創立メンバー勝又悦朗氏(静岡支部)に聞く~静岡同友会の歴史探訪~

カテゴリー:会員訪問記

 1974年に入会、同友会運動の発展に寄与し、今夏に傘寿を迎えた勝又悦朗元筆頭代表理事に、同友会への期待、次世代に伝えたいことをインタビューしました。

【同友会への入会】

 結婚した相手の兄が、青島文化教材社を経営しており、会社に入ることになりました。お誘いを受け、中小企業経営者が自主的に会をつくるのは良いことだと思い、同友会に入会しました。設立総会の議長が予定されていましたが欠席し、それ以降の10年間は全国行事しか出ませんでした。

 当時は、経営指針、理念というより、自社の悩みを相談するような例会を行っていました。そんな折、故陰山代表理事に頼まれて、副代表理事に就任し、1年後に代表理事になりました。会員各々が「同友会は自分の会だ!」という意識の元で活動を行い、1000名会員を達成しました。今の同友会との違いは、そこだと思います。先駆者であった会員が高齢化し、経営環境の悪化もあるでしょうが、「会員自身が自分の会」として、どれほど動くことが出来るか、これが一番大事なことではないでしょうか。

【会への期待】

 厳しい経済情勢に加え震災が起き、今の世の中を生き抜いていくには、何か特化するものを見つけなければなりません。マーケティングとイノベーションに、どう取り組んでいけるのか、自分や社員を変えていくための活動を、どうつくっていけるか。生活者が欲するものを追い求める姿勢、新しいコト、モノづくりを事業の中で打ち立てないといけません。福島では小グループ制度をつくり、個々に研究テーマをかかげ、退会も少なく成果をあげています。

 モノや情報過多の時代に、選別できる目を養い、企業間ネットワークを強化していく。それと同時に、一人でも多くの「ミスター同友会」を、できれば会員の1割100人の「ミスター同友会」をぜひつくってください。同友会の理念・方針を、どう実践していくか、共通の目的に向かって事務局も共にすすんでいく。

 人間尊重を真に行えているか、パートナーとして社員に対応しているか。本当の力は、そこからしか生まれない。自主的に自分の領域を広げて仕事をしていく社員、どの企業にとっても課題です。心のつながりは、何にも変えがたい力の源となり、パワーにつながるのです。

【次代に継ぐ言葉】

 生涯通じて、学ばなければいけません。成功者の話を聴くと、仕事を終えた夜間、2時間の読書を課し、寝ないように立って読むほどに勉強したといいます。人から言われてやるのではない。指示、命令、管理、監督の組織は長続きしません。評価、処罰という流れになってしまう。

 「自主、自活、共学、共生」これらを社是として、社員に伝えてきました。人を生かす経営といいますが、人を中心とした組織を実現してほしいと思います。

■昭和初期に少年時代を過ごした勝又氏は、時代に先駆け、真に自主的な組織をつくることに邁進しました。企業経営、同友会への思いを伺い、真の「ミスター同友会」に会ったと思いました。    

取材 斉藤 誠氏(静岡支部)          

小泉衣里子氏(事務局)