「共育ち勉強会」は、社員・労使・人に関する事を本音で語り合い、お互いの取り組み事例や成功・失敗の経験を共有して考え方の違いを学ぶという同友会本来の手法で、バズセッションを通じ各参加者の実情に合った実践の方法を共に勉強し合うことを目的としています。第一回目は「何回言ってもやらない社員」と題して開催されました。

山田誠司氏(㈱メイコー・県共育委員長)からは、自社の人に関する悩みの歴史と気付きや実践について報告がありました。育てるという事の必要性や、問題に直面した時に皆でカバーし合う体制・風土づくりに着手している事、そして田山講堂氏の著書『変革と継承』の内容に経営者の考えを戒められた事、社員ととことん話し合い理解を求め、民主を追求しなければならないという労使見解の深さに気付かされた事などを、赤裸々な体験と共に話しました。

 続いて伏見修氏(㈱富士山ドリームビレッジ・障がい者問題委員)が、発達障害の事例を元に、それぞれの長所を生かしながらできない事を補い合う環境づくりが大切である事を話しました。

バズセッション後のグループ発表では、社長が社員と向き合いしっかり考えを伝える事や、社員はそれぞれに違うと認める事、個々の特性を見抜く努力をする事など、社員と共に良い会社を創る為に経営者は何をすべきかについて様々な意見が発表されました。

共育ち勉強会は、奇数月に開催を予定しています。人に関する悩みを皆で共有し、共に育ちましょう。皆さんのご参加をお待ちしています。

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弁護士・内海雅秀氏(内海総合法律事務所・御殿場支部)を講師に「経営者のための法律基礎知識」をテーマに講演頂きました。

同友会の中にも多様な業種の会員が在籍し、事業の経営者として活動する中で各社とも多種多様な形態の商取引を日常的におこなっているかと思います。

これら多岐に渡る形態の「商取引の概要と注意点」「債権回収の基礎知識と対策」について、内海氏から法律上(民法・商法等)の解釈や様々な判例、世間一般の慣例を基に専門的かつユーモアを交えた解り易い解説をして頂きました。

会員の皆さんにおいても取引上のトラブルに繋がったり巻き込まれたりすることはまったく無いわけではなく、誰しも多かれ少なかれ苦い経験があるのではないでしょうか?そのような時にただ途方に暮れるのではなく、多少の知識を持っていればトラブルを未然に、又は最小限に防ぐことが出来るでしょう。

弁護士による実務的講習というと難解でハードルの高いイメージを持たれる方もいらっしゃるでしょうし、日頃弁護士と関わる事もあまり多くはないでしょうが、今回の例会は正しい知識をもって日々の事業に励むことの重要性を認識するきっかけとなる一日だったと思います。

勝間田 賢一氏(㈱駿河調査設計・御殿場支部)

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前富士宮市都市整備部長で富士設計㈱の角入一典氏の講演でした。都市整備という長い年月を必要とする事業で、角入氏が携わった三つの事例を軸に語っていただきました。

一つ目の事例は、門前町のシンボルである大鳥居について。富士山のある富士宮の町づくりと宗教は切っても切り離せない関係であるのは周知の事実ですが、その功罪と大鳥居再建までの流れ、同氏の町づくりのテーマ「本物の門前町」を創るという考えに魅力を感じました。鳥居より内側の聖域と外側の俗の部分のコントラストが大きければ面白い町になると感じました。
二つ目の事例は、イオンシネマについて。映画館という文化の発信拠点が岳南地域から失われた状態から、法律の枷をかいくぐって映画館がオープンするまでの経緯が生々しく語られました。

三つ目の事例は、鉄道高架について。同事業の考えの根本には安全で住みよい町づくりがありますが、その理想とかかる費用という現実があります。それに即してどこを優先し、妥協するか、という事業の難しさを垣間見ることができました。

角入氏の話は、富士宮市を良い町にしたいという思いに溢れ、このような方の下で都市整備行政が行われてきたのを幸いに思いました。角入氏のスピリットが後進の方々に受け継がれていくのを願います。

赤池 朋彦氏(㈱ユーシ・イレブン・富士宮支部)

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8月11日(月)同友会会議室にて、静岡県経済産業部と同友会による意見交換会を行いました。静岡県からは土屋経済産業部長はじめ11名、同友会からは遠藤・藤原代表理事はじめ13名が出席しました。地域社会を支える担い手として中小企業家自らが自覚を持ち、相互の持続的な成長と発展をしていく環境を実現するため、①静岡県中小企業振興基本条例の制定、②当会静岡県中小企業振興基本条例草案ワーキンググループ会への協力要請、③全県経営フォーラム参加要請の3点を要望しました。

遠藤代表理事からは、景況調査と経済指標を用いて県内総生産と県民所得の動向推移を報告。全体として先行き期待感は増すも、傾きの度合いはリーマンショック前と比べ低い状態にあると説明。

佐野副代表理事からは要望の補足を報告。地域社会の活性を共通認識として捉え、行政と共に現況の課題を共有すること。地域社会を支えていく一層の自覚を中小企業家が持つこと。そのために産業・教育・文化・歴史等の地域社会についての学習要望を提言しました。

その後、富士宮支部の九川治喜氏(丸山工業㈱)、静岡支部の松岡慶子氏(㈱松岡カッター製作所)、磐田支部の大橋徳久氏(㈲大橋商事)の3名から各社の経営状況を報告しました。 第1部の意見交換会終了後には交流会を行いました。藤原代表理事進行の下、参加者全員から感想をいただき、地域発展への思いを共通認識として、産官連携を深めていく意見交換会となりました。



参加者感想

土屋経済産業部長をはじめ、望月県理事、黒田同部理事、石川就業支援局長、望月商工業局長、芦川政策監、商工業局の各課長方々にもご参加いただいての意見交換会。通例では経済産業部の政策や成果の発表会になってしまうことが多いのですが、会場を同友会事務局に持ってきたことと、政策委員会の進行によって、同友会の要望に関する意見交換の時間を多く持つことができ、有意義な意見交換会になったと思います。

 特筆すべきは後半の交流会。藤原代表理事が司会を務め、参加者全員が発言をし、産・官それぞれの立場から本音も聞かれました。県の方々の同友会に対する考えを改めて窺い知ることができ、今後多くの会員にも体感してほしいと思うほど感動するものでした。土屋経済産業部長の親しみやすさと、政策委員会の進行、そして懇親会での全員発言等、楽しく充実した意見交換会に感謝します。今後、経済産業部を訪ねるのが楽しみになりました。

河原崎 信幸氏(シンコーラミ工業㈱・富士宮支部)

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同友会からは、景況調査や条例づくりへの想い、取り組み、そして各支部会員からの近況報告や中小企業の抱える課題の報告を行いました。県の担当者からは、県としての取り組みの現状や今後の方針などが報告され、その後それらの報告に基づく意見交換がされました。細かな認識のズレや、立場の違いによるアプローチの角度や手法に違いはありますが、静岡県の置かれた現状に対する危機感、静岡県を良くしたい、活気のある、夢のある、そして幸せの実感できる街にしたい、地域の中小事業者が、地域の活性化の主役になって活躍できる環境にして行きたいという想いは、間違いなく共通の認識だと感じました。

県の条例と市の条例との関連は分かりませんが、県でも市でも、条例⇒ビジョン⇒各施策と言う関係だとすると、まず自社(自分)が身近な各施策に関わり、検証し、その元であるビジョンを見直し、更にその元である条例に血を通わせ、息を吹き込む・・このような観点で志太支部では条例作りにアプローチしたいと思っています。

松葉 秀介氏(松葉倉庫㈱・志太支部)

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