あきらめない心で新しい分野を開拓 ㈲三和化学 代表取締役 横山 賢三氏(榛原支部)

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あきらめない心で新しい分野を開拓

㈲三和化学

代表取締役 横山 賢三氏(榛原支部)

事業内容: プラスチック製品製造販売業(サンキャップ(標示枕キャップ)、トマール(切花輸送用バンド)、ケーフック、ロードキャップ、ティーピーカン(茶缶))

設立:1970年3月

社員数:10名

入会:1992年5月

所在地:牧之原市大寄476-2

TEL:0548-54-1221

URL:http://www.sanwakagaku.co.jp/


「世の中にないモノ」で全国シェア

 農家に生まれ農業指導員だった横山賢三氏は、20歳の時、気の乗らない日々から抜け出そうと勤めていた会社を退職し、昼は農業、夜はプラスチック工場で働き始めました。25歳で農業の傍ら、成形機を一台購入し独立開業しますが、29歳のとき、オイルショックの影響で経営が行き詰まります。しかし、ここで一念発起。「世の中にないモノをつくろう!」と思いついたのが、ポリキャップでした。信用がなく不可能と思われた融資が実現したのをきっかけに、全国に三和化学の製品は波及しました。


経営危機の中、新分野での製品開発

 道路などの公共物とともに歩んできた自社製品。しかし政権交代による余波で、またもや経営危機。資金繰りに頭を悩ます中、展示会で医療向け製品をつくれないかと声をかけられ、開発を決意しました。しかしながらこの分野は品質に厳しく、開発は困難を極めました。改良に改良を重ねた末、横山氏が目指す「競合のいない製品」が完成しました。

横山 賢三氏(右)


社員へと受け継がれる「あきらめない心」

 「無人で稼働する工場の生産技術力は弊社の自慢」と話す横山氏。少量多品種・スピーディな対応力は、取引先から絶大な信頼を得ています。4年前より開発の現場にも社員が入るようになり、人が順調に育っています。また、働き方改革が叫ばれる昨今の中小企業にあって土日祝を休みとし、大企業並みの年間休日の中でも利益をあげています。幾度となく訪れた経営危機。横山氏の「あきらめない心」は社員へと受け継がれ、医療製品という大きな翼を広げ、世界へと羽ばたいています。「まだまだ夢の途中」と、お孫さんの描いた似顔絵を見ながら嬉しそうに話す横山氏が印象的でした。

取材・記事:塚本 文明氏(TDC・榛原支部)