスカッションの中で、EGの先駆者である拓殖大学教授の山本尚史氏は、全国の中でも藤枝市がEGの先進事例になると言い、きっかけは行政主導、いずれは民間主導とし専門家や経営者が連携していくことが求められると説明しました。

藤枝市の産業振興部部長の村松一博氏は、藤枝市がEGについての研修会や、地元企業にヒアリング調査を行っていることなどを報告し、ネットワーク組織や支援策の重要性を伝えました。

事業引継ぎ支援センター責任者の清水至亮氏は、企業経営者の高齢化や事業承継がうまくできていない問題などを指摘し、後継者育成の大切さや支援策について説明しました。

同友会副代表理事の福田克己氏は、企業経営者と同友会からの立場で、中小企業の海外移転や大手取引先の撤退などが進んでいる問題や、さまざまなメディアでの情報収集の重要性について話しました。

最後にコーディネータの静岡経済研究所の大石人士氏が「今回のパネルディスカッションをきっかけに、今後のEGの方向性が決まってくると思います」と締めました。

地域内資源を生かす手法の一つとしてEGがあります。藤枝市が先進事例となれるように、広域的な連携の重要性を改めて確認する場となりました。


「指針で飯が食えるか?」
私は第1回と第5回の「創る会」の卒業生です。第1回の「創る会」に受講していた頃は、「自社の強みと弱み」「内部分析、外部分析」この辺が整理されるのだから「儲かる会社」になるだろうと鼻高々でした。ところが第1期卒業後も会社の成績はいっこうに上がってきません。その頃は「やっぱり指針では飯は食えないよなぁ」と思っていました。
ところがもっと深刻な問題が起きてきました。それは中途半端で自分勝手な指針を示した為、社員さんとのコミュニケーションが以前よりも悪くなってしまいました。私はブレていないつもりでも「社長は言う事がコロコロ変わる」「朝令暮改だ!」と非難されました。チーフスタッフが「ここはこういう事だよ」「ここはこういう事で変わったんだよ」と通訳してくれて、何とか意思が伝わるという誠に情けない状況で、同友会の仲間からも不評で「そこまで言うかよ」というくらい打ちのめされました。
このままではいけないと、第5期の「創る会」を受講しもう一度最初からやり直す事にしました。手探り状態の1期の頃と違い5期ともなると、スタッフも内容も充実していました。自分の事よりも、たった5年で此処まで完成させたスタッフの皆さんの頑張りには驚くばかりで、其処には「指針で飯が食えるか」の議論は全くなく、「社長の役割とは」「会社の存在意義とは」とか会社の核心にに触れる議論が続出していました。こんな素晴らしい環境の中で新しい理念を作る事が出来ました。
少し前に取得していたISO9001と相乗効果を生み、社内でのコミュニケーションが取れるようになってきました、私は開き直って「俺の言う事より、経営理念とISOの言う事の方が正しいよ」と、無責任な言い方をしても思いを伝える事が出来るようになってきました。
会社はまだまだ問題が山積みです。それでも土台くらいは出来てきた気がします。
経営理念とは会社の利益を上げるためのツールではなく、お客様、社員さんを始めとするステークホルダーがなくてはならない会社と思えるような「良い会社」になる為のツールだと言う事に気が付いたことが「創る会」を受講した一番の収穫でした。

       第5期創る会卒業生  静岡支部望月省吾

2012年9月19日(水)サンウェルぬまづで沼津支部9月例会がおこなわれました。

テーマは『当社に関わるすべての皆様に「ありがとう」と言える日本一の企業を目指します。」 西日本タイヤセールス静岡販売㈱ 久保田大助氏が報告しました。

防衛大学卒業後、自衛隊に勤務。ヘリコプターからの降下訓練中パラシュートが開かず、落下するという大事故から奇跡の生還をとげた久保田氏。

その後千葉県で運送会社を開業しました。奥様と知り合った事を機に静岡へ移転しタイヤ販売・卸売業をはじめました。

何もない状況から、久保田流仕事術でタイヤ販売で全国トップ10に入るまでになりました。

1.問題意識を持ち早期発見する 2.会社の利益を考え努力する 3.「師匠」を見つける 4.誰もが嫌がる仕事をする 5.戦略的な服装をする 等久保田流の仕事術を熱く語りました。

 

 

 

わさび漬の製造卸をしている㈱タムラ食品の専務である田村儀朗氏を訪問しました。同社は大正時代たくあん漬の店として個人創業、戦後になってわさび漬をはじめ法人化しました。伊豆産の本わさび、吟醸酒の酒粕、伊勢志摩産の青のり、鳴門産のわかめと、自然派の健康食材を合わせて加工しています。

2011年の冬に“わさび”を入手したいとネット検索で知った農業者を訪問、その縁から2012年1月に㈱マリーとしてA型事業所をたちあげることになりました。現在、14名の利用者が加工や袋詰め作業を担っています。今後、わさび田をつくって、安定供給できる体制を整え、いずれは農業部門を法人化し、一般就労してもらいたいと田村氏は考えています。

(詳細は同友しずおか10月号に掲載)

新東名駿河湾沼津SAで「もっふる」が全国的にも有名になり、多くのメディアに登場する森嶋昭仁氏(㈲森島米店)を講師としてお迎えしました。森嶋氏は27歳のときにお父様を亡くし、精米機の使い方もわからないまま社長に就任しました。現在は伊豆でお米屋を営みながらもっふる専門店のカフェも経営しています。

学生時代から多くの人と出会い、チャレンジすることの大切さを学びました。現在の社会では既成概念にとらわれる人が増えていますが森嶋氏は既成概念にとらわれずあえてチャレンジしています。その一つがお米屋さんらしくないお米屋さん「もっふる」です。また、過去には様々な事業にチャレンジし失敗したこともありましたが、その経験からも多くのことを学んでいます。

森嶋氏は「何かを決断をするときは正しいかどうかではなく、ワクワクすることを選びます」と言います。商品の値段を決めるときも「いくらで買いたいと思うか」「いくらで売ったらワクワクするか」を考えて値段をつけています。もっふるのお店を始めてから現在まで値段を変えず、多くの人に愛されるもっふる屋さんになっています。

グループ討論は「あなたは新しいことにチャレンジしていますか?」というテーマで行われました。自社で実践しようとしていること、そのキーワードなどを皆の前で発表し、改めて自社経営を見直す場ともなりました。

御殿場支部9月例会は、成長支援コンサルティング㈱代表取締役、G.S.ブレインズ税理士法人代表の近藤浩三氏をを講師に迎え、「マーケット縮小、消費税増税に向けた準備~成長の三要素で自立、増収増益!そして組織づくり~」をテーマに講演を行いました。

「お客様の成長支援が我社の使命です」と力強く語る講師に会場の会員は熱心に講演を聞いていました。

いま日本が抱えている課題として、縮小していくマーケット、消費税増税に向け、どのような準備をしたら良いのか、自らの実践を基に構築した「成長の3要素」を細かく、わかり易く、そして熱く語って頂きました。

カギは“社員の知恵の活用” これからの時代、「組織づくり」「ビジネスモデル」「マーケティング」そして数値の裏付けを明確にする事で、成長し続ける企業にする。今から準備する事がいかに大切かという事を会員の皆さんや同席された社員さんも共有できたと思います。

加藤 正弘氏(御殿場支部・広報委員会)

同席頂いた方 ㈱フィットコーポレーション 取締役社長 勝俣智史氏(御殿場支部)

       ㈱よしの マネージャー 望月英一氏(御殿場支部)

【起業から現在に至るまでの経緯・事業展開・景気】

 昭和38年に前代表者がスチール回転イス等のプレス加工下請を主として個人にて創業を開始し、その後プレス加工技術を生かし三菱アルミのアルミ箔日用品製品の製造を開始。

現在は、㈱タツミエンタープライズをグループ持株会社とし、グループ会社が、㈱フィットコーポレーション・㈱トップ・㈱アールとあり、さらにグループ飲食事業として、丸源ラーメン・焼肉よしの・ワッフルカフェORANGEを展開している。

製造部門はリーマンショックの影響を受け、低迷期も有ったが、現在は太陽光パネルの需要拡大もあり、盛り返している。飲食事業は手がけ始めて日も浅いこともあり、また、去年の震災の影響や、ユッケ事件等外的要因もあり、大変なところもあったが現在奮闘中である。

【会社の強み、得意とするところなど】

製造部門:小ロット・少量生産対応、品質力、納期対応。頼まれればなんでも対応・チャレンジする。

飲食部門:常に新しい情報を取り入れ、形にはとらわれない。社員みんなで同じ方向を見て、情報が共有できている

【今後の方針、展開、展望、抱負など】

製造部門:価格競争もあり、海外が競争相手になっているが、とにかく品質の確保・向上に力を入れている。食品包材のニーズは有り、そこは強化していきたい。太陽光パネル部品は需要に追いつかない状態ではあるが24時間体制で対応している。

飲食部門:状況にあわせて、また、時代のニーズにあわせて、お客様第一主義とし、社員全員の夢やアイデアを大切にしたい。

取材・記事 立道 浩幸氏(御殿場支部)