【シリーズ憲章】2010年2月号第22回

カテゴリー:中小企業憲章

2010年2月号【第22回】 すべての道は中小企業憲章に通ず ~まずは良い経営環境をつくるべき 望月富士雄氏((有)沼津金網・沼津支部)

 

良い会社をつくろう。良い経営者になろう。良い経営環境をつくろう。同友会の集まりで唱和する同友会3つの目的。私は、最近、良い経営環境をつくろう、が最後になっていることに違和感を持ってきた。本当は、一番最初に来るべきでは、ないか。・・・と事あるごとに訴えている。
もちろん、良い会社をつくろう。良い経営者になろう。が置き去りになってよいはずはないが、経営環境の充実が、最も大事ではないかと、そのようなことをつくづくと感じている。大企業と比べて、中小企業は、地域に溶け込んで、様々な事業をおこなっている。よく言われるが「地域を支えている存在は、中小企業だ」ということである。しかし街の商店や工場が、次々と閉鎖し人と人との触れ合いの元となっていた地域経済が音をたてて崩れ去り、縁もゆかりも無い大規模資本が、進出し地域経済に大きな影響を与えている。その先にある中小企業の衰退と地域の衰退が同時に起こっているような気がするのである。
同友会に入会するきっかけは、書店で見た中同協発行の就業規則の本を購入した時から始まる。以来20数年間同友会とともに歩んできた。その中で感じてきたことは、地域を支えているはずの中小企業の認知度や社会的地位は、苦労のわりに報われていないな、と思ってきた。何とか社会的認知度を上げる方法は、無いだろうかと考え沼津市の産業振興課を訪ねた。その折、地域の産業に長年従事している人を表彰する『産業功労表彰』という制度があることを知った。この制度を使えば、「社会的認知度が上がる一つのきっかけになるのでは」と思い、まず同友会沼津支部から、候補者を推薦し、表彰を受けることにした。この制度で今までに支部から3名が表彰をうけた。また引き続いて、沼津市の7月1日の市制記念日には、中小企業家同友会沼津支部として、推薦を挙げて2名が表彰を受けている。もちろん表彰を受けること自体が目的ではなく、中小企業者の社会的認知度を上げるための活動の一環としていることは、言うまでもない。
同友会運動の集大成として、『中小企業憲章』が存在する。『すべての道は中小企業憲章に通ず』である。