【私の逸品】金属加工技術が生み出した音の響き 丸山工業㈱ 九川 治喜氏(富士宮支部)

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【逸品】無電源スピーカー「バイオン-Mg60」、マグネシウム合金製ケーナ「marco QUENA」

会員企業名 丸山工業㈱ 設立 1971年4月
会員名 九川 治喜 業種 自動車部品等製造
所属支部 富士宮支部 従業員数 社員 17名 パート 6名
会暦 2009年2月入会 事業内容 薄板鉄板等のプレス加工、パイプ加工

 

丸山工業㈱は、主に自動車部品用の金属加工、プレス加工を得意としています。テレビドラマの「下町ロケット」で同社の製作した部品が使われるなど、その品質と技術の高さは広く評価されています。
代表取締役の九川治喜氏は、ファゴット奏者という一面を持っていることから、会社をオーケストラに喩え、社員ひとりひとりを演奏者、社長を指揮者と考えています。
「様々な楽器の音を指揮者が一つの音楽にするように、会社経営も、社長が指揮者となり多くの社員を一つにまとめなければならない。会社は楽団」とのこと。そのため、経営理念もユニークな表現です。

【社  是】
音符から音楽が生まれるように 図面からモノをつくる

【経営理念】
私たちは品質・技術を磨き続け、お客様の心に響く製品をつくります
私たちは一日一瞬を大切にリズム正しく協働し、充実した人生を奏でます
私たちは地域とのハーモニーを大切にし、持続可能な会社を目指します

このような九川氏は、自社の得意分野を生かして、何か音楽に関わった仕事をしたいと考えていました。そのような折に、元取引先の方の主動でスマートフォン用無電源スピーカーの開発に携わります。そして、現取引先でもあり同友会の古くからの仲間である鈴木高史氏(㈲鈴木製作所)も加わり、マグネシウム製スマートフォン用無電源スピーカー「バイオン-Mg60」が完成しました。

「バイオン-Mg60」は、マグネシウムの高い音響特性と軽さと強度を併せ持つ特性を活かした、世界初のマグネシウムチューブ製スマートフォン用無電源スピーカー。マグネシウムの高い振動吸収性によって、いつものスマートフォンの音がワンランク上の音質になる上、マグネシウムチューブの驚くほどの軽さと強度で、インドア・アウトドアを問わず、いつでもどこでも音楽を楽しむことができます。

さらに九川氏は、ここでの経験を生かし、マグネシウム合金製ケーナ「marco QUENA(マルコ・ケーナ)」を誕生させました。ケーナとは、南米ペルー、ボリビアなどが発祥の縦笛です。ケーナ独特の素朴な味わいの音色を残しながら、軽やかかつ豊かな響きを実現しています。また、重さの面では竹製や木製のケーナと同等かそれよりも軽量であり、演奏者の負担を軽減。さらに、マグネシウムは金属アレルギーが起きにくい金属なので、安心して使用できます。

マグネシウムの特性を南米の伝統的な楽器に活かし、スタイリッシュに生まれ変わったケーナ。それが「marco QUENA」なのです。

九川氏は、同友会では副支部長として活躍し、同友会で教わった「常に考える」ことを会の仲間と共に実践してきました。そしてついに、経営理念のとおり、品質・技術を磨き、お客様の心に響く新たな製品を開発しました。

社員が一日一瞬を大切にリズム正しく協働し、他社と共創した「バイオン-Mg60」。そして、その開発の経験から生み出した自社製品「marco QUENA」。九川氏が指揮する丸山工業㈱楽団はこれからも、演奏者である社員が充実した人生を奏でる仕事を生み出し、持続可能な会社を目指していきます。

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取材・記事・撮影:金子 佳正氏(金子石材滝戸)
取材:稲原 研氏(松屋電気商会)
取材:鈴木 高史氏(㈲鈴木製作所)