カテゴリー:静岡支部
| テーマ | 「理念は会社に必要か?」 |
|---|---|
| 報告者 | 小野 壮俊氏(オノケン材塗装株式会社 代表取締役) 浅原 聡子氏(合同会社イノチテラス 代表) 山本 健二氏(有限会社日本スエーデン 代表取締役) |
| 開催日 | 2026年9月28日(月)19時~21時 |
| 会場 | 静岡市産学交流センターペガサート7F 演習室3 |
| 参加者数 | 15名 |
概要
中小企業家同友会ではよく「理念経営の実践」が言われます。では、そもそも経営理念とは、会社や経営者にとってどのような意味があるのでしょうか。
そこで、「理念は本当に必要か?」をテーマとして、肯定側(「理念は必要」グループ)と否定側(「理念は要らない」グループ)に分かれて討議を行いました。
否定側からは、
「『理念とは何か』という問いに対して、経営者自身が端的に答えられるか?」
「会社は理念がないと潰れるのか、というとそうではない。儲かる市場に対する嗅覚と、儲かる・稼げる仕組みを作れる手腕こそ重要ではないか?」
「理念というもので自身や自社を縛ると、柔軟性が奪われ、儲ける機会を損なわないか?」
「社長は理念の浸透に多大な労力を割くよりも、その情熱を『稼ぐ仕組みの構築』に割いた方が良いのではないか?」
「理念よりも、今日のお金、明日のお金が大切。経営において、資金を生むことこそ重要なのではないか?」
という意見が飛びました。
一方、肯定側からは、
「経営理念とは『自社が世の中に対してどう在りたいか』というものであり、短期・中期の経営のさらにその先に見据えるもの」
「理念がなければ潰れる、というものではないが、『何のために働くか』という人生の主題をある程度共有できるようになるので、あった方が気持ちが揃いやすくなり、経営がしやすくなる」
「理念は自社の核となるものであり、それ自体が会社の柔軟性を過剰に損なうものではない。その実現へと向かう経営方針、戦略、計画を、柔軟な発想で行えばよい」
「企業を組織として機能させるには、多様な個々の想いをひとつに束ねるための『経営理念』は必要」
「理念を掲げるだけで儲かるものではない。理念の実現を目指したビジョン・方針・計画が必要である。同友会の提唱する経営理念は<科学性><社会性><人間性>によって構成されていて、利益を置いてけぼりにするものではない。
「『理念・ビジョン・方針・計画』をまとめた『経営指針』を成文化し、『経営指針に基づく経営』を行うことが必要で、理念を掲げるだけで終わらせないことが大切」
という意見が上がりました。
この討議は、否定側の意見を「問いの投げかけ」として、「なぜ、経営理念が必要なのか」「そもそも、経営理念とは何なのか」「経営理念のほかに、必要なものは何か」「経営者に求められる視点とは何か」という考え・理解の深化につながったものと思います。
入会1年以内の参加者も多かったなかで、同友会が目指すものを共有できる場となりました。
後半では、実際に指針経営を行う3名が実践事例を紹介しました。
粉体焼付塗装を行うオノケン材塗装(株)の小野壮俊氏は、経営理念がない経営の危うさ、経営判断の中核となる理念の重要性、そして「理念とは、飯を食い続けられる会社をつくための“基礎”」であることを紹介。
在宅・地域密着型の看護介護サービス業を行う(合)イノチテラスの浅原聡子氏は、自身の想いから描いたビジョンが今の企業の姿になっていること、理念に基づく組織・仕組みづくり、自社の「無形資産(構造資本・関係資本・人的資本)の可視化等を具体的な事例として紹介。
スウェーデン鋼刃抜型・革製品製造を行う(有)日本スエーデンの山本健二氏からは、「人の喜び」という自身の根源にある想いとへの気づきと、その想いを言語化した経営理念のこと、理念の成文化のおかげで自分の考えや想いが多方面に表現しやすくなっていることを紹介。
様々な角度から、「理念の重要性」だけでなく「理念の実現を目指し、何を実践するか」ということまで触れられる機会となりました。





