共同求人委員会は11月28日(木)、インターンシップ意見交換会を開催しました。今夏(8~9月)に会員企業14社へ34名を派遣いただいた大学・短期大学をはじめ、4大学・2短期大学部の教授や担当11名と、会員企業7名(事務局含む)が参加しました。まず各大学よりインターンシップ事業について報告。実地での貴重な研修で、学生の就職観の意識向上に繋がる成果が聞かれました。その後4グループに分かれ、バズセッションを行いました。①インターンシップ受入企業を増やすにはどのような視点が大切か、②キャリア教育の一環を担うインターンシップ事業はじめ、産学交流をどのように進めていくか、2テーマについて65分間話しあいました。学生・企業が、同友会のインターンシップをもっと活用してもらうためには、同友会のインターンシップだから得られる利点や特長を、会の内外に発信して伝えていく必要があります。大学・企業・同友会の3者が双方のメリットをさらに理解するために定期的な意見交換の場も良い機会です。まとめに金指忠男氏(㈱オートベル・代表取締役)は「継続的な意見交換で双方の関わり方を明確にしていく。今後も共有できる場を持ちたい」とまとめました。

※以下、意見交換会の参加大学・短期大学と会員企業(順不同)

<大学・短期大学>

静岡大学、常葉大学・短期大学部、静岡産業大学、静岡英和学院大学・短期大学部、東海大学短期大学部

<同友会>

㈱青山建材工業、岩堀電設㈱、㈱オートベル、㈱ホンダクリオ富士、大川食品工業㈱、山村社会保険労務士事務所、㈱リンク・アンビション、同友会事務局

生子正樹氏(㈱ショージ)が、世界を相手に挑戦し、オリンピックのライセンシーを取得。英国の王室関連の商品も取り扱って、描いていた夢が実現しました。

自社の強み、自身が勝てる場所はどこかを探し、好きなこと、得意なこと、熱くなれる場所で戦っていく。どんな商品を、誰に、どう売っていくのか、ターゲットを絞り込み、売り先を決めていく。ライフスタイルや、年齢、性別、多くの情報を集め、他でやっていない独自性のあるものを商品として販売してきました。

小企業が大手企業に伍し、戦う場所や戦略次第では十分に勝機があることを学生に話をしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「事業承継と企業評価を学ぶ」をテーマに、志太支部例会を11月21日、藤枝パークインホテルで開催しました。参加者全員で架空の運送会社の財務諸表をベースに学びました。会員それぞれが知っている情報や動向などの「定性面」と、貸借対照表ならびに損益計算書、キャッシュフローなどの「定量面」の2つの視点から企業分析を行い、グループに分かれ、意見交換しました。売上推移や損益状況の観点だけでなく、資金繰り状況、取引金融機関の動向など総合的に鑑み、追加融資への可否、評価となる根拠を学びました。参加者からは客観的な数値を把握することの重要性が感想で聞かれました。

11月21日(木)さざんかで例会が行われ、約50名が出席しました。電子部品製造業を営む山崎善道氏(近江産業㈱代表取締役)が会社を立ち上げて24年、そして社会人として50年の軌跡を語りました。
同社では元請けが機械などを備えてくれるため、設備投資が抑えられ、在庫ももたない為、10年ほど無借金経営です。
 山崎氏は長年経営に携わり気付いたことを、短文にして紹介しました。「自分にしかできない商売をすること」、「人・物・資金を大切にすること」、「景気が良いときにも危機感をもつこと」などを忘れずにいます。
 最後に、「同友会は学ぶ場」と話し、話を聞くだけでなく、ざっくばらんに自社経営を話すことの大切さを伝えました。

11月20日(水)静岡大学連携講座「企業経済特論Ⅳ」第8回講義が行われました。
「今時の工務店の日々」をテーマに杉村喜美雄氏(㈱育暮家ハイホームス・志太支部)が講師として登壇しました。同社は住宅設計施工、古民家再生、リフォーム・リノベーション事業を展開しています。消費税の増税決定に伴い、駆け込み需要が増えているものの、住宅関連の職人減少が問題となっています。また若者の価値観の変化、少子高齢化によるニーズの変化、海外発注など社会情勢の変化で、職人を目指す人が減っています。
 50~60代の職人は、日本の伝統や丁寧な仕事を大切にし、誇りを持って取り組んでいます。その伝統を今の若い世代に伝え、若い職人をさらに増やしたいと言います。
学生に「職人について、若い人たちの考え方を変えていきたい、精神的にも金銭的にも、社会的にも、もっとサポートできるようにしたい」と呼びかけ、社会全体に職人について知ってもらい、社会保障など、働く環境を整えていきたいと抱負を語りました。


11月13日(水)静岡大学連携講座「企業経済特論Ⅳ」第7回講義が行われました。
「中小企業のブランドづくり」をテーマに富山達章氏(㈲インタープランニング・静岡支部)が講師として登壇しました。富山氏はコンセプトディレクターとして、各企業に眠っている価値を引出し、事業の方向性や活路を見出すコンサルティングを行っています。静岡のお茶を若い女性が欲しがるようなパッケージにしたり、今治のタオルをブランド化して海外に出展したりしています。「ブランドは生活者の中に宿る価値、他の人に言いたくなるようなもの」と話しました。新しい価値を見つけるには、行動力と客観的視点が必要なことを述べ、学生に「行動力を上げ、問題意識を持ちながら色々なことに挑戦してください」と伝えました。

今回の逸品は、志太支部、㈱江永化成の紙発泡加工品です。
環境に配慮した新素材を使い、古紙再利用の紙緩衝剤です。多くの方々のご縁によって支えられ作られた製品です。

 

【表紙写真】㈱江永化成 鈴木且久社長(写真右)

会員企業名 ㈱江永化成 設立 1971年
会員名 鈴木 且久 業種 製造業
所属支部 志太支部 社員数 15名
会暦 2011年4月 入会 事業内容 紙発泡加工事業、発泡スチロール加工

環境側面に配慮した、新素材「紙発泡」古紙を再利用した紙・緩衝材

 

<会社の沿革>

昭和46年 有限会社鈴木スチロール

昭和51年 株式会社山鈴製作所

昭和54年 株式会社江永化成

(エコアクション21認証事業所)

(男女共同参画社会づくり宣言事業所・団体)

<事業内容>

○ 紙発泡加工事業(eco事業)

○ 樹脂加工

○ 発泡スチロール加工

○ 梱包資材

 

経営理念

私たちは誠意ある対話をモットーとし、

お客様の要望を満足に変える提案と、

一味違う商品づくりに励み続けます。

志太支部役員が訪問取材(中央:鈴木社長)

創業のころ

 ㈱江永化成さんは、各種樹脂加工を行っている従業員15名のメーカーです。先代の鈴木文四郎氏は、学校用品の問屋をしていましたが、店舗火災に遭い、発泡スチロール加工へ転身し、㈲鈴木スチロールを創業しました。事業が軌道に乗ったところで、その工場も火災により喪失という災難に見舞われます。度重なる罹災にかかわらず、ご縁のあった会社に助けられ、昭和51年に㈱山鈴製作所をスタート。昭和54年に㈱江永化成として再スタートし、現在に至っています。

焼津市(旧大井川町)に本拠を構えていますが、「江のほとりに永久に栄える」ことを願い、屋号を「江永化成」と定めたそうです。ご苦労の末の、心からの願いがうかがえます。

主力商品は「紙発泡」

古紙を主原料としており、発泡スチロールと同様に、緩衝性・断熱性に優れ、しかも、スチロールとは違い、可燃ゴミとして処理することができます。ダンボールとの一体型のエコ商品として、自動車部品や冷凍食品の梱包材として出荷しています。樹脂加工の経験を生かし、少量多種のオーダーに応えて、様々な商品を作っています。

発注者と一緒に、「環境」と「人」に優しい商品開発を進めるとともに、自社ブランドの開発も単独・コラボを含め積極的にトライしています。その一つがのジオラマ模型です。基盤事業とトライアル事業をバランス良く行っている事業形態は、とても魅力的に感じられました。

たくさんのご縁のあった方々との汗と工夫が満載のジオラマ

 

「環境」と「人」に優しい会社を目指して                                   

発泡スチロール、樹脂、紙発泡の加工全般で、使い易さ、環境への対応、コストダウン、あらゆる要望に応えるべく、常に考えています。そして、将来的には、江永化成でないとダメだというものを作っていきたいと言います。社長ご本人が語る次の言葉は、つらい経験をした人ならではの重みがあります。「私たちは幸せ者です。たくさんのご縁をいただき、今の私たちがあります。」

鈴木社長は、縁に支えられてきた感謝の気持ちを忘れずに、地域の方々に接し、日々の事業にもまい進しています。幾度となく、ゼロからのスタートを強いられました。でも、その度にたくさんの人に助けられ、チャンスを頂きました。だから、何事にもチャレンジし、お客様の要望にも全力でお応えするという姿勢を貫いています。今度は、自分たちが社会に恩返しをしていく番だと考えているからです。

≪社長の想い≫

 ○ 社会貢献

 ○ 地域を元気づけたい

 ○ 子供たちの将来のために

 ○ 逃げない、向かっていくのみ!

社員さんの手による細やかな作業

社会貢献としての施設外就労受け入れ

障害福祉施設からの研修生を受け入れ、ハンデキャップを持つ人たちの就労支援活動を続けています。また、「男女共同参画社会づくり宣言」(静岡県登録)を行い、より良い職場環境づくりにも努めています。「小さな環境への思いやり」をスローガンに事業を進めている江永化成さん。社会貢献も果たしながら、この厳しい経済環境の中で、従業員と思いを一つにして信念を貫きながらお仕事をされています。

研修生といっしょに作製したジオラマ模型に、鈴木社長、そして会社の想いの全てが込められ、表れているように思えてなりません。あっぱれというか、感心・感激のひと時でした。

取材・文・写真 松浦富雄氏(行政書士松浦富雄事務所)

取材:塚本和成氏(㈲塚本商店)・松葉秀介氏(松葉倉庫㈱)

大滝淳氏(大瀧重工㈱)・杉山裕己氏(㈱杉山工務店)

大石貴啓氏(タイケイ㈱)

 

私は、自動車整備業という会社の二代目として9年が経ちます。自分に課せられた使命は、今はなき父親の意思(想い)を継いで、いかに会社を維持、発展させるかという事です。そんな中で、経営指針を創る会第8期生に参加させていただきました。忘れもしません第一回目の全体研修の日に、富士の赤石塗装の、赤石社長の経営に対する熱い情熱と、自分が変わっていった生き様の話、さらに二回目の日には、衝撃的な事が起こります。各テーブルでのバズの中で、こるどん㈱の後藤社長に『あなたは“労使見解“の意味が全く分かっていない!もう一度改めて勉強したほうがいい』と指摘され、あたかも頭を大ハンマーでなぐられたような衝撃に見舞われたことを思い出します。平素からの(社員さんに対しての対応)が根底から覆った瞬間でした。最近よく感じることは自分一人では何もできない、限界がある。自分の思い=経営理念を実現させる為に、社員一人ひとりに自分の分身となってもらって、お客様に接してもらっている。という考え方に変わって行ったという事実。経営の原点は「人」なんだとつくづく思い知らされる今日この頃です。指針を創る会8期生に参加させていただき、自分を改めて客観的に見つめ直す機会をいただきました。我社の「経営指針」はまだまだ途上段階ですが、指針の会での学びを基礎として、いかにお客様に喜んで頂ける会社を創れるかを大きなテーマとして、人づくり、組織づくりに取組みたいと、感じています。

指針を創る会では自分をさらけ出します。鎧兜を捨てて、真剣に自分自身と向き合うことができる場だと痛感しました。幸いにも、同期又は先輩社長には素晴らしい、自分にはない体験をされている方がたくさんいますので、悩みがあればどんどん自分からぶつかっていきましょう。必ずやグッとくるヒントを与えてくれるはず。そんな経営指針を創る会であると確信、期待しております。

経営指針を創る会8期卒業生 田代 滋氏(御殿場支部)

ようかんと共に毎日成長する社長!

㈲丸鈴製菓

代表取締役 鈴木 智道氏 (富士宮支部)

事業内容:一口羊かん、富士山羊かん製造

創業:1970年(昭和45年)7月

社員数:正規2名、パート2名

入会:2012年2月

所在地:富士宮市北山5277-1

右:鈴木氏   左:取材 田邉氏

世界一の富士山ようかんをつくる会社!

同社は2代目社長の鈴木智道氏のご両親が、昭和43年にようかん専業として創業。ようかん一筋、使う素材にもこだわってファンを作りながら、40年以上コツコツと経営してこられました。今年は富士山が世界文化遺産に登録された事で「富士山ようかん」が一躍大人気になりました。毎日製造が追いつかない程の忙しさで、スタッフ一丸で業務に取り組まれています。

 

まさかの逆境、苦難の日々

しかしその影には、人に言えないような苦難の連続がありました。ほんの数年前、先代社長が事故で急逝され、当時家業に入って間もなかった智道氏が、ノウハウを覚える間も無く、心の準備もできず急遽社長となりました。経営はおろか、営業や仕入、販売などわからない事だらけ、従業員さんとも当初は折り合わず、途方にくれる日々。そんな中、菓子組合で交流のあった社長の紹介で同友会の存在を知り入会されました。

同友会での凄まじい成長

入会後、富士宮支部運営の経営指針研究会にも入りました。経営理念の作成にとりかかるも、先輩経営者から愛のこもったダメ出しや指摘の連続。恥ずかしさで一杯の日々ですが、そこまで言ってくれる仲間に感動し、必死に取り組んでいます。智道氏のお母様も「特に最初の1年は凄まじい成長。同友会で学んだ事をすぐに実践している。」と、変貌ぶりに驚く程です。

より良い商品を届けてみんなを幸せにしたい

社長となって3年、会社をしっかりとさせ、経営者として成長していく事はもちろんですが、地域とお客様があっての丸鈴製菓、「丸鈴の存在をきっかけに、地域を始め沢山の人と人の良い出会いをつくりたい」「おいしいようかんを一人でも多くの人に伝え広げて、幸せな気持ちになってもらいたい」と想いを語る智道氏の目には、未来への希望が沢山輝いていました。

取材・文 田邉元裕氏(富士宮支部)

 生産農家と歩む漢方薬原料の栽培

㈱河原崎商事

代表取締役 河原崎 勝弘氏 (榛原支部)

事業内容:農業資材・石油類・プロパン・消防、防災機器販売

創業:1950年(昭和25年)4月

社員数:正規17名、パート2名

入会:1995年8月

所在地:牧之原市菅ヶ谷2079-1

URL:http://www.kawarasaki.co.jp

            社屋前で 左:河原崎氏  右:取材 河内氏

 

お茶農家の苦境に向き合う 

地元牧之原のお茶農家などに農薬や肥料、燃料などを販売する同社。先代の父が農業資材販売を始めてから64年目を迎えます。長く農家と向き合うなかで様々なニーズを「まずはYesから考える」と語る社長の河原崎氏。現在は創業時からの資材販売だけでなく、石油類や消火器・防災器材の販売部門など事業を広げながらお客様の要望に応えています。近年は後継者不足や震災後の風評被害で廃業する生産農家など苦境に立たされる状況を目の当たりにしました。「お茶だけでない新しいもので農家を元気に」と発起し、平成24年10月、農業生産法人㈱薬善を設立、代表取締役を兼任しています。

 漢方薬原料の栽培で市場開拓

薬善では漢方薬の原料となる薬草植物の栽培、生産農家の普及を行います。耕作放棄地を活用することで農地再生にも繋がる取組みにマスコミや金融機関も期待を寄せています。現在の栽培面積6㌶のうち、2㌶を薬善、4㌶を賛同した農家がミシマサイコとトウキを栽培。種苗の無償貸与から栽培指導・買取りまで契約農家の支援をし、お茶と重ならない11~1月の収穫時期で農閑期の安定した収入源になります。各農家が生産した薬草の全量を薬善が買上げ、加工・選別し、漢方薬メーカーに納入します。メーカーと提携して、需要の伸びとともに国内調達の比率を高め、将来性が期待される新たな農業ビジネスを確立しました。

 地域農業を活性させる

地元農家の喜びや苦しみと共に歩んできた河原崎商事としての経験を生かし、薬善が地域農業の活性化の具体策を示す役割を担います。今年末、初めての収穫を控え、3年後には事業を軌道に乗せ、安定生産とさらなる栽培面積の拡大を目指しています。これまで河原崎商事を支えてくれたお茶農家への恩返しと地域再生への想いを後継者や社員にも伝え、農業ビジネスの新たな一手として「静岡県を日本一の薬草産地にしたい」と語りました。

取材:河内 崇文氏(㈱スマートブレイン・榛原支部)